2023年12月20日より、はてなブログでは「AIタイトルアシスト」を利用できるようになりました。AIに記事タイトルを提案してもらうことで、より多くの人に読まれやすい記事をめざす機能です。
元になっている技術は、ChatGPTのAPIです。
「AIタイトルアシスト」の活用によって、ブログのアクセスや収益は増えるのでしょうか?
はてなブログ「AIタイトルアシスト」機能とは?使い方を解説
はてなブログの「AIタイトルアシスト」とは、はてなユーザーの書いた本文(※)から、本文にふさわしい記事タイトルをAIが自動生成してくれる機能です。
(※ 本文の文字数が300文字以上)
今回は、下記の記事で「AIタイトルアシスト」を試してみます。
なお、注意点として、
- 「はてなブログ個人営利利用ガイドライン」に沿っている記事で利用する
- ChatGPT側にデータが提供されること
を知っておく必要があります。個人情報や会社が特定されるような記事には、使わないほうがベターです。
「AIタイトルアシスト」の使い方➀
本文がすでに書かれている状態で、記事タイトルの欄を空欄にして、「AI」ボタンを押します。提供されているのはPC版のみ。新規に書いた記事でも、過去記事でも使えます。
〈「AIタイトルアシスト」の使用制限〉
- はてなブログ無料版のユーザー・・・1日5回まで
- はてなブログ有料版のユーザー・・・1日30回まで
「AIタイトルアシスト」の使い方②
「記事タイトル」で提案された3つのタイトルのうち、ひとつを選択し、「選択した項目を適用する」をクリックする。
提案されたタイトルはそのまま採用してもいいですし、加筆修正もできます。
「AIタイトルアシスト」の使い方③
最後に、「下書きを保存する」「公開する」「更新する」などの操作を行ない、記事タイトルの生成や変更を保存します。
「記事タイトル」「検索エンジン向けタイトル」の違いとは?
- 「記事タイトル」・・・文字通り、記事のタイトル
- 「検索エンジン向けタイトル」・・・Googleやヤフーなど、検索ページに表示されるタイトル
「記事タイトル」と「検索エンジン向けタイトル」は、基本的には同じです。
ただ、検索結果には似たようなタイトルが並ぶことが多いので、差別化を図るために「検索エンジン向けタイトル」を変えることもあります。
(例:日付や書き手の属性、サイトのタイトルなどを入れるなど)
実際に、AIが生成してくれた「記事タイトル」と「検索エンジン向けタイトル」です。
〈AIが生成してくれた「記事タイトル」〉
- ➀「デザインテーマ変更によるアクセス減少と失敗の教訓」・・・△
- ②「ブロガーの成長と失敗から学ぶ、デザインテーマ変更の注意点」・・・✕
- ③「はてなブログのデザインテーマ変更の影響」・・・〇
〈AIが生成してくれた「検索エンジン向けタイトル」〉
- ④「デザインテーマ変更によるアクセス減のリスクとは?」・・・〇
- ⑤「はてなブログでデザインテーマ変更がアクセスに与える影響」・・・◎
- ⑥「デザインテーマ変更の注意点と成功の秘訣」・・・✕
(②がダメな理由・・・因果関係が間違っている)
(⑥がダメな理由・・・「成功」とまで書くと言いすぎ)
いろいろ試した結果、「検索エンジン向けタイトル」のほうが、SEO的な精度はやや高めでした。6つの中から、ふさわしいタイトルを「記事タイトル」に選びます。
本文の内容とズレているタイトルは選ばないこと、書き手のことをまったく知らないユーザーにも伝わるタイトルを選ぶこと、がポイントです
はてなブログ「AIタイトルアシスト」の活用で、アクセスは増えるか?
条件次第で、アクセスは増えると思います。
- ➀ 内容を想像しづらい記事タイトルを付けていた場合
- ② しっかりリサーチし、丁寧に記事を書いているけれど、タイトルの付け方がマズかった場合
アクセスが増えるケース➀ 内容を想像しづらいタイトルを付けている
たとえば、「無題」とか「2023年12月29日」とか「大変なことになってしまいました」など、本文の内容を想像しにくいタイトルを付けていた場合、AIの活用でアクセスアップにつながると思います。
「記事タイトル」は、SEOにとって重要なファクター。
タイトルに検索キーワードが含まれており、本文の内容と一致しているタイトルだと、検索エンジンから評価を受けやすくなります。
SEOの知識がまったくないなら、AIに考えてもらったほうがアクセスにつながるだろね
2023年の3月。はてなの「AIタイトルアシスト」試用版が提供される、7カ月前。
SEO歴6年の筆者が、友人のはてなブログで、記事タイトルを修正したことがあります。
友人のブログの過去記事から、わたし自身が「検索キーワード」を抽出し、検索されそうなタイトルに改めました。タイトルを修正したのは、10記事ほど。このとき、本文の内容は一切いじっていません。
いわば、はてなの「AIタイトルアシスト」に近い対策を、たまたま“手動”でやっていたのです
それから、1ヶ月後。
友人のブログは、Google、ヤフーからのアクセスが1.3倍に増えていました。
アクセスが増えるケース② 記事のクオリティは素晴らしいのに、タイトルの付け方がマズい
記事を読んでもらえば誰かの役に立つだろうに、SEOの知識がないために集客できていない場合。
一般に検索ユーザーが私たちのブログに訪れるには、ユーザーが
「はてなブログ 始め方」
などの検索行動を取ったときに、検索ページに上位表示されている必要があります。
ユーザーが検索フォームに入れるようなキーワードが、タイトルに2~4語ぐらい含まれていないと、検索上位は難しくなります。たとえ内容が優れていたとしても、ユーザーが私たちのブログを見つけることが難しいのです。
「AIタイトルアシスト」の活用で、検索キーワードを含んだタイトルを生成できれば、ユーザーに見つけてもらう機会が増えます。ゆえに、アクセスアップはあり得ます。
はてなブログ「AIタイトルアシスト」の活用で、収益は増えるか?
「Googleアドセンス」はアクセス数に左右されますので、アクセスが増えれば収益にも反映されます。ただ、“わずかな収益アップ”に留まるでしょう。
「アフィリエイト」や「Amazonアソシエイト」は、記事タイトルだけで売り上げは出ません。
- 特定のキーワードの組み合わせで検索する人の、悩みを解決できているか?
- 特定の商品やサービスについて知りたくて検索する人に、満足してもらえる内容か?
のどちらかを満たす必要があります。
なぜ、タイトルを変更しただけでは収益化が難しいのか?
ブログの収益化は、「広告のクリック」や「商品やサービスの購入」という読者さんのアクションがあって初めて成立します。
しかし、人はたまたま読んだで記事で、そんなに簡単に“行動”しません。
本来のSEOは、やるべきことが逆です。先にニーズを調べておくのです
あらかじめ、特定のキーワードの組み合わせで検索する人に向け、オーダーメード化された文章を書く。さらに、その記事がユーザーに満足してもらって初めて“収益”につながります。
池上彰さんが語っているように、「(特定の悩みがある)誰かに喜んでもらって」、初めて“お金をいただく”ことができるのです。
(ニーズを考えずに)たまたま書いた記事が、(お金をいただけるほど)誰かに喜んでもらうのは、やっぱり難しいです。
「ブログの収益化に悩んでいる」
というはてなブロガーのかたには、書籍『アフィリエイトで夢を叶えた元OLブロガーが教える 本気で稼げる アフィリエイトブログ』のご一読をおすすめします。
(※ アフィリエイトの本ですが、Googleアドセンスで収益化を考えている人にも刺さる内容です)
- ブログ運営の本にしてはめずらしく、「はてなブログの収益化」について書かれている
- 「書きたいことを書く」のは、ちょっと違う
- 収益化できた人がどのような心構えで記事を書いているか、「思考のプロセス」がわかる
2018年に書かれた本であるため、知識のアップデートが必要な部分もあります。
ただ、やっかいな専門用語は少なめ。また、著者の亀山ルカさんは伝え方がやさしいので、ブログで情報発信することに前向きになれます。
ブログ収益化が上手くいっていない人は、ブログに向き合う「心構え」や「マインド」が間違っているので、ハッとさせられます。
まとめ
SEO歴6年の筆者から見ても、「AIタイトルアシスト」はまずまず優秀です。
特に、記事のクオリティが高いのに検索キーワードがタイトルに含まれていない場合は、アクセスアップに貢献してくれるはずです。
ただ、収益につなげるには、 “必要としている誰か”にとって役に立つ記事を書くことがすべて。
役に立つ記事を書くには、
- ブログへの向き合い方を変える
- SEO、ライティング、マーケティングを勉強する
の2点が必要です。
個人ブログにとっては厳しい時代ではありますが、まだまだブログの存在意義はあります。2024年も、ブログ運営を頑張りましょう!