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『バンテージ・ポイント』あらすじ&レビュー!複数視点映画の傑作!

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『バンテージポイント』複数視点映画の傑作

※この記事は、2020年10月に更新しました。

先日、久しぶりに黒澤明 監督の『羅生門』を観たのですが、抜群に面白かった! 複数の視点からひとつの事件に真相に迫るという手法は、今みても新鮮です。

 

今回は映画『バンテージ・ポイント』をレビューしてみたいと思います。『羅生門』同様、立場の違う複数の人物の視点から、立体的に事件を浮かび上がらせるタイプの映画です。

 

映画『バンテージ・ポイント』の概要

 

『バンテージ・ポイント』は、2008年公開。アメリカ大統領狙撃事件の真相にせまる、サスペンス&アクション映画です。

バンテージ・ポイント
原題 Vantage Point
製作国 アメリカ
公開年 2008年
上映時間 90分
監督 ピート・トラヴィス
脚本 バリー・レヴィ
出演 デニス・クエイド、マシュー・フォックス

 出演は、『オーロラの彼方へ』のデニス・クエイド、ドラマ『LOST』のマシュー・フォックス、『大統領の執事の涙』のフォレスト・ウィテカーなど。

 

『バンテージ・ポイント』のストーリーとレビュー

 

簡単なあらすじ

 

スペインのサラマンカでは、テロ根絶のための国際会議が開かれておりました。この日は、アメリカのアシュトン大統領(ウィリアム・ハート)の演説が行われる予定でした。

 

会場となるマヨール広場には、たくさんの聴衆や各国のテレビクルーが集まっています。現場では不測の事態にそなえて、シークレット・サービスが物々しい警備にあたっています。

 

シークレット・サービスのバーンズ(デニス・クエイド)は、広場ちかくのアパートの一室のカーテンが揺れているのを見つけます。すぐさま調べさせますが、異常はありません。

 

そんな中。午後0時23分。

 

スピーチしようと壇上に立ったとたん、大統領は何者かに撃たれてしまいます。バーンズは、必死に手がかりを探します。すると、ビデオ・カメラで演説を撮影している旅行客ルイス(フォレスト・ウィテカー)を見つけます。

 

バーンズがルイスにビデオを見させてもらうと、犯人とおぼしき人物が映っていたのですが・・・

 

1回1回巻き戻るタイプの、『24』?

 

“複数視点”という触れ込みだったので、映画『羅生門』のように、「視点を変えると実像がわからなくなる」タイプのサスペンスを想像していました。

 

関連:“複数視点”映画の代表作!

www.entafukuzou.com

 

けれども、パッと見たときに感じたのは、海外ドラマ『24』に近い感覚。

 

『24』では、テロ対策機関の捜査官、テロリスト、大統領など、複数の人物の行動が描かれます。ときに画面を2分割、3分割して、リアルタイムで見せる手法がとられていました。

 

『バンテージ・ポイント』の場合は画面を分割せず、1回1回巻き戻って、大統領が狙撃された前後に起こったことを見せてゆきます。

  • 演説を中継するテレビスタッフの視点
  • シークレット・サービス(大統領警護)バーンズの視点
  • アメリカからの旅行客の視点
  • 地元スペインの刑事の視点
  • アシュトン大統領の視点
  • テロリスト側の視点
  • 地元スペインの刑事の視点

 

この作品の脚本が見事なのは、「えっ!? その後どうなるの?」という場面で1回ストップして、巻き戻るところ。複数視点から、狙撃までのてん末を描いてゆきます。

 

そして、終盤。物語はいっきに加速!

 

逃走する犯人と追いかけるバーンズを中心に、別々のキャラクターの視点が交わってゆきます。投げっぱなしだった「その後どうなるの?」が、凄まじいスピードで繋がってゆきます。この爽快感、たまりません。

 

 

 

ただの複数視点にあらず! 立場が違えば、考え方も変わる

 

原題の『Vantage Point』は直訳すれば、「有利な立場」。このままだとわかりづらいですが、from your vantage point で、「あなたの目から見れば」という意味となります。

 この「あなたの目から見れば」というのは、単にカメラの視点だけではなく、ものの見方・考え方も含んでいます。

 

対話を信じる大統領。子ども思いの一般市民。過去のトラウマと闘う警護官。やむにやまれぬ事情を抱えたテロリスト・・・

 

そんな立場の異なる人物たちが、クライマックスのある一点で交差します。時間にして、わずか数秒。その瞬間、各キャラクターたちが内に秘めた人間性を見せます。しかも、セリフではなくアクション(=行動)で。

 

映像表現としてすばらしいし、長ゼリフを並べるよりずっと感動的だと思います。