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『墓石と決闘』あらすじ&キャスト【『荒野の決闘』との関係も解説!保安官と悪党の友情に胸アツの西部劇】

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『墓石と決闘』あらすじ&キャスト【『荒野の決闘』との関係も解説!保安官と悪党の友情に胸アツの西部劇!】

「お前も殺し屋と変わりない」

 

私怨にとり憑かれた保安官に、札付きのワルがかける言葉が深い。

バーボン片手に、渋い名優たちの演技を堪能したくなる西部劇映画『墓石と決闘』がBSで放送されます。

この記事では、『墓石と決闘』のあらすじとキャストをご紹介し、名作『荒野の決闘』との関係性を解説します。

BSでのテレビ放送(2024)はいつ?『墓石と決闘』概要

『墓石と決闘』(はかいしとけっとう)は、1967年のアメリカ映画。

兄弟をひどい目に遭わされた保安官が、法の名のもとにごろつきに復讐を誓う西部劇です。

映画『墓石と決闘』概要
原題 Hour of the Gun
上映時間 102分
監督

ジョン・スタージェス(『OK牧場の決斗(けっとう)』『大脱走』)

音楽 ジェリー・ゴールドスミス『オーメン』『サイコ2
出演 ジェームズ・ガーナー、ジェイソン・ロバーズ
 『墓石と決闘』のテレビ放送は、2024年5月31日(金)。NHK BSの「BSシネマ」にて。
 13:00 ~ 14:43 

>> TV映画放映カレンダー(BS・地上波) - 映画ときどき海外ドラマ

『墓石と決闘』あらすじ【兄を半身不随に弟をなき者にされた保安官が,悪党一味を追いつめる】

ワイアット・アープ(ジェームズ・ガーナー)ら保安官たちとトゥームストーンの有力者・クラントン兄弟は、激しい銃撃戦をくり広げます(歴史的事件“OK牧場の決闘”)。

クラントン一味はほとんど倒されますが、首謀者のアイク・クラントン(ロバート・ライアン)は生き延び、ワイアットに復讐を誓います。

 

アイクはワイアットらを殺人罪で告訴しますが主張は通らず、ワイアットは無罪となります。アイクは手下に命じてワイアットの兄・ヴァージルを半身不随にし、さらにワイアットの弟をなきものにします。

 

悲しみにくれる中、ワイアットは連邦保安官に任命されます。クラントン一味をどうにかしてほしい、という住民の要請をを受けての就任でした。

ワイアットは盟友のドク・ホリディ(ジェイソン・ロバーズ)とともに、クラントン一味に迫り・・・

『墓石と決闘』登場人物&キャスト

ワイアット・アープ

演:ジェームズ・ガーナー

カンザス州ドッジシティの保安官。札付きの悪党だったドクが町民から集団暴行を受けていたところを救い、ドクと友情を深める。牛を売りさばこうとしたクラントン兄弟とは因縁がある。

 

ワイアット・アープを演じたのは、アメリカの俳優ジェームズ・ガーナー

朝鮮戦争に従軍した後、俳優に転身。アクション大作から西部劇、恋愛コメディまで幅広い役柄をこなす実力派俳優です。

(出典:Tico Romao on X)

おもな出演作

『大脱走』(1963)・・・ドイツにある捕虜収容所に押し込められた連合軍の兵士たちが集団脱走をめざす、戦争ドラマ。

『ビクター/ビクトリア』(1982)・・・売れないソプラノ歌手が、女装した男性歌手としてスターになってゆくミュージカル。ジュリー・アンドリュース主演。
『スペース カウボーイ』(2000)・・・かつて宇宙飛行士の夢を断たれた4人の老パイロットが、宇宙に飛び立つSFアドベンチャー。

ドク・ホリデイ

演:ジェイソン・ロバーズ

(出典:Classic Movie Hub on X、いちばん左側がジェイソン・ロバーズ)

西部開拓時代のガンマンで、ギャンブル好き。激昂しやすい性格で何人も手にかけてきた、札付きの犯罪者。ワイアットとは互いに認め合っており、「OK牧場の決闘」では味方した。

 

ドク・ホリデイを演じたのは、アメリカの俳優ジェイソン・ロバーズ。ブロードウェイで活躍するかたわら、『テキサスの五人の仲間』(1966)や『大統領の陰謀』(1976)などに出演。主役をサポートするような重要な役どころで起用されています。

 

【関連】『テキサスの五人の仲間』も選出!『コンゲーム映画 おすすめ7選』

www.entafukuzou.com

アイク・クラントン

演:ロバート・ライアン

アリゾナ州トゥームストーンのカウボーイで、クラントン3兄弟の長男。牛泥棒で財をなしたが、保安官となったワイアット・アープと対立する。

 

クライトンを演じたのは、アメリカの俳優ロバート・ライアン

1950年~1960年代に活躍した名優で、『史上最大の作戦』(1962)や『ワイルドバンチ』(1969)といった名作に出演しています。

【解説】『荒野の決闘』と『OK牧場の決斗』と、『墓石と決闘』

1881年、アリゾナ州のトゥームストーンで後世まで語り継がれる銃撃戦が起きました。

保安官のワイアット・アープ&賭博氏のドク・ホリディと、町の悪党・クラントン一味が撃ち合いをしたのです。世にいう、「OK牧場の決闘」と呼ばれる事件です。

 

この史実を映画化したのが、ジョン・フォード監督の『荒野の決闘』(1946年)とジョン・スタージェス監督の『OK牧場の決斗』(1957年)です。

同じ史実を描きながら、2つの作品はアプローチが異なります。

『墓石と決闘』あらすじ&キャスト【『荒野の決闘』との関係も解説】

『荒野の決闘』は末弟ジェームズを殺されたワイアット・アープが、復讐をはたすためにクラントン一家と対決する流れ。町の酒場でクラントン一味にからまれていた役者を、ともに助け出したワイアットとドクは友情を深めます。

ドクを追って恋人・クレメンタインがやってきますが、ドクは拒絶。キャラクターの裏にある哀しみが抒情的に描かれ、ジョン・フォードらしい詩的で美しい映像も魅力です。

▲クリックすると動画が読み込まれます。

>> 『荒野の決闘』(字幕版)

 

いっぽうの『OK牧場の決斗』はアクション重視。フランキー・レーンが歌う主題歌をバックに、3人の無法者が馬を走らせるシーンは男心をくすぐります。

ワイアット・アープとドク・ホリディが友情を育む過程に重きが置かれ、リアルな銃撃戦は緊張感がみなぎります。

>> 『OK牧場の決斗』(字幕版)

 

 

『墓石と決闘』は、“OK牧場の決闘”後も続くワイアットとクラントンの抗争を描いた作品。またも弟を殺されたワイアットは、法の名のもとにクラントンの関係者を次々と撃ってゆきます。

(出典: Tico Romao on X)

 

「お前も殺し屋と変わりない」

というドクの台詞は、「保安官バッジ」という大義名分のもとに私怨にかられるワイアットへの警告です。

ドクは、感情のままに数々の罪を犯してきた大悪党。だからこそ、言葉に重みがあります。

 

「保安官と悪党」という、立場的には対立構造にあるワイアットとドクの友情は、つかず離れず。不器用な心のやり取りは、渋すぎます。