交差点でパイプ椅子に座り、何かをカチカチやっている人。これは、「交通量調査」というアルバイトをしている人たちです。何だか楽そう、と思われがちですが・・・
「実はきつい?」
「女性でもできるの?」
こんな疑問に、このアルバイトを20回は体験した筆者が答えてゆきたいと思います。また、この仕事は服装や持ち物に気を付けないと、地獄を見ます。トイレ対策と合わせて注意点をお伝えします。
- 交通量調査の時給はどのくらい?
- 女性でも楽にできる? 交通量調査の仕事内容とは?
- “キツイ”“辛い”と言われる理由は?地獄の体験談
- 冬の交通量調査バイトは、服装&持ち物に気をつけよう!
- “楽なアルバイト”の落とし穴? 就職や転職が遠ざかってゆく!
交通量調査の時給はどのくらい?
調査会社にもよりますが、交通量調査のアルバイトは日払いの単発として募集されることが多くなります。よくある時間のパターンは、以下のとおり。
- 24時間拘束(7:00集合、翌7:00まで、など)・・・2万円前後
- 12時間拘束(7:00集合、19:00解散、など)・・・1万円前後
ほとんどの場合が、現地集合・現地解散。手取りでお給料がもらえます。しかも、多くは「2時間調査して1時間休憩」というサイクルを繰り返します。つまり、24時間拘束でも実働は18時間。実働時間で考えると、時給は1,000円を越えます。
(⇦ 少ない人数でやり繰りする現場では、休憩時間が減ることも)
日払いでまとまったお金が手に入るため、募集がかかると応募が殺到します。すぐしめ切られてしまうので、募集を見つけたら即電話! ネットなら情報の解禁日、バイト誌なら発行される日の朝に情報を手に入れ、受付開始(10時ごろ)とともに即効で電話をかけないと、仕事をゲットできないでしょう。
女性でも楽にできる? 交通量調査の仕事内容とは?
「交通量調査」でよく行われるのが、次の2パターンの仕事です。
「交通量調査」主な仕事内容 | |
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交通量調査 | 観測点を通過する車両(自転車・歩行者など)をカウントする |
渋滞長調査 | 交差点から伸びている渋滞の長さを計測する |
「交通量調査」とは、車両や自動車、歩行者などの交通量をカウントする仕事。調査によりますが、車両は【大型車両・乗用車・バイク】のように車種でわけて計測することもあります。
地点によっては、両手でカウンターを押さなくてはならない忙しい場所もあります。ただ、こういう地点は常連バイトさんに割り振られます。初めての人や経験の浅い人は交通量の少ない場所を担当しますので、仕事としては楽です。
「渋滞長調査」とは、渋滞の長さを図る仕事。かんたんに言うと、1回の青信号でさばき切れなかった車列の長さのことです。最後尾の車を目視または移動して確認するもので、1回教われば誰でもできます。
これまで20回以上この仕事をしましたが、どんな現場にも女性が1~2割はいました。 「交通量調査」にしても「渋滞長調査」にしても、女性が特にハンデを負うことはありません。大変だとしたら、仕事の内容より寒さやトイレの問題でしょう。
“キツイ”“辛い”と言われる理由は?地獄の体験談
仕事の内容そのものは、決して難しくありません。私はこのバイトをやっているとき、通りがかった小学生に、
「あんな仕事、オレでもできるよ」
と言われたことがあります(笑)。そのぐらい楽です。
問題は、この仕事が募集される時期です。バイト情報誌などで大々的に募集をかけられるのが、11月中旬から2月初旬。つまり、もっとも寒い時期なのです。
わたしは、2月のあたまに新木場で調査したことがあります。埋め立て地で、四方八方から海風がビュービュー吹く場所でした。24時間後には顔面蒼白!
この仕事のあと、寒さがおさまらず3日寝こんだことがあります。一緒に調査をしていた人は、防寒具を用意してなくて、新聞紙を体に巻いて寒さに耐えていました
・・・こういった体験から、服装&持ち物に気をつけるようになりました。
冬の交通量調査バイトは、服装&持ち物に気をつけよう!
ここでは、冬の交通量調査バイトにおいて、気をつけたい服装&持ち物について述べます。特に、12月下旬から2月上旬にこの仕事をする場合は、万全の準備をしましょう。
ちなみに、通常の調査なら服装は自由。一部の商業施設の場合、スーツの着用を義務付けられることもありますが、レアケースです。
服装
- ユニクロのヒートテックのような下着・インナー
- ベストのようなインナー
- マフラー
- 真冬用のダウンジャケットまたはコート
- (大人用おむつ)
調査のときは極寒の中。休憩時間は暖房のきいたコンビニや商業施設。温度調節が大変ですので、ベストのような脱ぎ着のしやすい服を着てゆき、暑すぎる商業施設に入る前に脱いだほうが良いです。
また、この仕事は、2時間以上トイレに行けないことがあります。冷え性の人は、休憩時間に水分をとらないように徹底しなくてはなりません。
今だから白状しますが、休憩時間まで待てなくて、草むらで立ちションしたことがあります。尿意を我慢するのが辛かったことは、二度や三度ではないです。
大人用おむつはトイレが近い人用の、万が一の備え。「大げさな!」と思うかもしれませんが、30~40分も我慢する地獄を考えれば、全然あり。
渋滞が予想される高速道路を走るとき、事前に大人用おむつを履いておくドライバーだっているぐらいです。持っておくだけでも安心感が違います。
持ち物
- 鉛筆、シャープペン、ボールペン、消しゴム
- 時計
- 印鑑(⇦ その場で書類を書き、現金をもらうため)
- 服に貼るカイロ、靴用のカイロ
- 着替え用の下着、靴下
- スキーウェア
- 雨具
- 大きめの透明のビニール袋3~4枚(⇦ カバンや調査票を雨で濡らさないため)
休憩の際、暖房の効きすぎた百貨店などに入ると、汗をかきます。汗をかいた下着をずっと着ていると、風邪をひく原因となります。このため、替えの下着を持っていきましょう。これは案外盲点です。
さらに、凄まじい寒さに襲われた時のために、ダウンジャケットの上からでも着れるようなスキーウェアがあると心強いです。
(⇦ ウェアのズボンだけでもよい)
“楽なアルバイト”の落とし穴? 就職や転職が遠ざかってゆく!
寒さやトイレの問題を除けば、「交通量調査」は楽なバイトです。コミュニケーション下手でもできますし、女性でもハンディなくできる仕事です。わたしも20回以上このアルバイトを体験しました。でも、ここに落とし穴があります。
仕事はラク。余計な会話もしなくていい。
ところが、こういうバイトばかり続けていると、人間関係がわずらわしくなり、段々ふつうの仕事に戻りづらくなってゆきます。社会人として大事なスキルが身に付かなくなってゆくのです。

実際、他の職場に適応できず、いつのまにか【交通量調査バイト】の常連さんとなってゆく人を何人も見てきました。
「交通量調査」は、あくまで本業が見つかるまでの“繋ぎのバイト”として考えておいたほうが良いです。わたし自身、フリーターが長かったことから転職に苦労したからです。