公開から40年以上経ってもなおファンから愛され続ける、不朽の名作アニメ『ルパン三世 カリオストロの城』。いきいきとしたキャラクター、ニセ札をめぐる謎多き物語、ルパンとクラリスの恋・・・魅力は尽きませんが、本作を名作たらしめているのが、心に残るセリフ・名言ではないでしょうか?
- 『ルパン三世 カリオストロの城』名言とふり返る名シーン【登場順】
- 次元「怖いねえ。怖いから、オレ寝る」
- 次元「どっちにつく?」ルパン「女ぁ」
- ルパン「この泥棒めに盗まれてやってください・・・今はこれが精いっぱい」
- 伯爵 「もう男を引きこんだか。カリオストロの血は争えんな・・・我が妻にふさわしい」
- 不二子「まさか! 捨てたの」
- クラリス「おじさま!」ルパン「もう大丈夫だ」
- 五右衛門「また、つまらぬものを斬ってしまった・・・」
- ルパン「血が足りねえ。何でもいい、じゃんじゃん持ってこい・・・うるへぇ~っ! 12時間もありゃ、ジェット機だって直らあ!」
- 大司教「この婚姻に同意するか? 意義なき時は、沈黙をもって答えよ」
- 次元「次元さま、だと」五右衛門「可憐(かれん)だ・・・」
- クラリス「光と影を結び時つぐる、高きヤギの日に向かいし眼(まなこ)に、我を納めよ」
- クラリス「一緒に行きたい」ルパン「お前さんの人生はこれから始まるんだぜ。オレのように、薄汚れちゃいけないんだよ」
- 銭形「ヤツはとんでもないものを盗んでいきました・・・あなたの心です」
- 庭師「なんと気持ちのいい連中だろう」クラリス「私、ずっと昔からあの方を知っていたような気がするの」
『ルパン三世 カリオストロの城』名言とふり返る名シーン【登場順】
『ルパン三世 カリオストロの城』は、1979年公開のアニメーション映画。宮崎駿監督の映画デビュー作となります。
映画『ルパン三世 カリオストロの城』 | |
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製作年 | 1979年 |
上映時間 | 90分(1時間30分) |
監督 | 宮崎駿 |
原作 | モンキー・パンチ |
脚本 | 宮崎駿、山崎春哉 |
声の出演 | 山田康雄、島本須美 |
この記事では、 『ルパン三世 カリオストロの城』名言と名シーンを、物語の順番どおりにふり返ってゆきます。記載されている時間は、収録時間90分のDVD版をもとに作成しています。
次元「怖いねえ。怖いから、オレ寝る」
ルパンさんの愛車がベンツSSKからフィアット500に変わった影には、宮崎駿監督なりの理由があります。それは「ルパンは泥棒として大成功してはいないから」😂金銭的な事情で庶民の車に乗り換えた…らしいですぅ😊#kinro #ルパン三世 #カリオストロの城 pic.twitter.com/mKOSdfwcQ4
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モナコの国営カジノから盗んだ札束が、ニセ札「ゴート札」だと知ったルパンと次元。ニセ札の出所だと疑われるのがカリオストロ公国でした。ところが、「ゴート札」の秘密を探ろうとしたものは生きて帰ってこれない、とルパンは語ります。
ルパン「その筋じゃ、有名な伝説さ。ニセ札界の有名な“ブラックホール”、ってな」
次元「ブラックホール?」
ルパン「ちょっかい出して、帰ってきたヤツはいないとよ」
次元「へ~え。怖いねえ。怖いから、オレ寝る」
あっけらかんとした次元のセリフが心地いい。
次元「どっちにつく?」ルパン「女ぁ」
カリオストロ公国に入国したルパンと次元は、パンクした車のタイヤを修理しています。その横を、2台の車がすさまじいスピードでかけ抜けてゆきます。1台は、ウェディングドレス姿の女性が運転する車。後を追いかけるのが、黒ずくめの男たちが運転する車です。
ルパンと次元は、すぐに2台を追いかけ、次のようなセリフを交わします。
次元「どっちにつく?」
ルパン「女ぁ」
次元「だろうな」
ここまでがワンセット。ルパンの女好きとそれを熟知している次元とのテンポよいやり取りです。
#次元「どっちに付く?」#ルパン「女!」#次元「だろうな。」 pic.twitter.com/QGOskctdMz
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ルパン「この泥棒めに盗まれてやってください・・・今はこれが精いっぱい」
カリオストロの城のてっぺんに閉じこめられたクラリス。真夜中。部屋に侵入したルパンは、クラリスが落としていった指輪を返しにきます。
ルパン「私の獲物は、悪い魔法使いが高~い塔の上にしまいこんだ宝物。どうか、この泥棒めに盗まれてやってください」
クラリス「わたくしを?」
ルパンを危険にさらしたくないクラリスは、断ろうとしますが・・・
ルパン「ああ、何という事だ! その女の子は、悪い魔法使いの言葉は信じるのに、泥棒のチカラを信じようとはしなかった。その子が信じてくれたなら、泥棒は空を飛ぶことだって、湖の水を飲み干すことだってできるのに・・・うぐぐぐ・・・」
右手を握って苦しむフリをするルパンは、クラリスの前でポン! 一輪の花があらわれます。
クラリス「うわぁ・・・」
ルパン「いまはこれが精いっぱい」
#ルパン「今はこれがせいいっぱい…。」 pic.twitter.com/YZcf9Jacyb
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伯爵 「もう男を引きこんだか。カリオストロの血は争えんな・・・我が妻にふさわしい」
ルパンを穴に落とした後。伯爵は部下たちを追い払い、クラリスに接近。クラリスのあごを持ち上げます。
伯爵「かわいい顔をして、もう男を引きこんだか。カリオストロの血は争えんな。くくくく・・・我が妻にふさわしい」
クラリス「人でなし! あなたは人間じゃないわ」
伯爵「そうとも。オレの手は血まみれだ。が、お前もそうだ。我が伯爵家は代々お前たち伯爵家の影として、謀略と暗殺をつかさどり、国を支えてきたのだ」
クラリス「離して! 汚らわしい」
伯爵「それを知らんとは言わさんぞ。お前もカリオストロの人間だ。その体には、オレと同じ古い“ゴート”の血が流れている。クラリス。400年の長き年月、光と影に別れていた2つのカリオストロ家が、今ひとつになろうとしているのだよ」
伯爵の持つ「金のヤギの指輪」、クラリスの持つ「銀のヤギの指輪」がひとつに重なるとき、先祖が隠した財宝が見つかるという言い伝えがあったのです。
カリオストロ公国の表向きの主な収入源は、切手販売と観光。ですが、裏では偽札作りだけでなく、周辺の大国の間をスパイのように動き回り、自分の国の独立と平和を守ってきたのだとか。スリリングですぅ😗#kinro #ルパン三世 #カリオストロの城 pic.twitter.com/HuYG2SYFGI
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不二子「まさか! 捨てたの」
クラリスの部屋に侵入したルパンが穴に落とされた後・・・不二子はスパイとして召使いになりすましていた事を、クラリスに明かします。
クラリス「あの方をご存知なの?」
不二子「うんざりする程ね。ときには味方、ときには敵。恋人だったこともあったかな? 彼、生まれつきの女ったらしよ。気を付けてね」
クラリス「捨てられたの?」
不二子「まさか! 捨てたの」
#クラリス「捨てられたの?」#不二子「まさか!?捨てたの。」 pic.twitter.com/RU5FE5V1Bo
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ルパンとつかず離れずの距離を保ってきた、不二子。アニメシリーズを知る人には、味わい深いセリフ。
クラリス「おじさま!」ルパン「もう大丈夫だ」
地下から脱出したルパンと銭形は、カリオストロの城の外階段をかけ登ってゆきます。ルパンと銭形は、オートジャイロで城の最上部へ。ルパンは不二子からロープを借りて、クラリスを引っぱり上げます。
クラリス「おじさま!」
ルパン「ああ、もう大丈夫だ」
#ルパン と別れた後の #クラリスは、#カリオストロ公国🏰を維持していくためにローマの遺跡を観光資源にしたりと逞しく生きているだろうと #宮崎駿監督🎬。カリオストロ伯爵はプライドが邪魔して観光業はできないのだとか😆#金曜ロードショー#ルパン三世#カリオストロの城#ルパン pic.twitter.com/MtXNdT0O2j
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ルパンはクラリスを抱きとめると、銭形の運転するオートジャイロを呼びこみます。
五右衛門「また、つまらぬものを斬ってしまった・・・」
石川五右衛門のおなじみのセリフ。『カリオストロの城』では、火に包まれて空から落ちてきたルパンの衣服を斬ります。
ルパンの燃える衣服をヒュッと斬る、五右衛門。
五右衛門「また、つまらぬものを斬ってしまった・・・」
#五ヱ門「また、つまらぬものを斬ってしまった…。」 pic.twitter.com/HyJr8E4MUE
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次元の運転する車「フィアット500」に、ルパンはパンツ一丁で落ちてゆきます。笑いを誘うシーンです。
ルパン「血が足りねえ。何でもいい、じゃんじゃん持ってこい・・・うるへぇ~っ! 12時間もありゃ、ジェット機だって直らあ!」
伯爵との戦いで負傷したルパンは、庭師の老人の家で静養していました。
クラリスと伯爵の婚礼の日時がせまっていると知ったルパンは、次元に食べ物をもってくるように指示。精をつけて回復し、クラリスを助けにゆくためです。
ルパン「食いもんだ。食いもん持ってこい」
次元「食い物って? おかゆか?」
ルパン「血が足りねえ。何でもいい。じゃんじゃん持ってこい」
庭師の老人が食べ物を用意してくれると、ルパンはむさぼるように食べます。
(⇦ 『ドラゴンボール』の悟空や、『ワンピース』のルフィみたいな食べっぷり)
次元「バカヤロウ! そんなに慌てて食うなよ。胃が受けつけねぇぞ!」
ルパン「うるへぇ~っ! 12時間もありゃ、ジェット機だって直らあ!」
ここから先は、『ルパン三世 カリオストロの城』のクライマックスにあたる部分のセリフです。ネタバレを知りたくない方は閲覧に注意してください。
大司教「この婚姻に同意するか? 意義なき時は、沈黙をもって答えよ」
礼拝堂の中。伯爵とクラリスは、婚礼の儀を執り行なう大司教の前に進み出ます。黒ずくめの男が、クッションの上に置かれた2つの指輪をさし出します。
大司教「いにしえの習わしに従い、指輪を交わして婚姻の誓いとなす。カリオストロ公国、大公息女クラリス・ド・カリオストロよ。この婚姻に同意するか? 異議なき時は、沈黙をもって答えよ」
クラリス「・・・・・・」
薬を飲まされているクラリスは、放心状態。言葉を発することができません。
大司教「・・・神の祝福があらんことを!」
ルパン「異議あり! この婚礼は欲望のけがれに満ちているぞ!」
祭壇の下から現れたのは、ルパンでした。
次元「次元さま、だと」五右衛門「可憐(かれん)だ・・・」
塔の上からロープを伝って、脱出しようとするルパンとクラリス。花嫁姿のクラリスはいったん次元や五右衛門のもとへかけ戻り、脱出を手助けしてくれたお礼を述べます。
クラリス「みなさま。どうか気を付けて。次元さまも。必ず無事に戻ってくださいね。ご恩は一生忘れません」
次元、口にくわえていたタバコをぽろっと落とす。
五右衛門「さっ。ゆかれよ」
クラリスの清楚な姿やつつしみ深い態度に、次元も五右衛門もすっかり魅了されてしまいます。
次元「次元さま、だと」
五右衛門「可憐(かれん)だ・・・」
思わず本音が出た後に、照れる五右衛門がかわいい。
クラリス「光と影を結び時つぐる、高きヤギの日に向かいし眼(まなこ)に、我を納めよ」
礼拝堂から逃げ出し、ローマ水道橋の上を走るルパンとクラリス。時計台の壁に、向かい合うヤギの紋章が彫られています。ルパンはポケットから2つの指輪を取り出し、ヤギのマークを向かい合うようにくっつけてみます。
ルパン「つなぎ目にゴート文字が彫ってある・・・『光とぉ影を・・・』。すり減ってて、よく読めないなぁ」
クラリス「『光と影を結び時つぐる、高きヤギの日に向かいし眼(まなこ)に、我を納めよ』。昔からわたしの家に伝わってる言葉です」
#クラリス「光と影を結び時告ぐる高き山羊の陽に向かいし眼に我を納めよ」 pic.twitter.com/Eu5zipzFpv
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カリオストロ公国に伝わる謎を解くカギとなる言い伝えです。
クラリス「一緒に行きたい」ルパン「お前さんの人生はこれから始まるんだぜ。オレのように、薄汚れちゃいけないんだよ」
クラリスを伯爵から救い出し、国家ぐるみのニセ札づくりを食い止めたルパン。カリオストロ公国を後にする時間がせまっていました。ルパンを慕うクラリスは、自分も連れていってほしい、と懇願しますが・・・
クラリス「私も連れてって。泥棒はまだできないけど、きっと覚えます・・・お願い! 一緒に行きたい!」
ルパン「クラリス・・・バカなこと言うんじゃないよ。また闇の中に戻りたいのか? やっとお日様の下に出られたんじゃないか。
お前さんの人生はこれから始まるんだぜ。オレのように、薄汚れちゃいけないんだよ。ああ、そうだ。困ったことがあったらね、いつでも言いな。おじさんは地球の裏側からだって、すぐ飛んできてやるからな」
キスを求めるクラリス。ルパンは、唇ではなくおでこにキスをします。
#ルパン「大きくなりやがって…。」 pic.twitter.com/dhDOzIAt7H
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銭形「ヤツはとんでもないものを盗んでいきました・・・あなたの心です」
ルパンがクラリスのもとを去ったすぐ後、銭形警部がやってきます。ルパンを取り逃がした銭形と、余韻にひたるクラリスのやり取り。
銭形「くっそー! ひとあし遅かったか。ルパンめ、まんまと盗みおって」
クラリス「いいえ、あの方は何も盗らなかったわ。」
あなたの心です
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by 銭形警部
名言ですネ。#kinro #ルパン三世 #カリオストロの城 pic.twitter.com/bCFlMKYnFs
銭形「いや、ヤツはとんでもないものを盗んでいきました・・・」
クラリス「?」
銭形「あなたの心です」
クラリス「・・・はい!」
渋い銭形と、素直なクラリスのやり取りが心地よい名シーンです。
庭師「なんと気持ちのいい連中だろう」クラリス「私、ずっと昔からあの方を知っていたような気がするの」
ルパンが次元の運転する「フィアット500」に乗って去り、銭形が埼玉県警のパトカーに乗って去ってゆきます。クラリスが手を振ると、インターポール(=国際警察)の警官たちが手を振って応えてくれます。
あとに残された、庭師の老人とクラリスの会話。
庭師「なんと気持ちのいい連中だろう」
クラリス「私、ずっと昔からあの方を知っていたような気がするの」
映像を見ると、庭師の言う“気持ちのいい連中”とは、ルパン一味や銭形だけでなく、インターポールの警官たちまで含んでいるように聞こえます。宮崎アニメらしい優しさにあふれる名シーン。
また、クラリスのセリフから察するに、彼女は自分が幼い頃、負傷したルパンを助けたことを覚えていない様子。
ルパンはその事をクラリスには告げませんでした。別れが辛くならないように、あえて黙っていたのかもしれません。