映画ときどき海外ドラマ

映画のあらすじ、たま~に雑学

トラウマ級?映画『ファンタスティック・プラネット』考察!人間よ、犬やゴキブリの気持ちにもなってみろ!

トラウマ級?映画『ファンタスティック・プラネット』考察!どこで見られる、テレビ放送

絵が気持ち悪くて、内容も怖い! そんなトラウマ級のインパクトを残すアニメ映画『ファンタスティック・プラネット』が、NHKのBSでテレビ放送されます。

この記事では、『ファンタスティック・プラネット』と配信情報をご紹介。また、世界のクリエーターに影響を与えた独創的な世界観を考察してゆきます。

 

『ファンタスティック・プラネット』テレビ放送(2021)はいつ? タイトルの意味は?

 『ファンタスティック・プラネット』は1973年のフランス・チェコスロバキアの合作映画。巨大なドラーグ族が支配する惑星で、ペットや害虫のように扱われていた人間たちが反乱を起こすSFアニメです。

映画『ファンタスティック・プラネット』
原題 La Planète sauvage
製作 1973年
製作国 チェコスロバキア、フランス
上映時間 72分
監督 ルネ・ラルー(『時の支配者』)
原作 ステファン・ウル『オム族がいっぱい』
脚本 ローラン・トポール、ルネ・ラルー
作画 ローラン・トポール

『ファンタスティック・プラネット』のテレビ放送は、2021年4月29日(木)。NHKのBSプレミアムの「BSシネマ」にて。

午前9:00 ~ 10:13

 

原題となるフランス語のタイトルは、【  La Planète sauvage 】。「野生の惑星、未開の惑星」を意味します。

 ユーネクスト?Netflix?どこで見れる?『ファンタスティック・プラネット』(吹き替え版)の配信は?

 『ファンタスティック・プラネット』の吹き替え版は、ネット配信で視聴できるのか? おもな動画サービスの配信状況です。

サービス名 字幕 吹き替え 月額(税込み) 無料体験 特徴
Amazonプライム

299円

500円 30日間 動画視聴の他にも特典がいっぱい!
U-NEXT 2,189円 31日間 韓国ドラマ、芸術映画が充実
Netflix 990円~1980円 なし 海外ドラマ、オリジナル作品に強み
dtv 550円 初月無料 アーティストのLive映像も見られる
Hulu 1,026円 2週間 日テレドラマや、ファミリー向けアニメ
Paravi 1,017円 2週間 TBS+テレ東+WOWOW
FODプレミアム 976円 2週間 フジの名作ドラマやバラエティ
ABEMAプレミアム 960円 2週間 リアルタイム番組とアニメチャンネルが充実
ビデオマーケット 330円 550円~ 初月無料 新作ドラマ、アニメに強み

 ※2021年4月26日時点のデータです。動画サービスの配信作品は定期的に入れ替わりますので、最新の配信状況は公式サイトにてご確認ください。

各サイトの画面上部の「🔍検索窓」に作品名を入力すると、配信状況を確認できます。

 

Amazonプライムビデオ、ビデオマーケットでは、会員でも個別料金が発生する「レンタル作品」として、『ファンタスティック・プラネット』を視聴できます。ただし、字幕版のみです。

 TBSやテレビ東京、WOWOWのコンテンツが充実しているParavi(パラビ)でも、字幕版のみ視聴できます。

 DVDやブルーレイなどをひと通り調べましたが、吹き替え版は製作されていないようです。

トラウマ級?映画『ファンタスティック・プラネット』あらすじ【ネタバレなし】

 惑星イガムでは、水色のボディに赤い目をした巨人・ドラーグ族が支配していました。小さな人類オム族は、ペットのように飼われたり、害虫のように駆除されたりしていました。

ある日のこと。

巨人・ドラーグ族の不良たちがオム族の母親にイタズラをして、母親は赤ん坊を残して死んでしまいます。赤ん坊の男の子は、通りがかったドラーグ族の女の子・ティバに拾われます。

オム族の赤ん坊は「テール」と名付けられ、ティバのペットとして育てられます。ただし、テールは首輪をつけられ、いっさいの自由がありません。

 

ドラーグ族の教育は、「レシーバー」という遠隔の受信機を用いて行われ、脳波に学習内容を送りこみます。ティバは勉強のとき、いつもテールを手のひらに乗せていたので、テールも惑星イガムの歴史やドラーグ族の生態について学んでゆきます。

ドラーグ族が生きてゆくには「瞑想」という行為が必要で、一日の大半をこの瞑想に費やすと知ったのもこの頃です。

 

さて、成長したテールは、大人顔負けの知能を身に付けていました。ペットとして生きることに疑問を感じたテールは「レシーバー」を持ち出し、ドラーグ族の住居から脱走します。

外の世界には、見たこともないような生物がたくさんいて、テールは何度も死にかけます。そんな彼を助けたのが、野生のオム族の女性でした。テールは彼女に連れられ、オム族の集落に案内されます。

オム族の中には、風変わりなテールを馬鹿にする者もいました。しかし、この星の歴史やドラーグ族に詳しいテールは、一目おかれるようになります。テールの持ってきた「レシーバー」を使い、オム族の住人たちも知恵を身につけてゆきます。

 

やがて、巨人・ドラーグ族が「人間狩り」と称してオム族の絶滅計画を立てている、と知ったテールたちは反乱をくわだて・・・

▲クリックすると動画が読み込まれます。

原作は? 映画『ファンタスティック・プラネット』製作の背景とは?

 『ファンタスティック・プラネット』は、1968年からチェコにあるスタジオで製作が始まっています(⇦ 監督のルネ・ラルーはパリ生まれですが、活動の拠点はチェコでした)。

当時のチェコスロバキアはソビエト連邦の影響下にあり、共産党による独裁体制でした。1968年には、共産主義体制のまま言論の自由や資本主義経済を認めようとする運動(『プラハの春』)が起こりますが、ソ連主導の軍事介入によってとん挫します。

 オム族の顔には個性があるのに、支配階級のドラーグ族がみな同じ顔をしているのは、「みんな平等、働けど働けど収入もみ~んな一緒」という共産主義のメタファーではないでしょうか?

 

ただ、原作はもう少し前に書かれています。 『ファンタスティック・プラネット』の原作は、フランスの作家ステファン・ウルの書いた『オム族がいっぱい』(原題:『Oms en Série)というSF小説。1957年に出版されています。

種族によって“時間の概念”が異なっていたり、脳波に情報をとばしたり・・・独創的なアイディアのほとんどは原作にある要素です。

原作は翻訳されておらず、日本ではフランス語か英語で書かれた洋書しか手に入りません(リンク先はフランス語版)。

考察:人間よ、犬やゴキブリの気持ちにもなってみろ!

 とにかく絵が気持ち悪くて、シュール。序盤は意味不明な描写の連続で、見るのをやめたくなってきます。

しかし、終盤まで見てゆくと、ストーリーの骨格はシンプル。支配される側の反逆を描いています。しかも、実は普遍的なテーマを突きつけているのだとわかってきます。

  • テールの自由を奪う首輪(人間に飼われている犬のように)
  • 巨人・ドラーグ族にペチャンコにされるオム族(人間に踏みつぶされるアリのように)
  • バルサンのような駆除剤で命を奪われるオム族(人間に駆除されるゴキブリのように)

 

人間はたまたま“生物界の頂点”に君臨しているけれど、人間よりも大きく知能も上回る動物がいたら、どうだろう?

人間に自由を奪われる犬やインコ、むやみに命を奪われるアリやゴキブリはどんな気持ちか、考えたことある?

 

こんな疑問を投げかけてきます。SF映画『猿の惑星』(1968年)とテーマがよく似ています。興味深いことに、『猿の惑星』の原作者ピエール・ブールもフランスの小説家。

“あたりまえだと思われていることに疑問をもつ”

フランスには、そんな作家性を育てる土壌があるのかも。

幻の短編『かたつむり』も!『ファンタスティック・プラネット』のDVDやブルーレイはある?

一度みたら忘れられない絵を描いたのは、フランスの画家ローラン・トポール。この人は劇作家でもあり、俳優でもありました。『ファンタスティック・プラネット』の脚本にも関わっています。本作がカルト映画化したのは、彼の独特な絵柄による功績が大きいでしょう。

 

 『ファンタスティック・プラネット』の魅力にハマった人は、同じルネ・ラルー監督&ローラン・トポール作画による映画『かたつむり』の視聴をおすすめします。カタツムリが巨大化して人間たちを襲うという、奇想天外な物語です。

わずか11分の短編で、『ファンタスティック・プラネット』のDVDに収録されています(⇦ 2016年角川書店から発売されているバージョン)。

また、2013年角川書店から発売されているブルーレイにも、短編『かたつむり』が収録されています。ブルーレイには特典として、監督のインタビューやブックレットも封入されています。

このページでご紹介しているのとパッケージが異なるDVDやブルーレイには、『かたつむり』は収録されていないので注意してください。

 それにしても、のっそりしたカタツムリが巨大化して人を襲うとは・・・発想がスゴい!!