エンタメ性を前面に出したハリウッド映画より、芸術性や不条理さを描いたヨーロッパ映画に魅力を感じる人もいるでしょう。
数多くのヨーロッパ映画が配信されている動画サービスが、U-NEXT(ユーネクスト)です。U-NEXTには見放題作品と、追加料金が発生するレンタル作品があります。
この記事では、U-NEXTの定額料金内で楽しめる見放題作品をピックアップ! おすすめのヨーロッパ映画をご紹介します。
加入するかどうかは別として、ヨーロッパ映画をお探しの人の参考になれば幸いです。
- ヨーロッパ映画を配信で見るならU-NEXT!見放題で視聴できるおすすめ20選【データの見方】
- 1.『天井桟敷の人々』(1945年)
- 2.『自転車泥棒』(1948年)
- 3.『夏の嵐』(1954年)
- 4.『道』(1954年)
- 5.『気狂いピエロ』(1965年)
- 6.『サスペリアPART2 完全版』(1975年)
- 7.『カサンドラ・クロス』(1976年)
- 8.『木靴の樹』(1978年)
- 9.『ブリキの太鼓』(1979年)
- 10.『ノスタルジア』(1983年)
- 11.『パリ、テキサス』(1984年)
- 12.『イル・ポスティーノ』(1994年)
- 13.『スウィート・ヒア・アフター』(1997年)
- 14.『黒猫・白猫』(1998年)
- 15.『8人の女たち』(2002年)
- 16.『ブラックブック』(2006年)
- 17.『ぼくのエリ 200歳の少女』(2008年)
- 18.『アイアンスカイ』(2012年)
- 19.『あなたを抱きしめる日まで』(2013年)
- 20.『ゆれる人魚』(2016年)
- まとめ
ヨーロッパ映画を配信で見るならU-NEXT!見放題で視聴できるおすすめ20選【データの見方】
動画サービスの多くは、ハリウッドの人気映画を中心に配信しています。U-NEXT(ユーネクスト)は動画サービスにはめずらしく、新旧のヨーロッパ映画をたくさん取り揃えています。
- 製作年の古い順番からご紹介しています。
- ヨーロッパ映画の多くは字幕版のみ。吹き替え版もある場合は、<吹き替えあり>と表記しています。
- U-NEXT(ユーネクスト)では、作品ごとに配信期限も明記されています。特に配信期限が迫っている作品については、赤字で表示しています。
なお、動画サービス利用者のうち66.7%は、Amazonプライムビデオの加入者だと言われています。そこで、プライムビデオで見放題として配信されている作品に限り、下にリンクを貼っておきました。プライム会員の人ならすぐ視聴できます。
1.『天井桟敷の人々』(1945年)
ストーリー
1940年代のパリ。パントマイム芸人のバチストは、女芸人のガランスに恋をする。俳優のルメートル、ならず者のラスネールなどガランスを狙う男が多い中、彼女は大富豪モントーレ伯爵と結婚して・・・
見どころ
『市民ケーン』(1941年)と並んで、“映画史上No.1”と言われ続けてきたフランス映画の金字塔。
「愛なんて、本や夢の中だけよ」など、思わずメモしたくなるような名セリフがいっぱい!
Amazonプライムビデオで『天井桟敷の人々』(上)(字幕版)を観る
2.『自転車泥棒』(1948年)
ストーリー
やっとの思いで、ポスター貼りの仕事を得たアントニオ。ところが、仕事に必要な自転車を盗まれてしまう。自転車を探して、アントニオは息子とともにローマの街を歩きまわるが・・・
見どころ
第2次大戦後、貧困にあえぐイタリア社会を描いた容赦ないドラマ。いらだつ父に気を遣って、ちょっと距離を取りながら歩く息子の姿。あの名シーンを思い出すだけで、胸が締め付けられる。
3.『夏の嵐』(1954年)
ストーリー
1866年。オーストリアとの戦争に揺れるイタリア。オーストリアの将校フランツと、愛国運動の指導者・ロベルト伯爵は口論となり、決闘騒ぎを起こす。伯爵夫人のリヴィアは、フランツに巧みに言い寄られ、道ならぬ恋に落ち・・・
見どころ
監督のルキノ・ヴィスコンティは、裕福な貴族の出身。舞台芸術家としてキャリアをスタートさせ、監督作のたびに私財を投じて美術セットを用意した。燃え上がるようなラブロマンスと、絢爛豪華な美術にうっとり。
4.『道』(1954年)
ストーリー
大道芸人のザンパノは、頭が弱いけど純粋なジェルソミーナを金で買い、アシスタントとしてこき使う。粗末に扱われながらも、ザンパノを慕うジェルソミーナ。
心優しい綱渡りの青年に出会ったことで、2人の関係にひずみが生まれ・・・
見どころ
「なぜ彼のもとを去らないの?」
と問われ、
「私がいなければ、あの人は独りぼっちになってしまうから」
と答えるジェルソミーナ。
無垢な彼女の気持ちが切ない。男と女って理屈じゃないよね、と思わせてくれる見事なストーリー。『無防備都市』『8 1/2』で知られるイタリアの巨匠・フェリーニの、“見ておくべき”名作。
5.『気狂いピエロ』(1965年)
ストーリー
金持ちの妻との生活に退屈し、逃げ出したい感情に突き動かされたフェルディナン。そんな彼の前に現れたのは、かつての恋人・マリアンヌだった。彼女と一夜をともにしたフェルディナンだったが、翌日、部屋にあったのは男の死体だった・・・
見どころ
映画の文法をことごとく壊した、ヌーヴェル・ヴァーグ(=一世を風靡したフランスの映画運動)の代表作。まさに不条理の連続。演出から物語展開にいたるまで、狂気に満ちている。
決まり事で構築されたハリウッド映画とは、まったく逆のベクトル。ゴダールは僕らに教えてくれる。映画って、こんなにも自由なんだ!
6.『サスペリアPART2 完全版』(1975年)
ストーリー
テレパシー能力を持つヘルガは、心霊学会の講演から帰ってきた後、包丁を持った男に襲われる。その様子を目撃したピアニストのマークは、妙な違和感を覚える。マークは、犯人に見られたという恐怖を抱えながらも事件の真相を探り出し・・・
見どころ
赤を基調とした美しい構図と、切れ味抜群の恐怖。リメイクの出来が悪いとは思わないけど、スタイリッシュなアルジェントのセンスは誰にも真似できない。
トラウマになるから二度と観たくないと思っていたのに、また再生してしまう。
7.『カサンドラ・クロス』(1976年)
ストーリー
スイスのジュネーブにある機関では、アメリカ政府が秘密裏に細菌を研究していた。ところが、潜入したテロリストの一人が病原菌に感染したまま、大陸横断列車に乗りこんでしまい・・・
見どころ
当時の主役級スターをそろえた群像劇。映画の冒頭はウィルス感染パニック、中盤からは乗り物パニック。外科医の元妻を演じたソフィア・ローレンが、破壊的なまでに美しい!
8.『木靴の樹』(1978年)
ストーリー
19世紀末の北イタリア。バティスティ家は小作農として働いている。牛の看病、アヒルの解体、トマトの栽培、そして子供の誕生。学校に行く前には必ずお祈り。
四季が巡るなか、農民たちのつつましい生活は続いてゆく・・・
見どころ
4組の農民たちの淡々とした日常が、3時間つづられてゆくだけ。それでも、自然光で撮った四季の移ろいが絵画のように美しい。“そこで生きるしかない”小作農の閉塞感とささやかな幸せが、なぜこんなにも胸を打つのだろう?
見終わったあと、静かな余韻に浸れるヨーロッパ映画の佳作。
9.『ブリキの太鼓』(1979年)
ストーリー
第1次大戦後のポーランド。従兄のヤンと愛し合いながら、ドイツ人の負傷兵と結婚したアグネスは、オスカルという子を授かる。しかし、オスカルは生まれながらにして成人並みの知能を持っていた!
自らの意志で成長を止めたオスカルは、自分を愛してくれた人間を次々と死に追いやってゆき・・・
見どころ
ノーベル賞作家・ギュンターグラスの小説を映画化。戦争がもたらす不条理な悲劇を、“大人の思考力を持った子供の目”から強烈なブラックユーモアで描く。
ぶっ飛んだ作家性にビックリ! オスカルの鳴らす太鼓の音と奇声が耳から離れない。
10.『ノスタルジア』(1983年)
ストーリー
自ら命を絶った作曲家の足跡をたどるため、イタリアにやってきた作家のアンドレイ。旅も終わりに近づいた頃、彼は温泉街で奇妙な老人と出会う。
老人は終末思想を唱え、家族を7年間も廃屋に閉じこめていた・・・
見どころ
「1 + 1 = 1」?
作る映画はすべて難解。それでも、名だたる監督から崇拝され続けるタルコフスキー。何度も寝落ちしそうになりながらも、世界の深淵に触れたかのような感覚がたまらない。
泣きそうになるほどの退廃美。劇伴を使わず、風の音・水の音から音楽をつむぎだす感性。映画は理屈じゃない。答えもいらない。そこに表現されてる“何か”を感じ取れたら、それでいいじゃない!
11.『パリ、テキサス』(1984年)
ストーリー
妻子を捨てて失踪したトラヴィスは、テキサスの砂漠で行き倒れていた。弟のウォルトは兄をロサンゼルスに連れ帰り、家族と会わそうとするのだが・・・
見どころ
妻に対する贖罪から心を閉ざしてしまった男。男と女の関係は、こんな些細なことで崩れてしまうのか・・・
ロードムービーの名手・ヴェンダースの代表作。映画青年はみ~んな一度は彼に憧れた。回想シーンすら美しい。
12.『イル・ポスティーノ』(1994年)
ストーリー
南イタリアにある小さな島。この島に、世界的な詩人・パブロ・ネルーダがチリから亡命してきた。内気な青年マリオは、郵便配達人としてパブロに手紙を届けることになるが・・・
見どころ
世界的に知られた詩人と、貧しくて内気な青年。接点のまるでない2人が、詩を通して心を通わせてゆく様子が清々しい。やさしい旋律も耳に心地よく、
「ほんとにいい映画を見たなぁ」
と素直に思える。
撮影の12時間後に亡くなったという、青年役マッシモ・トロイージの魂の演技を見よ!

13.『スウィート・ヒア・アフター』(1997年)
ストーリー
カナダの小さな田舎町でスクールバスが転落し、多くの子どもが亡くなってしまう。弁護士のスティーブンは子どもを失った親たちに代わり、教育委員会を相手どって裁判を起こそうとする。
ところが、事故で後遺症を負ったニコルの証言から、事態は思わぬ方向へと発展し・・・
見どころ
真実とは? 正義とは?
閉鎖的なコミュニティに潜んでいる心の闇。じめじめした人間関係。“見たくはなかった”人間の本性を、時系列をシャッフルしてあぶり出してゆく緻密な脚本。
万人ウケしないかもしれない。だからこそ、おすすめしたい一本。
14.『黒猫・白猫』(1998年)
ストーリー
広大なドナウ川のほとり。マトゥコとザーレの親子は、ジプシーや動物たちとのんびり暮らしていた。マトゥコはロシアの密輸船から石油を買うが、騙されてしまう。大損してたマトゥコは、列車強盗を計画するが・・・
見どころ
『パパは出張中!』『アンダーグラウンド』でカンヌ映画祭パルムドールを2度も受賞した、天才クストリッツァによる奇想天外なコメディ。
耳をつんざくバルカン音楽と、陽気なジプシーたち。そして、映画史に残るハイテンションな悪役。クストリッツァの世界観は、唯一無二!虜になること間違いなし!!
15.『8人の女たち』(2002年)
ストーリー
1950年代のフランス。クリスマスイブの朝、雪に閉ざされた大邸宅で、一家のあるじが死体で発見された。容疑者は、屋敷に集まった8人の女たち。犯人はいったい誰?
家族の隠し事は、次から次へと暴かれてゆき・・・
見どころ
カトリーヌ・ドヌーヴ、イザベル・ユペール、エマニュエル・ベアール・・・フランス映画界を代表する女優たちのアンサンブルは、もはや芸術の域。アガサ・クリスティ風の推理劇をベースに、歌や踊り、長ゼリフを絡めた豪華すぎるミュージカル。
16.『ブラックブック』(2006年)
ストーリー
1944年。ナチス占領下のオランダ。ユダヤ人の歌手ラヘルは、ドイツ兵に家族を皆殺しにされ、復讐心を募らせていた。名前を“エリス”と変えたラヘルは、ドイツ将校・ムンツェの愛人となりながら、レジスタンスのスパイとして活動するが・・
見どころ
『スターシップ・トゥルーパーズ』のヴァーホーヴェンが、故国オランダに戻って製作した戦争サスペンス。エゴむき出しのヒロインに、集団心理の怖さ、強烈な毒の効いた結末。お涙頂戴の戦争映画が薄っぺらいものに見えてくる程の、痛快娯楽!
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17.『ぼくのエリ 200歳の少女』(2008年)
ストーリー
スウェーデンのストックホルム郊外。いじめられっこの少年オスカーの家の隣りに、少女エリが引っ越してきた。キャンディも食べられないミステリアスな彼女に、オスカーは惹かれてゆく。
いっぽう。街では不可解な失踪事件が相次いて起こっていた・・・
見どころ
不思議な味わいのファンタジック・ホラー。ホラーといっても、グロいシーンはほとんどなし。誰からも理解されないマイノリティ同士の、狂おしいまでのラブ・ストーリー。孤独感が、痛いほど伝わってくる。
18.『アイアンスカイ』(2012年)
ストーリー
2018年。アメリカ大統領選のPRのため、黒人モデルのワシントンは月に送りこまれる。ところが、彼は月に到着すると、月面ナチス親衛隊に拉致されてしまう。
1945年のドイツ崩壊の際、ナチスは宇宙ロケットで脱出し、生き延びていた。彼らは月面に基地をつくり、地球進行の準備をしていたのだ!
見どころ
ビン・ラディンからサッチャー、スティーブ・ジョブズまで。ありとあらゆるブラックジョークを詰めこみ、パロディも小ネタも満載!
荒唐無稽なようでいて、実は世界史や政治情勢に詳しい人ほど楽しめる!
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19.『あなたを抱きしめる日まで』(2013年)
ストーリー
主婦のフィロミナは、未婚のまま出産した子供を養子に出した過去がある。婚前交渉が禁じられている修道院の規律のため、息子を手放さざるを得なかったのだ。フィロミナが息子に会いたがっていると聞きつけたマーティンは、彼女を連れてアメリカ行きを決行するが・・・
見どころ
マイペースなおばあちゃんフィロミナと、理詰めのジャーナリスト・マーティン。凸凹コンビの道中はユーモアたっぷり。勘違いには思わず爆笑!
それでいて、「“人を許す”とは、どういうことなのか? 」を深く考えさせてれる。
20.『ゆれる人魚』(2016年)
ストーリー
共産主義政権下にあった1980年代のワルシャワ。海から陸に上がってきた美しい人魚の姉妹は、ナイトクラブで人気者になってゆく。
姉のシルバーはベース奏者の青年と恋に落ちるが、捕食者としての本性にめざめてゆき・・・
見どころ
「何だ、この映画は?」
ホラー? ファンタジー? ミュージカル? コメディ?
アンデルセンの童話『人魚姫』を下敷きに、既存のジャンルにとらわれない新感覚の物語。湖の色に統一された色調、観る者の想像力をかき立てる演出。ダークさもグロテスクさも、“大人の童話”と呼ぶにふさわしい。
まとめ
ヨーロッパ映画って、昔は観るのも大変でした。電車で別の街のTSUTAYAに通ったり、知り合いのつてをたどってDVDを貸してもらったり・・・
U-NEXT(ユーネクスト)では、数多くのヨーロッパ映画を配信しています。他の動画サービスでは取り扱ってない作品も見放題で視聴できます。
中には観る人を選ぶような作品もありますが、だからこそ“自分だけに刺さる1本”が見つかるかもしれませんよ。