※この記事は、2021年2月に更新しました。
目を覚ましたときに一杯、出勤途中にコンビニで一杯・・・朝にコーヒーを飲むことが習慣となっている人は多いでしょう。飲料メーカーからは、【朝専用】の缶コーヒーも販売されています。
しかし、体調不良や胃もたれを感じる人もいます。吐き気をもよおす人もいるでしょう。この記事ではその理由を説明し、飲むのにふさわしい時間帯をご紹介したいと思います。
朝のコーヒーは、なぜ体調不良や吐き気をもたらすの?
朝の缶コーヒーが、どうして体調不良や吐き気をもたらすのか?
大きな理由は、2つあります。
① カフェインが、体の目覚める機能を阻害するから。
② 大量に含まれている砂糖が、急激に血糖値を上げてしまうから。
順番にみていきましょう。
1:カフェインが、体の目覚める機能を邪魔する理由
① 人体には、もともと覚醒作用が備わっている
人の体には、外部から刺激を与えなくとも、目覚めるためのシステムがもともと備わっています。充分な睡眠が取れたら自然に目が覚め、日中の行動にそなえて徐々に体を起こすように働きかける機能があるのです。
コルチゾゾールという物質があります。これはホルモンの一種で、炭水化物や糖質・脂肪などを分解して、生命維持に必要なエネルギーに変えるはたらきがあります。
また、脳や体がストレスに適応できるように調節する役割もあります。ストレスに対抗するため、脈拍や血圧を上昇させ、ゆっくりと脳をめざめさせる作用があるのです。
② カフェインが、コルチゾールのはたらきを鈍らせる
ところが、朝おきたばかりの時間にコーヒーを飲んでしまうと、カフェインがコルチゾールの生産を妨げてしまいます。
コルチゾールが正常に分泌されなければ、ストレスや疲労を和らげるために、脈拍や血圧を上昇させることができなくなってしまいます。
それだけではありません。カフェインは長い時間、体内にとどまってしまいます。摂取する頻度や健康状態にもよりますが、3~10時間(平均6時間)は残ることになります。
つまり、体の正常な機能がじゅうぶんに働かないまま、半日ちかく過ごすことになってしまうのです。このため、ずっと気分の悪い状態がつづいてしまうのです。
カフェインレスのコーヒーを選ぶだけで、目覚めを邪魔する作用はだいぶ防げるようになります。
2:缶コーヒーの砂糖が、血糖値をあげる理由
① 糖分は、血糖値を上げる
糖質を摂取すると、体内の血糖値が上昇します。ご飯やパンのような炭水化物を食べると、食べものは食道をとおり、胃や十二指腸で消化され、小腸に吸収されます。
このとき、吸収された糖質はブドウ糖などに形を変え、血管の中に取り込まれます。ブドウ糖は肝臓に運ばれ、全身に送られることになります。 ⇦ 血糖値がアップ ⤴
ブドウ糖が血液中に増えると、血糖値を下げるために、すい臓からインスリンが分泌されます。大量のインスリンが分泌されると、今度は血糖値が急降下します。 ⇦ 血糖値がダウン ⤵
② 朝おきたばかりの胃は、からっぽ
睡眠中は飲食物をとることはありません。ですので、胃の中の飲食物はじゅうぶん消化吸収されています。朝おきたばかりの胃はからっぽ。なにもない状態です。
③ 缶コーヒーには、大量の砂糖が含まれている
売れ筋の缶コーヒーに含まれる砂糖の量を、角砂糖の数で試算すると以下のようになります。
- GEORGIA エメラルド・マウンテン・・・3.6個
- WANDA モーニングショット・・・3.1個
- BOSS とろけるカフェオレ・・・11.1個
- BOSS レインボーマウンテン・・・3.1個
- DyDoブレンド・・・3.4個
先ほど述べたように、朝起きたばかりの胃の中はからっぽ。そんなときに砂糖がたくさん入った缶コーヒーを飲むとどうなるでしょう?
急激に血糖値があがってしまいます。すると身体はインシュリンのはたらきで、血糖値をおさえようと活発になります。
同じ糖質でも、パンやご飯のような固形物ならば、消化に時間がかかります。これに対して、コーヒーは液体です。あっという間に胃や十二指腸に吸収されるので、いっきに血糖値が上がることになります。すると、すい臓はインスリンを大量に分泌し、いっきに血糖値を下げようとします。
体内では、ジェットコースターのような急激な変化( ⤴⤵ )が起こります。体内の血糖値の変化が激しすぎるため、眠気や吐き気を感じたり、イライラするようになるのです。
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それでは、1日のどの時間帯にコーヒーを飲むのがよいのでしょうか? 前述のとおり、コルチゾールの生産が活発でないときが最適です。
ストレスとコルチゾールの分泌量
大まかにいえば、生産は朝の8時あたりにピークを迎え、夜中には1/10の分泌量となります。コルチゾールの分泌が低くなる時間は、日中にはたらいた副腎を休ませる時間にあたります。
以上のことから、
1:コルチゾールの活発な分泌を邪魔しない
2:深夜には、副腎を休ませてあげる
を考慮すると、
- 朝10時から正午にかけて
- 午後2時から午後5時にかけて