2023年の8月30日から、グーグルの新しい検索機能「SGE検索」の試験提供が始まりました。「SGE」とは、「Search Generative Experience」の略。検索結果にAIが生成した回答が表示されます。
「SGE検索」は、グーグルアカウントがあれば誰でも試すことができます。
AIに検索をサポートしてもらうことで、これまで検索機能を使いこなせなかったお年寄りや子供たちも、求める情報を得やすくなります。
いっぽう。Webサイト運営者にとっては、「Google SGE」の存在は脅威です。
「アクセス数が激減するのでは?」
「ブログSEOはオワコンか?」
という声もささやかれ始めています。
SEO歴6年の筆者からみた「Google SGE」の感想と、検索ページの未来について述べたいと思います(※ あくまで私見です)。
【ブログSEOはオワコン?】グーグルのAI検索「Google SGE」を使ってみた感想
結論から述べます。
SEOはオワコンではないだろうけど、検索ページからのアクセスはほぼ確実に減少するだろうね
「検索ページからのアクセスが減少する」と予想する理由①:検索1位の価値が下がる
SGE検索を有効にした状態で、「ダイエット 食事制限 やり方」でグーグル検索したときの検索結果です。
いちばん上には、スナップショット(=AIが生成した回答)が表示されます。
検索1位は、AIが生成した回答の下にきます。
「Google SGE」が有効だと、検索1位をとっても、従来の検索4位ぐらいの位置に表示されます。
リスティング広告がさかんな検索クエリの場合は、もっと影響が出ます。
検索1位が、これまでの検索6~7位ぐらいの位置に表示されます。
たとえ検索上位を獲ったとしても、ユーザーの目に止まる可能性が激減します。これが、検索ページからのアクセスが減ると予想する理由①です。
「検索ページからのアクセスが減少する」と予想する理由②:ゼロクリック・サーチが増える
以下は、「スクワット やり方」で検索したときのスナップショット(=AIが生成した回答)です。
画面下の緑の枠、「追加で聞く」をクリックすると、AIにより細かな質問ができます。
四角い枠があらわれるので、質問文を入力し、AIから回答してもらえます。
ChatGPTのように、対話しながら検索することができるのです。
スナップショット内で質疑応答をしているうちに疑問が解消されれば、そこで検索行動を終えるユーザーもいるはずです。
このように、1サイトも訪問せずに検索行動を終えてしまうことを、「ゼロクリック・サーチ」と呼びます。
「ゼロクリック・サーチ」が増えれば、Webサイト運営者としては痛手です。サイトに訪問してもらえないことには、かけた費用を回収できないからです。
「Google SGE」が本格導入されたら、採算の合わない企業はサイト運営から撤退するだろうね
ブログSEOが“完全オワコン”だとは思わない理由【検索順位のヒエラルキーを逆転できる可能性も!】
マイナス点だけを感じたわけではありません。
スナップショットの右側には、AIの回答のもとになった「参照元サイト」が表示されます。
「参照元サイト」として紹介されるのは、必ずしも検索1位や2位の記事ではありません。検索6位や10位以下の記事が掲載されることももあります。
現状のSEO検索だと、
- ドメインパワーの強い企業サイト
- 被リンクをたくさんもらっている中古ドメイン
が、かなり有利です。このため、ドメインの強い企業サイトがあらゆるジャンルに進出し、検索ページを席巻しています。
釣り竿で検索してもクレジットカードで検索しても、いつも同じ企業サイトが上位って、おかしくない? その分野の専門サイトが評価されるべきなのに・・・
「Google SGE」の参照元サイトでは、ドメインパワーよりもキーワードに対して端的に答えを提供している記事が評価されているように感じます。
「1. ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる。」
とは、Googleがもっとも重視する理念。
いわば、「読者ファースト」というGoogleの理念をしっかり学んでいれば、ドメイン優位の不公平感を覆す可能性もあり得る、ということです。
とはいえ、「Google SGE」が導入されたら、グーグルの検索ページは様変わりします。従来のままのブログ運営では、ジリ貧は避けられないでしょう。
どうしてもSEOやSGEが厳しいなら、SNSやnote、YouTubeから集客する方法もある。変化に順応できないと、ネットの世界では生き残ってゆけないよ