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『ドライビング Miss デイジー』あらすじ&解説【伝えたいことは?ただの“いい話”じゃない?】

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『ドライビング Miss デイジー』あらすじ&解説【伝えたいことは?ただの“いい話”じゃない?】

「私はいつもそっちで曲がってるんだよ」

「遠回りです」

 

気難しい白人の老婦人と、陽気な黒人の運転手。

人種も性格も異なる二人の交流を描き、しみじみとした感動をくれる映画『ドライビング Miss デイジー』がテレビ放送されます。

この記事では、『ドライビング Miss デイジー』のキャストとあらすじをご紹介。また、シナリオ面から作品が伝えたかったテーマを考察してゆきます。

『ドライビング Miss デイジー』NHKのBSプレミアムでの放送(2023)はいつ?キャストは?

『ドライビング Miss デイジー』は1989年のアメリカ映画。

白人の老婦人と黒人の運転手の、25年にわたる心の交流を描いた人間ドラマです。

映画『ドライビング Miss デイジー』
原題 Driving Miss Daisy
上映時間 99分
ジャンル 人間ドラマ
監督 ブルース・ベレスフォード(『ダブル・ジョパディー』)
脚本 アルフレッド・ウーリー(『ミスティック・ピザ』)
音楽 ハンス・ジマー(『ライオン・キング』)
出演

 モーガン・フリーマン、ジェシカ・タンディ

受賞歴

 アカデミー作品賞、主演女優賞(ジェシカ・タンディ)

 『ドライビング Miss デイジー』のテレビ放送は、2023年9月15日(金)。NHKのBSプレミアム「BSシネマ」にて。
20:15 ~ 21:55

 

気難しい老婦人を演じたのは、ジェシカ・タンディ

映画女優としては遅咲きで、『コクーン』(1985)や『ニューヨーク東8番街の奇跡』に出演したあと、本作でアカデミー主演女優賞を受賞しています。80歳のときです。

 

黒人運転手を演じたのは、モーガン・フリーマン。『ショーシャンクの空に』(1994)『セブン』(1995)に出演した名優です。また、老婦人の息子を演じたのは、『ゴーストバスターズ』のダン・エイクロイドです。

映画『ドライビング Miss デイジー』あらすじ【偏屈な老老婦人とユーモラスな運転手】

1948年。人種差別が色濃く残っていたアメリカの南部、ジョージア州アトランタ。

ユダヤ系の老婦人・デイジー(ジェシカ・タンディ)は運転をあやまり、隣家の垣根に突っこんでしまいます。息子のブーリー(ダン・エイクロイド)は母が心配になります。そこで、初老の黒人男性・ホーク(モーガン・フリーマン)を運転手として雇うことにします。

 

ところが、デイジーは車で出かけようとしません。ホークは台所に座って時間をつぶすだけ。仕事をさせてもらえません。

ある日のこと。

デイジーは市電に乗って、コーヒー豆や磨き粉を買いゆこうとします。ホークは歩くデイジーを、のろのろ運転で追いかけます。デイジーは根負けして、ホークの運転する車に乗るようになります。

 

しかし、ある夜のこと。

デイジーは「サケの缶詰が盗まれた!」と大騒ぎ! すぐさま、ホークが疑われますが・・・・

 

ここから先は、ネタバレを含む内容になっています。本編をご覧になってからお読みください。

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『ドライビング Miss デイジー』解説&考察【伝えたいことは?ただの“いい話”じゃない?】

『ドライビング Miss デイジー』は、ヒューマンドラマの名作として知られています。気難しいデイジーが使用人のホークに心を開いてゆく姿は、感動的です。

しかし、シナリオ面から分析すると、ただの“いい話”ではありません。もっと深いメッセージを突きつけてくるのです。

 

主人公のデイジーは、ユダヤ系の元教師。

「私は偏見など持ってませんよ! 見損なわないで!」

というセリフからわかるように、自分では黒人に対する差別意識などもっていない、と思いこんでいます。

 

確かにデイジーは、暴力をふるったり暴言を吐いたりはしません。しかし、サケ缶がなくなった時は真っ先にホークを疑いますし、使用人たちと一緒に食事をとろうとはしません

“主従関係そのもの”を疑おうとはしてないんですね。

 

1時間21分45秒。

食事会に招かれたデイジーは、キング牧師の演説を聞きます。

  「南部にも善意にあふれた白人が大勢います。ただ、彼らの声は聞こえず、(中略)勇気ある行動は起こっていません。
そういう人に我々は訴えます。勇気をもって考えを声にして、他の人々を導いてください

『ドライビング Miss デイジー』考察&解説【伝えたいことは?】

このキング牧師の演説は、“無意識の差別”をもった白人たちに向けられた言葉。

デイジーに向けられたセリフであり、同時に観客に向けられたメッセージにもなっています。

 

 

夕食会の直前。

デイジーを乗せた車の中で、ホークは不満をあらわにします。

「キング牧師の夕食会があると知っていたら、なぜもっと早く教えれくれなかったのですか!」

 

デイジーはホークのことを「友だち」ではなく、あくまで「使用人」だと思っています。ですから、当日に伝えても悪いとは思っていないのです。

 

 

最終盤。

年を取ったデイジーは、ホークと食事をともにします。

ここは、シナリオ的にはトリッキーな仕掛けになっています。デイジーは痴呆症になっており、

・2人の関係は、「友情」にまで昇華したのか?
・ホークが食事の介護をしているので、対等に見えるだけなのか?

観客に解釈をゆだねる作りとなっています。

 

25年のあいだに公民権法ができ、法律上は人種差別は禁止されます。この間、デイジーの“無意識の差別”は変化しているのか?

興味のある人は視点を変えて、もう一度見てみてください。

 

 

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