※ この記事は、2024年4月に更新しました。
「私は犯罪と闘ってきた。その犯罪とは、“人間が人間を搾取すること”だ!」
アメリカが移民に対して、今よりも不寛容だった時代。無実の罪で死刑宣告されながらも、尊厳を失わなかったイタリア系移民たちがいます。
この記事では、アメリカ最大の冤罪事件を扱った映画『死刑台のメロディ』のあらすじと感想をお伝えします。
- 実話?公開年は?映画『死刑台のメロディ』概要
- wikiより詳しい!『死刑台のメロディ』あらすじ【冤罪がテーマの名作】
- 感想【エンニオ・モリコーネ&ジョーン・バエズの主題歌“Here's to you”に涙!高潔な魂に感動!】
- 映画『死刑台のメロディ』動画の配信はどこ?【TSUTAYAならレンタルできる】
実話?公開年は?映画『死刑台のメロディ』概要
『死刑台のメロディ』は1971年のイタリア・フランス合作映画。
いわれなき罪で逮捕されたイタリア系移民の二人が、不当な裁判に臨む社会派ドラマです。
映画『死刑台のメロディ』 | |
---|---|
原題 |
Sacco and Vanzetti |
公開 | 1971年 |
ジャンル | 法廷ドラマ |
上映時間 | 133分 |
監督 | ジュリアーノ・モンタルド(『エネミー・ウォー』) |
音楽 | エンニオ・モリコーネ(『夕陽のガンマン』) |
主題歌 | ジョーン・バエズ「Here's To You」(勝利への賛歌) |
出演 | ジャン・マリア・ヴォロンテ、リカルド・クッチョーラ |
映画は、1920年代に実際に起こった「サッコ・ヴァンゼッティ事件」を扱っています。
wikiより詳しい!『死刑台のメロディ』あらすじ【冤罪がテーマの名作】
1920年代のアメリカ。マサチューセッツ州のボストン。
靴職人のサッコ(リカルド・クッチョーラ)と魚行商人のヴァンゼッティ(ジャン・マリア・ヴォロンテ)は、いきなり警察に取り囲まれます。二人は、運の悪いことに護身用のピストルを所持していました。
警察は、サッコとヴァンゼッティがイタリア系移民だと知ると、すぐに逮捕します。署長は、1か月前に製靴会社で起こった殺人事件と二人を、短絡的に結びつけてしまいます。サッコとヴァンゼッティは釈明もできないまま、“強盗殺人犯”として起訴されたのです。
Beyond the @FRANCE24 Newsroom: A century later, the Sacco and Vanzetti trial is timelier than ever. It could have been this morning’s headline. #immigration (via @franceinter) https://t.co/6yij2EKt58
— Douglas Herbert (@dougf24) September 26, 2022
弁護士のムーア(ミロ・オーシャ)は事実を積み上げ、証言者の矛盾をつきます。ところが、証人は次々と偽証をかさね、サッコとヴァンゼッティの言葉もねじ曲げられてゆきます。
それどころか、検察官は
「英語もろくに話せんくせに!」
「社会の底辺にうごめく奴ら。あんたらは文(もん)なしだ」
などと、二人を侮辱し続けました。
ムーアの奮闘むなしく、銃器の鑑定は“クロ”。手続きに問題がある、と訴え続けたムーアの怒りは爆発します。 「人種差別」や「思想差別」による不当な裁判だと主張しますが・・・
Today in Labor History 9/16/1920: #bomb outside JP Morgan Company on #WallStreet, killed 30. Authorities blamed #Anarchists. Never solved, but historians now believe it was carried out by Italian anarchists to avenge arrest of Sacco and Vanzetti. pic.twitter.com/rea5diQ7g7
— Michael Dunn (@MikeDunnAuthor) September 16, 2022
感想【エンニオ・モリコーネ&ジョーン・バエズの主題歌“Here's to you”に涙!高潔な魂に感動!】
『メタルギアソリッド』にも使われた?名曲「Here's to you」とは?
筆者が『死刑台のメロディ』の存在を知ったのは、主題歌「勝利への賛歌」(Here's to you)を聴いたのがきっかけです。
作曲はイタリアのエンニオ・モリコーネ。『ひまわり』『ニュー・シネマ・パラダイス』など、数々の映画音楽を遺した名作曲家です。
作詞と歌は、アメリカのフォーク歌手ジョーン・バエズです。
▲クリックすると動画が読み込まれます。
同じフレーズをくり返しているのにも関わらず、切ないメロディ。力強い歌詞。
Here's to you, Nicola and Bart
Rest forever here in our hearts
The last and final moment is yours
That agony is your triumph
私たちの心の中で 永遠に休んでください
最期の最後の瞬間は あなたたちだけのものです
受難は あなたたちの勝利となるときです
「Here's to you」は、人気ゲーム『メタルギアソリッド4』ではエンディング曲として、『メタルギアソリッドⅤ』ではテーマ曲としても使われています。
思想差別?アナーキストは敵?偏見に屈しない“高潔な魂”に感動!
『死刑台のメロディ』は冤罪をあつかった映画ですが、「アナーキズムを認めるかどうか?」という“思想差別”がテーマにもなっています。
検察は、サッコとヴァンゼッティがアナーキスト(=無政府主義者※)だと知ると、いっそう強い偏見を持つようになります。
アナーキズムは、アメリカの民主主義を揺るがす“危険な思想”だと考えられていました。このため、警察から検察、国家までがグルになって無実の二人を「身代わり」に仕立てあげたのです。まるで、憎しみをぶつけるかのように・・・
それでも、サッコとヴァンゼッティは思想を変えようとはしません。外国人差別、貧困にも立ち向かってゆきます。
Today in Labor History August 27, 1927: Thousands turned out for violent protests in Paris over the US executions of the anarchists, Sacco and Vanzetti. A few days prior, they rioted in Cherbourg. pic.twitter.com/5fp8dKYLTW
— Michael Dunn (@MikeDunnAuthor) August 27, 2022
終盤。
後世に託すヴァンゼッティの言葉が、胸に刺さります。
「彼らは我々の身体を焼くが、我々の信念は焼きつくせない。それは若者に受け継がれる・・・幸福はひとり占めするな。へりくだって隣人を思いやれ。弱い人、悲しむ人を助けよ!」
なんという高潔な魂! 筆者のいやしい魂も揺さぶられた!!
映画『死刑台のメロディ』動画の配信はどこ?【TSUTAYAならレンタルできる】
映画 『死刑台のメロディ』は、動画配信サービス(VOD)でネット視聴できるのか? おもなサービスの配信状況です。
『死刑台のメロディ』配信状況 | |||||
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サービス名 | U-NEXT | Amazon | Netflix | Hulu | ディズニープラス |
月額料金 | 2,189円 | 500円 | 990円~ | 1,026円 | 990円 |
無料体験 | 31日間 | 30日間 | なし | なし | なし |
配信状況 | ✕ | ✕ | ✕ | ✕ | ✕ |
※2024年4月19日時点のデータ。動画サービスの配信作品は入れ替わりますので、加入前に検索🔍をかけてご確認ください。
筆者は、『死刑台のメロディ』の存在を知って以来、こまめに動画サービスをチェックしてきました。しかし、ここ6年間、待てども待てども配信されないまま。
そこで、ツタヤの宅配レンタルサービス、 【TSUTAYA DISCAS】DVDレンタル を利用してみました。これは、
という手順でDVDをレンタルするサービスです。少し手間はかかるんですけどね。
エンディングで流れる「Here's to you」を聴いて、とめどなく涙が流れました。
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筆者が注文したときは、在庫が4枚ありました。配信される可能性は低いので、【TSUTAYA DISCAS】 のご利用をおすすめします。