「俺たちは似ている。利己的だが、自分を主張する強さを持っている」
圧倒的なスケールで観る者を魅了する、不朽の名作映画『風と共に去りぬ』が、NHK BSでテレビ放送されます。
この記事では、『風と共に去りぬ』のあらすじとキャラクターを相関図付きで解説。キャスト紹介もしてゆきます。
- 『風と共に去りぬ』NHK BS「プレミアムシネマ」での放送(2025)はいつ?
- 【どんな話?】『風と共に去りぬ』あらすじ
- 【相関図】『風と共に去りぬ』
- 【ヴィヴィアン・リーはどんな女優?アシュレー役は誰?】登場人物&キャスト
- 【解説】時代とともに変わる評価『風と共に去りぬ』は,なぜ名作なのか?
『風と共に去りぬ』NHK BS「プレミアムシネマ」での放送(2025)はいつ?
『風と共に去りぬ』は1939年のアメリカ映画。
南北戦争の混乱期のなか、土地を守るために強く生き抜いたスカーレット・オハラの半生を描いた文芸ドラマです。
映画『風と共に去りぬ』概要 | |
---|---|
原題 | Gone with the Wind |
ジャンル | 文芸ドラマ |
上映時間 | 222分(3時間42分) |
監督 | ヴィクター・フレミング(『オズの魔法使い』) |
原作 | マーガレット・ミッチェル『風と共に去りぬ』 |
音楽 | マックス・スタイナー『カサブランカ』) |
出演 |
ヴィヴィアン・リー、クラーク・ゲーブル |
レビューの平均評価(★5つ満点) |
フィルマークス:★★★★☆ 3.8 Yahoo!映画:★★★★☆ 4.1 Amazon:★★★★☆ 4.1 |
13:00 ~ 16:47
>>【放映カレンダー】TV映画(BS・地上波) - 映画ときどき海外ドラマ
【どんな話?】『風と共に去りぬ』あらすじ
>> 相関図へGo!
1861年、南北戦争の直前。アメリカ南部、ジョージア州。
アイルランド系移民の農園主の娘・スカーレット(ヴィヴィアン・リー)は、上流階級の美青年・アシュレーに恋していました。しかし、アシュレーは従姉妹のメラニー(オリヴィア・デ・ハヴィランド)と婚約しており、スカーレットの告白も届きません。
プレイボーイと噂のレット・バトラー(クラーク・ゲーブル)は、スカーレットが癇癪を起こして花瓶を投げつける姿を見て、スカーレットにひかれます。
やがて、南北戦争が開戦。スカーレットはメラニーの弟・チャールズと結婚しますが、チャールズは戦場に赴き、病死してしまいます。スカーレットはあてつけで結婚したことを後悔します。
さて、戦況が悪化する中、南軍の看護師となったスカーレットは、レット・バトラーと再会して・・・
【相関図】『風と共に去りぬ』
《『風と共に去りぬ』 相関図》
【ヴィヴィアン・リーはどんな女優?アシュレー役は誰?】登場人物&キャスト
スカーレット・オハラ
演:ヴィヴィアン・リー/吹き替え:日野 由利加(ひの ゆりか)
主人公。アメリカ南部の農園主の長女。勝ち気で計算高く、経営者としての才覚もある。しかし、思いを寄せるアシュレーは、従姉妹のメラニーを選ぶ。
名セリフ「神よ お聞きください。この試練に私は負けません。家族に二度とひもじい思いはさせません。生き抜いてみせます! たとえ盗みをし、人を殺してでも!」
スカーレットを演じたのは、イギリスの女優ヴィヴィアン・リー。
Vivien Leigh in her iconic role of Scarlett O’Hara in Gone With the Wind (1939, Victor Fleming) pic.twitter.com/kQSEGNE6QB
— Hollywood Yesterday✨ (@HollywoodYeste1) April 11, 2024
(出典:Hollywood Yesterday on X)
ロンドンで演劇を学び、キャリアの序盤は、舞台を中心に活動。恋人だったローレンス・オリヴィエに会うため訪米したときに映画プロデューサーと知り合い、スクリーンテストに参加。『風と共に去りぬ』のスカーレット役に抜擢されます。
ヴィヴィアン・リーは『風と共に去りぬ』(1939)と『欲望という名の電車』(1951)で、アカデミー主演女優賞を二度受賞しています。
レット・バトラー
演:クラーク・ゲーブル/吹き替え:大塚 明夫(おおつか あきお)
Film classic “Gone with the Wind” (1939) starring Clark Gable and Vivien Leigh pic.twitter.com/8K0WHri2Vg
— History Calendar (@historycalendar) September 25, 2024
(出典:History Calendar on X)
ヨーロッパと取り引きする、交易船の船長。商才があり、巨万の富を築く。しかし、歯に衣着せぬ物言いで、世間から反発を招くことも。
名セリフ「だが君への愛は本物だ。世界が砕けようとこの愛は変わらない」
レットを演じたのは、アメリカの俳優クラーク・ゲーブル。1930年に映画会社MGNと契約し、1930年代を中心に活躍した大スターです。
・『或る夜の出来事』(1934)・・・大富豪の娘と新聞記者がひかれ合う、ロマンティック・コメディ。『ローマの休日』の原型ともいえるキャラクター設定。
・『戦艦バウンティ号の叛乱』(1935)・・・苛酷な労働に反発し、船長に反乱を起こした船員たちの物語。
アシュレー・ウィルクス
演:レスリー・ハワード/吹き替え:原 康義(はら やすよし)
Leslie Howard born April 3, in 1893 - Over 30 films and shorts incl Pygmalion, Berkeley Square; The Scarlet Pimpernel, A Free Soul, The Petrified Forest, Devotion, Of Human Bondage, The First of the Few, Intermezzo - & of course Gone with the Wind! #botd https://t.co/DZ4Nkeft1l pic.twitter.com/WUlJB9Ly1A
— Classic Movie Hub (@ClassicMovieHub) April 3, 2024
(出典:Classic Movie Hub on X)
農園主。名家出身の美青年。教養があり、争いを好まない穏やかな性格。スカーレットから気持ちを打ち明けられるが、婚約していた従姉妹のメラニーと結婚する。
アシュレーを演じたのは、イギリスの俳優レスリー・ハワード。第一次大戦後に戦争後遺症をわずらい、治療の一環として俳優業をはじめます。
1936年に『ロミオとジュリエット』でロミオを演じたほか、1938年の『ピグマリオン』では訛りのひどい女の子を社交界デビューさせる教授を演じています。
メラニー・ハミルトン
演:オリヴィア・デ・ハヴィランド/吹き替え:平 淑恵(たいら よしえ)
Celebrating the late Olivia de Havilland, #BOTD in 1916! 🌟 Olivia enchanted audiences with her performances in classics like "A Midsummer Night’s Dream" and "Gone with the Wind." For her dedication to her union and fellow members, she earned the Founders Award in 2014. pic.twitter.com/POAgrdH6np
— SAG-AFTRA (@sagaftra) July 2, 2024
(出典: SAG-AFTRA on X)
貴族の娘。スカーレットの最初の夫、チャールズの姉。スカーレットの義姉にあたる。病弱だが、健気で心やさしい女性。スカーレットから嫉妬されているとは知らず、スカーレットを慕う。
マミー(メイド)
演:ハティ・マクダニエル/吹き替え:青木 和代(あおき かずよ)
オハラ家のメイド。スカーレットの母・エレン、スカーレット、ボニーの3代に渡ってオハラ家に仕えた。
マミーを演じたのは、アメリカの女優ハティ・マクダニエル。
HATTIE MCDANIEL was the first black person to win an Oscar when she won for Gone With The Wind in 1940. Here she is collecting the award. pic.twitter.com/K25djFPHrP
— All The Right Movies (@ATRightMovies) April 7, 2024
(出典:All The Right Movies on X)
『風と共に去りぬ』のメイド役で、アカデミー助演女優賞を受賞。アフリカ系アメリカ人としては、初めての快挙でした。
【参考サイト】ハティ・マクダニエル──心に残るオスカー女優のスピーチPart1 | Vogue Japan
スエレン・オハラ
演:イヴリン・キース/吹き替え:田中 敦子(たなか あつこ)
オハラ家の次女。スカーレットの妹。実業家のフランクと婚約していたが、姉のスカーレットに奪われる。
フランク・ケネディ
演:キャロル・ナイ
スカーレットの2番目の夫。実業家だが商売がヘタで、スカーレットが事業を取りしきるようになる。
インディア・ウィルクス
演:アリシア・レット/吹き替え:沢海 陽子(そうみ ようこ)
アシュレーの妹。スカーレットを嫌っている。
【解説】時代とともに変わる評価『風と共に去りぬ』は,なぜ名作なのか?
映画『風と共に去りぬ』は南北戦争を背景として、「没落する貴族」と「台頭する個人」という社会の変革期を描いています。困難な時代の中、スカーレット・オハラという
「人生をみずから切り拓いてゆく、強い女性像」
は当時の観客の心を打ちました。
また、白黒映画からテクニカラーへ移行する時代のヒット作ということもあり、アカデミー賞では作品賞・主演女優賞・助演女優賞をふくむ9部門を受賞しています。
1990年代までは、映画史上に残る「不朽の名作」として、毎年のようにテレビ放送されていたのです
しかし、2012年に黒人青年がヒスパニック系の元警官に暴行される、という事件が起きます。この事件をきっかけに、アメリカで人種差別撲滅のための「Black Lives Matter」運動が活発になります。
「Black Lives Matter」運動は文化にも波及し、
「『風と共に去りぬ』は奴隷制度を肯定している」
との批判が巻き起こるようになりました。アメリカの動画配信サービス「HBO Max」では、『風と共に去りぬ』が配信ラインナップから削除される騒動に発展しました。
(※ 現在は、解説動画つきで配信中)
確かに、スカーレットは綿花プランテーションの農園の娘。オハラ家の経済発展は、アフリカ系アメリカ人を“安い労働力”として使っているから成り立っている面もあります。スカーレットは使用人に厳しく接しており、中盤には使用人をぶつシーンもあります。
しかし、それでもなお
- 周囲の人間から疎まれながらも自己主張するスカーレットの生き様
- 夫婦でありながらお互いの思いがすれ違ってゆく、恋愛映画としての完成度の高さ
- テクニカラーの色鮮やかな映像
- マックス・スタイナーの雄大な音楽
といった要素は、やはり『風と共に去りぬ』を名作たらしめています。
『風と共に去りぬ』のブルーレイは、2021年にワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメントから発売されています。
日本語吹き替え版は、スカーレット(日野由利加)、レット(大塚明夫)、アシュレー(原 康義)、メラニー(平淑恵)という配役です。