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『地下鉄のザジ』あらすじ&解説【おませな女の子の大冒険!キュートなコメディ映画】

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『地下鉄のザジ』あらすじ&解説【おませな女の子の大冒険!キュートなコメディ映画】

「地下鉄を見られたの?」

「ううん。年を取っただけ」

 

生意気ざかりの少女から見た、大人の世界。おっかぱ頭がかわいらしいコメディ映画、『地下鉄のザジ』がテレビ放送されます。

 

この記事では、『地下鉄のザジ』のあらすじと、映画の見どころについて解説します。

『地下鉄のザジ』NHKのBSプレミアムでの放送(2023)はいつ?子役&女優はどんな人?

『地下鉄のザジ』は1960年のフランス映画。

地下鉄を楽しみにパリにやってきた女の子が、大人と関わりながら騒動を巻き起こすコメディです。

映画『地下鉄のザジ』
原題 Zazie dans le métro
上映時間 93分
監督 ルイ・マル(『死刑台のエレベーター』『鬼火』)
原作 レーモン・クノー『地下鉄のザジ』
音楽 フィオレンツォ・カルピ
出演

 カトリーヌ・ドモンジョ、フィリップ・ノワレ、カルラ・マルリエ

 『地下鉄のザジ』のテレビ放送は、2023年11月16日(木)。NHKのBSプレミアム「BSシネマ」にて。
13:00 ~ 14:33

>> TV映画 放映カレンダー(BS・地上波) - 映画ときどき海外ドラマ

 

10歳の女の子・ザジを演じたのは、カトリーヌ・ドモンジョ。本作でデビューし、ゴダール監督の『女は女である』でも、ザジ役で特別出演しています。

また、若く美しい叔母さん・アルベルティーヌを演じたのは、カルラ・マルリエです。サスペンス映画の傑作『地下室のメロディー』では、アラン・ドロンの恋人役でした。

映画『地下鉄のザジ』あらすじ【おませな女の子の大冒険!キュートなコメディ映画】

10歳の少女・ザジ(カトリーヌ・ドモンジョ)は、母と一緒にパリにやってきます。母は恋人とどこかへ行き、ガブリエル叔父さん(フィリップ・ノワレ)がザジの面倒をみてくれます。

 

ガブリエル叔父さんの本業は、ナイトクラブの芸人。ザジは、酒場の部屋に2日間だけ泊めてもらうことに。叔父さんの若い妻・アルベルティーヌ(カルラ・マルリエ)も、快く迎えてくれます。

ザジの楽しみは、地下鉄をこの目で見ることでした。ところが、パリの地下鉄はストライキ中で、門が閉まっています。乗り場にやってきたザジは、がっかりして泣き出してしまいます。

 

すると、あやしい男(ヴィットリオ・カプリオーリ)が声をかけてきます。ザジはその男とパリの街を探索します。ノミの市を見に行ったり、レストランに入ったり・・・

 

さて、ザジが部屋に戻ってくると、ガブリエル叔父さんが待っていました。叔父さんはザジを連れ、エッフェル塔の観光に出かけますが・・・

『地下鉄のザジ』解説【原作は俗語で“権威”にたてつく&映画は表現技法への挑戦】

『地下鉄のザジ』の原作は、フランスのレーモン・クノーによる同名小説です。

 

原作の『地下鉄のザジ』は、10歳の少女が発するとは思えない“俗語のオンパレード”。ナポレオンのことを「〇〇みたいな帽子をかぶった水ぶくれ」と表現したり、ガブリエル叔父さんに「ホントは同性愛者じゃないの?」と詰め寄ったり・・・

 

警官や高貴な婦人をこき下ろす場面もあり、“権威への挑戦”とも受け取れます。

 

いっぽうで、映画では卑猥(ひわい)な言葉は、原作よりも抑えめ。チャップリンを思わせるスラップスティック・コメディ(※)となっています。

(※ 叩いたり、追いかけたり・・・体を張った笑いを中心とするドタバタ劇)

 

また、数々の映画技法にもチャレンジしています。

  • 人物だけが移動する、バラエティ番組のようなカット技法
  • マンガ的な爆弾の表現
  • ヘリウムを吸ったときのような、早回しの音声
  • 会話の主導権が変わると、カメラも高速でパン(=水平方向に移動)
  • 叔母さんにひと目ぼれした警官が、いきなりカメラ目線

これらの技法は現代ではあまり使わないため、一周まわって新鮮に感じます。

 

監督はルイ・マル

25歳のときに撮った『死刑台のエレベーター』(1958)で絶賛され、追いつめられた男の孤独を描いた『鬼火』(1963)も高く評価されています。

 

 

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