晴れた日に、まるで花びらがひらひらと舞うように雪が降ってくることがあります。この雪を風花(かざはな)と呼びます。
風花は雪とはどう違うのでしょうか?
また、静岡県ではよく「風花」という表現を使いますが、東京ではあまり使いません。風花は方言なのでしょうか?
風花と雪の違いとは?
「風花」の辞書的な意味は、次の2つです。
① 晴れた日に、青空のなかを花びらのように雪がちらつく現象
② 雪の積もったところの風上(かざかみ)から、風に吹かれて飛んでくる雪
どちらの意味でも使われます。
雪には、大きさや状態によっていくつかの呼称があります。
- 細雪(ささめゆき)・・・粒の細かい雪のこと。
- 粉雪(こなゆき)・・・粉のようにサラサラした雪のこと。
- 牡丹雪(ぼたんゆき)・・・ひとひらひとひらが、牡丹の花のように大きな雪のこと。
「風花」も、雪の状態をあらわす呼び方のうちの一つです。
風花は静岡県や群馬県の方言?
上でご紹介した②の意味、「積もった雪が風に飛ばされて舞う」状態は、降雪地帯なら起こり得る現象です。ですので、風花は方言ではありません。
ただし、発生しやすい地理的条件があります。
日本列島の中央部には、飛騨山脈、木曽山脈、明石山脈が連なっています。冬型の気圧配置が強まってシベリア大陸のほうから寒気がやってくると、日本海側で雪が降ります。
このとき、雪雲(ゆきぐも)の一部が山脈をこえて、太平洋側に流れこんできます。山脈をこえると「おろし風」が吹きますので、雪が舞いやすくなります。
このため、風花は、地理的条件を満たした静岡県や群馬県でよく見られるのです。
快晴の日が多い都道府県ランキングでも、静岡県は第2位。群馬県は第8位。
①の意味、「晴れた日に、花びらのように雪が舞う」という条件も満たしやすいのがわかります。