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集中豪雨が起こる原因とは?発生のメカニズムと、線状降水帯との関係

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集中豪雨が起こる原因とは?発生のメカニズムと、線状降水帯との関係

 近年、河川を氾濫させたり土砂災害をもたらすような、豪雨が降ることが増えています。経験したことがないような大雨が降ることも、珍しくありません。

 

どうして、集中豪雨が発生するのか? また、最近よく耳にする「線状降水帯」とはどういったメカニズムでできるのか? わかりやすくまとめました。

雨がふるメカニズムとは?

 まずは、オーソドックスな雨ができる流れを説明します。

1.上昇気流が起きる

地表の一部があたためられると、水分が蒸発して水蒸気になります。あたためられた水蒸気は周りの空気より軽くなり、上昇します。

2.雲つぶができる

上空ほど気温が低いため、上昇した水蒸気は冷やされます。すると、「雲粒」(くもつぶ、うんりゅう)という小さな水のつぶができます。 

3.氷のつぶ「氷晶」になる

上空で気温がマイナス20℃以下になると、雲つぶが凍って、「氷晶」(ひょうしょう)という氷のつぶになります。

⇨ 水の粒や氷の粒は、1/100ミリほど。ひとつひとつは目に見えないほど小さい水の粒や氷の粒が、集まってできたのが「雲」です。 

 4.雪の結晶ができる

氷のつぶに水蒸気がくっついて成長すると、雪の結晶ができます。いわゆる六角形の、デザインなどでよく見るものです。

5.雨が降る

重くなって空に浮かんでいられなくなった雪の結晶は、地面に落ちます。落ちてくるとき、0℃以上の場所を通って、溶けて水になったものが「雨」です。

気温が低いときは、氷の粒はとけずに結晶のまま落ちてきます。これが、「雪」というわけです。 

 集中豪雨が起こる原因・・・線状降水帯との関係

積乱雲が連続して発生すると、集中豪雨に発展する

強い上昇気流によって、垂直方向に発達した雲を「積乱雲」(せきらんうん)と呼びます。積乱雲は、上空に冷たい空気があり、地表にあたためられた空気の層があると発生しやすくなります。高さは10キロメートルを越えます。

1.あたたかく湿った空気が上昇して、積乱雲をつくる

あたたかく湿った風が吹きつける場所で、大量の水蒸気を含む空気が上昇すると、雲が発生します。雲は周囲の空気を吸いこむことで、さらに大きな積乱雲となります。 

2.次々と新しい積乱雲が生まれる ⇨ 列になるのが、線状降水帯

 

線状降水帯が発生するメカニズム

積乱雲は、上空の風によって、風下へと流されてゆきます。大気が不安定なときは、同じ場所にまた積乱雲ができます。できた積乱雲が上空の風によって流され、その後にまた同じ場所で積乱雲が発生します。

 

⇨ 積乱雲が同じ場所で次々と発生し、列をつくって同じ場所に停滞または通過し、雨を降らせる範囲のことを、「線状降水帯」(せんじょう こうすいたい)と呼びます。

3.激しい雨が、数時間にわたって降り続ける

上空で冷たい空気に冷やされた積乱雲は、その中に氷のつぶをたくさん作ります。やがて重たくなったたくさんの氷の粒(結晶)が、地上に落下することで雨になります。

積乱雲はたて方向に発達した雲ですので、通常は雨は狭い範囲に限られ、降る時間も短めです。

 

ところが、積乱雲が連続で発生した場合は、状況が変わります。最初の積乱雲が雨を降らしてしぼんでいっても、2番目・3番目の雨雲が次々とやってくるのです。このため、同じ場所にはげしい雨が降り続けることになるのです。

 

気象庁は、積乱雲がもたらす大雨について、次のように定義しています。

  • 積乱雲が単独 ⇨ 一過性の大雨・・・「局地的な大雨
  • 複数の積乱雲 ⇨ はげしく長い雨・・・「集中豪雨

 

関連ゲリラ豪雨とは?気象庁が定義する雨量と、発生する仕組み

 

積乱雲が列をつくって雨を降らせる「線状降水帯」(せんじょう こうすいたい)は、大きな災害をもたらす恐れがあります。2018年に広島県などに河川の氾濫をもたらした西日本豪雨や、2020年7月の九州南部に大雨をもたらしたのも、この線状降水帯によるものだと見られています。