※この記事は、2022年1月に更新しました。
“なりすましコメディ”の傑作、映画『トッツィー』がNHKのBSでテレビ放送されます。
この記事では、映画『トッツィー』のあらすじと見どころをご紹介。
また、『トッツィー』には亡くなった喜劇俳優・小松政夫さんが声をあてた、幻の吹き替えがあります。小松さんの吹き替えが聴けるブルーレイについてもお知らせします。
- 映画『トッツィー』NHKのBSでのテレビ放送(2022)はいつ? タイトルの意味は?
- 映画『トッツィー』あらすじ【ネタバレなし】
- 『トッツィー』見どころ:テーマを語るための設定! 見事な脚本!
- 映画『トッツィー』小松政夫さんの吹き替えが聴けるブルーレイは、どれ?
映画『トッツィー』NHKのBSでのテレビ放送(2022)はいつ? タイトルの意味は?
『トッツィー』 は1982年のアメリカ映画。仕事に恵まれない役者が、女装してTVドラマのレギュラーの役を得る、という“なりすましコメディ”です。
映画『トッツィー』 | |
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原題 | Tootsie |
製作年 | 1982年 |
製作国 | アメリカ |
ジャンル | なりすましコメディ |
上映時間 | 113分 |
監督 | シドニー・ポラック(『追憶』『愛と哀しみの果て』) |
脚本 | ラリー・ゲルバート、マレー・シスガル |
出演 | ダスティン・ホフマン、ジェシカ・ラング |
受賞歴 | アカデミー助演女優賞(ジェシカ・ラング) |
原題の【 tootsie 】には、「おねえちゃん、かわいこちゃん」といった意味があります。
『トッツィー』のテレビ放送は、2022年2月4日(金)。NHKのBSプレミアムの「BSシネマ」にて。
23:45 ~ 25:42
「BSシネマ」は、字幕スーパーでの放送です。
映画『トッツィー』あらすじ【ネタバレなし】
マイケル(ダスティン・ホフマン)は、まもなく40歳の役者。演技スクールで、若い俳優たちにお芝居も教えています。しかし、こだわりが強すぎるため、演出家としょっちゅう喧嘩するトラブル・メーカーでした。
ある日のこと。
マイケルの教え子である女優のサンディが、病院を舞台とした「昼ドラ」のオーディションを受けます。マイケルの演技指導を受けたサンディですが、オーディションに落ちてしまいます。
納得のいかないマイケルは、“女装”して「ドロシー」と名乗り、オーディションを受けにゆきます。会場に着いたドロシー(マイケル)は、番組ディレクターのロンの横柄な態度にブチ切れます。
すると、その様子を見ていた女性プロデューサーが、ドロシー(マイケル)を気に入って役をくれます。ドラマ「病院物語」の総務部長・エミリーという役です。
撮影現場では、当たり前のようにセクハラが行われていました。
ドロシー(マイケル)は台本にないセリフをアドリブで入れ、ベテラン俳優のジョンや番組ディレクターのロンに食ってかかります。
その姿がお茶の間でウケ、ドロシー(マイケル)は“人気女優”となってゆきます。
共演者で看護師役のジュリー(ジェシカ・ラング)は、そんなドロシー(マイケル)を慕うようになります。マイケルも、美しいジュリーにメロメロ。
もちろん、ジュリーはドロシーの正体が中年男性だなんて、夢にも思っていません。
やがて、ジュリーの自宅に招待されるドロシー(マイケル)ですが・・・
『トッツィー』見どころ:テーマを語るための設定! 見事な脚本!
おばさんに変装したダスティン・ホフマンが、下着姿の女優と二人っきりになったり、おっさんに言い寄られたり・・・まさに、大爆笑の連続!
ところが、実は「社会派ドラマ」の一面もあります。
テーマを端的に表すセリフが、冒頭の【 22分02秒 】に登場します。
「職場に進出する女といえば、かわいくなくて男勝り。そういう決めつけは良くないわ」
“女性が社会進出するのは素晴らしいけど、差異を強調しすぎるのも違うんじゃない?”
そんな鋭いメッセージを投げかけているのです。
映画『トッツィー』小松政夫さんの吹き替えが聴けるブルーレイは、どれ?
名優ダスティン・ホフマンは女装しただけでなく、声色も男性・女性で使い分けて演じています。吹き替えを担当する声優さんにも、相当な力量が求められる役柄です。
通常のDVDや配信で視聴できる『トッツィー』では、ダスティン・ホフマンの声は、“山ちゃん”こと、山寺宏一さんがあてています。山寺さんといえば、声優界きっての実力派。彼の吹き替えも素晴らしいのですが・・・
民放でテレビ放送されたときの「フジテレビ版」では、コメディアンの小松政夫さんがマイケルの声を担当しました。
小松さんといえば、2020年に亡くなられた名優。
1960~1970年代にコメディアンとして活躍し、その後は『水戸黄門』などのTVドラマや数々の映画に出演しています。
声優としても、海外ドラマ『アルフ』で、タナー家のお父さん役で親しまれました。
(⇧ 『日曜洋画劇場』の司会者・淀川長治さんのモノマネをする小松さん)
『トッツィー』の見せ場はなんといっても、ドロシー⇆マイケルの声が切り替わるところです。柔らかなおばさん口調から、ドスの効いた男の口調へ。小松政夫さん版はここのお芝居が、鳥肌ものの素晴らしさ!!
小松政夫さんの吹き替えは、2015年に発売された【吹替洋画劇場 コロンビア映画90周年記念『トッツィー』】というブルーレイに収録されています。
テレビ放送された『トッツィー』は放送枠に合わせて、大幅にカットされています(ドロシーがジュリーの家に招かれて、ピアノを弾くシーンとか)。
カットされた部分が足されてないのが残念ですが、小松さんの吹き替えは『トッツィー』の魅力をさらに高めてくれています。