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映画『ショート・サーキット』あらすじ&感想!ロボット版“E.T.”?隠れた名作ファンタジー

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映画『ショート・サーキット』あらすじ!ロボット版“E.T.”?隠れた名作ファンタジー

※この記事は、2022年8月に更新しました。

2020年の秋、SF映画『E.T.』(1982年)が久々にゴールデンタイムに放送され、反響を呼びました。筆者も、懐かしさに胸が熱くなりました。と同時に、同じようなコンセプトの映画を見たことがあったな、と思い出しました。

 それが、今回ご紹介するファンタジー映画『ショート・サーキット』です。

ロボット版“E.T.”? 映画『ショート・サーキット』概要

 『ショート・サーキット』は、1986年公開のファンタジー映画。

軍事用に開発されたロボットが電気ショートを起こし故障、若い女性と友情を深めてゆくお話です。 

映画『ショート・サーキット』
原題 Short Circuit
製作国 アメリカ
製作年 1986年
監督 ジョー・バダム
出演 アリー・シーディ、スティーヴ・グッテンバーグ

 『E.T.』では、エイリアンが少年と仲良くなりました。本来なら“人間の脅威”となる存在が味方になる、という意味でコンセプトが似ています。

映画『ショート・サーキット』あらすじ

  軍事企業「ノヴァ・ロボティクス」社は、戦闘用ロボット“SAINT”(セント)を開発していました。“SAINT”はレーザービームで戦車をこっぱみじんにするほど、強力な戦闘マシンです。

 

「ノヴァ・ロボティクス」社のマーナー社長は、5体の“SAINT”を政府や民間企業に売りに出そうとしていました。ところが、プレゼンの最中に雷が発生!

 5体の“SAINT”のうち、「ナンバー5(ファイブ)」が落雷を受け、誤作動を起こします。ナンバー5は研究所を抜け出し、外の世界へ。マーナー社長は警備員を派遣し、ナンバー5を確保させようとします。

 

ところが警備の主任・スクローダー隊長は、

「見つけ次第、破壊しろ!」

と、部下に命じます。

 

“SAINT”の生みの親であるクロスビー博士(スティーヴ・グッテンバーグ)は、ナンバー5を心配し、独自に救出に向かいます。

 

 

いっぽう。外の世界に出たナンバー5は、虫や動物に興味津々。生き物を追っているうち、移動トラックでお菓子を売っているステファニー(アリー・シーディ)という女の子の家へたどり着きます。ステファニーは、トラックに隠れていたナンバー5を見つけます。ところが・・ 

「地球へようこそ! 怖がらないで。私はトモダチよ」

 ステファニーは、ナンバー5を宇宙人とかん違い! 言葉を教えたり辞書を見せたりして、コミュニケーションを図ろうとします。

 

「インプット・・・もっと欲しい」

 

情報に飢えていたナンバー5は、辞書を高速で記憶し、さらにテレビに興味を持ち始め・・・

『ショート・サーキット』感想【緊張と弛緩!暴発を内に秘めた,笑えるファンタジー】

 ん十年前に 『ショート・サーキット』に見たことがあるのですが、冒頭が怖かったことだけが記憶にあります。

 

どこかの工場で組み立てられる、軍事用ロボット。バックには、おどろおどろしい音楽が流れます。ロボットは、手から発射されるレーザー光線でジープを爆破!

 

でも、怖いのは冒頭だけ。ナンバー5がステファニーの家に来てからは、一気にコメディ映画と化します。

  • ナンバー5をエイリアンとかん違いするステファニー。
  • ぶ厚い百科事典を高速でインプットしていくナンバー5。
  • 「君にぴったりのジュエリーです」と、テレビのCMの声マネをするナンバー5。

 

本人たちが真剣なだけに、必死さに腹を抱えて笑ってしまいます。でも、冒頭に破壊シーンを見せられているので、ナンバー5が暴発したら怖いことを観客は知っています。ですから、笑いつつも緊張感が続きます。 

隠れた名作たるゆえん? 売れる“ログライン”

シナリオの世界では、映画の内容を1~2行で表したものを“ログライン”と呼びます。

このログラインがシンプルでわかりやすく、さらに皮肉がこめられていると、映画は面白くなります。

例1)おバカな女の子が自分をフッた彼氏を見返そうと名門大学の法学部に入るが、法律の素晴らしさを知ってゆく・・・『キューティ・ブロンド』

例2)家族なんていなくなればいいと思った男の子が願いどおり一人になるが、家に泥棒がやってくる・・・『ホーム・アローン

 

『ショート・サーキット』のログラインは・・・

人を攻撃するために作られた軍事用ロボットが故障し、命の尊さを学んでゆく

 

ログラインに皮肉がこめられています。素晴らしいのは、ナンバー5自身がみずから考えて学んでゆくところ。

ナンバー5は、バッタと遊んでいたとき、あやまって踏みつぶしてしまいます。生き物が死んでしまったら二度と戻れないことを知ったナンバー5は、

「解体、ダメ!」

と、判断するようになります。

 

 命令されたことを疑い、自分で思考するナンバー5の姿は、胸を打つものがあります。

 

 映画『ショート・サーキット』は2023年8月現在、Amazonプライムビデオで配信されています。 

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