007を彷彿とさせるスパイアクション、マシュー・ボーン監督の毒のあるユーモアで大ヒットとなった映画『キングスマン』シリーズ。2021年12月には、延期されていた『キングスマン:ファーストエージェント』も、ようやく公開されます。
この記事では、『キングスマン』シリーズの公開の順番と時系列をご紹介し、過去作については簡単なあらすじでふり返ってゆきます。
- 『キングスマン』シリーズの概要&タイトルの意味は?
- 『キングスマン』シリーズ公開の順番は?
- 『キングスマン』シリーズの時系列は?
- 『キングスマン』(2015年)
- 『キングスマン:ゴールデン・サークル』(2017年)
『キングスマン』シリーズの概要&タイトルの意味は?
映画『キングスマン』シリーズは、イギリス紳士風のスパイ・アクションです。
タイトル『キングスマン』は、どういう意味なのか?
これは、3作目の原題から読み解くことができます。
【 King's Man 】、つまり直訳すれば、「王の男」ということになります。中世のイギリスにおいて、王の屋敷につかえていた執事、または王室の財産を守っていた管理人のことを指します。
映画においては、“世界の秩序と人命を守る、政府からは独立した機関”という意味合いで使われています。誰か個人を指しているのではなく、「スパイ機関」のことを【キングスマン】と呼んでいます。
『キングスマン』シリーズ公開の順番は?
『キングスマン』シリーズの公開の順番は、以下の通り。
タイトル | 原題 | 公開年 |
---|---|---|
キングスマン | Kingsman:The Secret Service | 2015年 |
キングスマン:ゴールデン・サークル | Kingsman:The Golden Circle | 2017年 |
キングスマン:ファースト・エージェント | The King's Man | 2021年12月公開予定 |
キングスマン3(仮題) | Kingsman3(仮題) | 公開日未定 |
上から3番目の『キングスマン:ファースト・エージェント』は、1作目の『キングスマン』の前日譚にあたります。スパイ機関【キングスマン】がどのように誕生したのか、描かれます。当初は2020年の2月に日本公開される予定でしたが、コロナ禍のため先送りとなっていました。
▲クリックすると動画が読み込まれます。
『キングスマン』シリーズの時系列は?
1作目に登場したエグジーとハリーの物語は、『キングスマン』『キングスマン:ゴールデン・サークル』『キングスマン3(仮題)』の3部作で描かれます。
3番目に公開される『キングスマン:ファースト・エージェント』は、第一次大戦前が舞台。イギリスに本拠地をおくスパイ機関【キングスマン】の誕生秘話が描かれます。主人公も、他の作品とは異なります。
《映画『キングスマン』シリーズ 時系列》
① 『キングスマン:ファースト・エージェント』(2020年9月)
② 『キングスマン』(2015年)
③ 『キングスマン:ゴールデン・サークル』(2017年)
④ 『キングスマン3(仮題)』(公開日未定)
時系列で並べると、3作目 ⇨ 1作目 ⇨ 2作目 ⇨ 4作目 となります。
※ここから先は、公開済み作品のあらすじです。完全なネタバレは避けますが、未視聴の方が知りたくない情報が含まれている可能性があるので、ご注意ください。
2024年1月現在、『キングスマン:ファースト・エージェント』、『キングスマン』、『キングスマン:ゴールデンサークル』の3作品はAmazonプライムビデオで視聴できます。
『キングスマン』(2015年)
『ダークナイト』の大ヒット以降、アクション映画のトレンドはシリアス路線となります。
しかし、007(ダブルオー)シリーズなどの昔のスパイ映画は、非リアル路線。
いわば、“あり得ないこと”の連続でした。悪役がとんでもない攻撃を仕かけてきたら、主人公もとんでもない発想で危機を回避する・・・そんな荒唐無稽さが魅力だったのです。
『キングスマン』は、そんな古きスパイ映画の良さを残しつつ、毒の効いたギャグと、スローモーションを交えた最新アクションをミックス! 懐かしさと新しさのある娯楽映画となっています。
欠員発生! 新たなスパイ候補生を見つけろ!
1997年、中東。
スパイ組織【キングスマン】のメンバーたちは、テロリストを捕らえ、仲間の居場所を吐かせようとしていました。
ところがテロリストは小型爆弾を持っており、自爆します。1人のメンバーがとっさに仲間をかばって、死んでしまいます。
命を救われたハリー・ハート(=コードネームは、“ガラハッド”)は、亡くなったメンバーの家族のもとを訪れます。ハリーは、彼のまだ幼い息子に勲功のメダルを渡します。
「何か困ったことがあったら、電話をくれ」
メダルの裏には、とある電話番号が刻まれていました。
17年後、アルゼンチン。
世界的な気象学者・アーノルド教授が、IT企業の社長・ヴァレンタインに誘拐されてしまいます。教授の監禁された小屋に、【キングスマン】のメンバー・“ランスロット”が救出に現われます。ところが、ヴァレンタインの部下で義足の女・ガゼルが現われ、“ランスロット”を返り討ちにしてしまいます。
その数日後。
イギリスのマンチェスターにある高級紳士服店の隠し部屋で、スパイ組織【キングスマン】の緊急会議が開かれます。【キングスマン】のリーダー・アーサーは、やられた“ランスロット”の代わりに、新しいスパイ候補生を集めるように各メンバーに指示します。
マナーが人間を作る!
元・海兵隊員の若者・ゲイリー・アンウィン(=あだ名は、“エグジー”)は、さえない日々を過ごしていました。彼の父は、17年前に仲間をかばって亡くなった【キングスマン】のスパイ候補生でした。
ある日のこと。エグジーは、いきつけのパブで街の不良にからまれます。その帰り、エグジーは仕返しに不良の車を盗み、暴走! 警察につかまってしまいます。
拘留されたエグジーは、母に電話しようとしますが、思いとどまります。幼い頃の約束を思い出し、メダルの裏にある番号に電話してみます。
すると、高級紳士服を着たハリー・ハートが現われ、釈放してくれます。
ハリーは、エグジーの父親に命を救われたことを明かし、
「【キングスマン】のスパイ候補生にならないか?」
と、提案します。
エグジーは
「貧しい家の出の自分には、どうにもならない」
と断ろうとしますが、ハリーは
「生まれの貧しさで、人生は決まらない」
と、はげまします
ハリーは、高級仕立て店にエグジーを連れてゆきます。お店の裏には、移動式のシェルターがあり、スパイ組織【キングマン】の本拠地につながっていました。本部には、各メンバーが連れてきたスパイ候補生が集まっていました。
上流階級出身のチャーリー、紅一点のロキシーなど、優秀な若者がそろっています。エグジーは彼らと競いながら、合格をめざして・・・
『キングスマン:ゴールデン・サークル』(2017年)
2作目となる『キングスマン:ゴールデン・サークル』 では、前作『キングスマン』の主人公・エグジーのその後の戦いが描かれます。
ストーリーは前作をふまえた内容となっていますので、1作目を観てからでないと話についていくのは難しいでしょう。ジュリアン・ムーア、ジェフ・ブリッジス、ハル・ベリーら、大物スターたちが脇を固めます。
かつての訓練生に命を狙われる!
イギリス人の若者・エグジーの表の顔は、高級紳士服店の仕立て屋。しかし、独立したスパイ機関【キングスマン】のメンバーという別の顔も持っていました。
ある日のこと。店を出たエグジーは、突然、刺客に襲われます。彼を襲ったのは、チャーリー。かつて、【キングスマン】のスパイ候補生として、エグジーと競い合ったライバルでした。チャーリーは鋼鉄製のハイテク義手で、エグジーの命を狙います。
からくもチャーリーとその仲間を撃退したエグジーは、【キングスマン】の本部で恐ろしい事実を聞かされます。チャーリーはある犯罪組織の一員となった、というのです。
その組織の名は、【ゴールデン・サークル】。大麻・コカインなどを世界中に密売してもうけたお金で作り上げた、犯罪組織です。ボスは、ポピー・アダムスという女性。彼女の目的は、あらゆるドラッグを合法化し、お酒のように規制や税金をかけた上で売買できるようにすること。
ポピーの野望を実現するのに邪魔になるのが、【キングスマン】の存在でした。
そこでポピーは、ハイテク義手を【キングスマン】本部に潜入させ、世界中にある支部のデータを盗み出します。そして、各支部をいっせいにミサイル攻撃!
スパイ組織【キングスマン】を壊滅に追いこまれます。仲間と愛犬JBを失ったエグジーは、悲しみにくれます。生き残った教官・マーリンとエグジーは、倉庫にあったウィスキーの瓶に、【キングスマン】そっくりのシンボルマークを見つけます。
「ウチの組織と、何か関係があるのでは?」
そう感じたマーリンとエグジーは、ウィスキーの製造元・アメリカのケンタッキー州をに向かいます。
もうひとつのスパイ組織、【ステイツマン】!
ウィスキーの醸造所を訪れたマーリンとエグジー。
見学コースから外れたエグジーは、腕時計の生体認証スキャンを使って、醸造所の隠し部屋に入りこみます。驚くべきことに、そこはスパイ組織【ステイツマン】の秘密基地でした。
彼らは、表向きはウィスキーの製造メーカー。実際は独立諜報機関として、政府の代わりに世界の秩序を守ります。【キングスマン】とそっくりのスパイ組織だったのです・・・