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アニメ『魔女の宅急便』世界観や設定の裏話!舞台となったのはスウェーデン?

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ジブリアニメ『魔女の宅急便』世界観や設定の裏話!ジジが話さなくなったのはなぜ?

スタジオジブリのアニメ映画『魔女の宅急便』の、世界観や設定に関する裏話・トリビアをご紹介。聞き取りづらいセリフについても載せています。

ここでは、できるだけ出典が明らかな情報をまとめています。

ジブリアニメ『魔女の宅急便』簡単なあらすじ

キキは、“魔女の血”を受け継ぐ13歳の女の子。

魔女として生きるためには、13歳になったらよその街で1年間の修業をしなくてはなりません。キキは黒猫のジジとともに旅立ち、住む街を探します。

 

キキが気に入ったのが、海に囲まれた街【コリコ】でした。キキは【コリコ】の街に降りますが、なんだか街の人々は冷たそう。

大丈夫かな?

 

さて、キキが街中をホウキに乗って飛んでいると、バスにぶつかりそうになります。騒ぎを聞きつけ、警察官がやってきます。困ったキキを助けてくれたのが、トンボという少年でした。

しかし、トンボがなれなれしく質問ばかりしてくるので、キキは逃げるように飛び去ってゆきます。

 

日も暮れかけた頃。

キキは、【グーチョキパン店】のおかみ・おソノさんに代わって、お客さんの忘れ物を届けてあげます。おソノさんに気に入られたキキは、【グーチョキパン店】の屋根裏部屋に居候(いそうろう)することになります。

 

自分でも何かしなきゃ!

そう思ったキキは、あるアイディアを思いつきます。それは、空飛ぶ能力を生かして、「魔女の宅急便」という“お届けサービス”を始めることでした・・・

 

 

ここから先の裏話・トリビアは、内容の深い部分に触れているものもあります。映画本編をご覧になってからお読みください。

ジブリアニメ『魔女の宅急便』裏話やトリビア

キキが黒い服を着ている理由は?

監督の宮崎駿さんは『ジブリの教科書5 魔女の宅急便』(文春文庫)の中で、“日常描写”の重要性について語っています。(p121~p123を参照)

 

どうしてキキが黒い服を着るのか。(中略)昔からの言い伝えどおり、そうなっているからだけじゃないんです。

いちばん粗末な服を着て、着飾ったりしないで、ありのままの姿で、自分の世界を見つけにゆく。

それが、魔女の修業なんだということだと思う。

 

質素で派手に着飾ったりしない女の子だという“生活感”を、黒い服で表現したのだとか。

家事や食事のシーンを見せるだけが、生活感を描く方法ではないという、映画の技法のことをおっしゃっているんですね。

キキの友だちのセリフ「でも 〇〇 あるでしょ?」は、なんて言ってるの?

映画の冒頭。キキが旅立つ直前の夜。

キキは、友だちとおしゃべりをしています。友だちは外の世界にゆくキキをうらやましがります。

キキ「遊びに行くんじゃないんだからね」

友だち「でも、ディスコあるでしょ?」

 

魔女の宅急便の全セリフは、『シネマ・コミック5 魔女の宅急便』(文春ジブリ文庫)に載っています。

出典:『シネマ・コミック5 魔女の宅急便』(文春ジブリ文庫)

 舞台のモデルとなったのは、スウェーデン?クロアチア?

魔女の宅急便のモデルとなった街

『魔女の宅急便』のモデルとなった街は、スウェーデンのストックホルムにある旧市街と、同じくスウェーデンのゴットランド島のヴィズビーの町です。

 

ジブリの公式サイトで言及されています。

www.ghibli.jp

ちなみに、ゴットランド島は、宮崎駿 監督がAプロダクション(いまのシンエイ動画)時代に、『長くつ下のピッピ』のロケハンで訪れた場所です。

キキのセリフ「暮らすって、物入りね」の意味とは?

キキがおソノさんちに居候(いそうろう)させてもらえることになった、次の日。

買い物に出かけたキキは、フライパンを手に取りながら、

「暮らすって、物入りね」

と語ります。

 

実家から離れ、屋根裏でひとりで暮らすことになったキキ。生活用品を買いそろえなくてはなりません。

「(親元を離れて)生活するには、何かとお金がかかるのね」

といった意味です。

ニシンのパイのおばあちゃんのセリフ:「ばあさん」ではなく、「バーサ」だった?

青い屋根の家には、上品な老婦人(ニシンのパイのおばあちゃん)と、キキのホウキに乗ろうとするお茶目なお手伝いさんが住んでいます。

上品な老婦人が、お手伝いさんを呼ぶシーンがあります。こんな風に聞こえる人もいるかもしれません。

 

✕ 老婦人「ばあさん、ばあさん、魔女さんのお礼をお渡しして!」

✕ 老婦人「ばあさん、あれを」

 

“ばあさん”なんて、ぶっきらぼうな言い方をするなぁ・・・と思ったら、違うんですね。実は、お手伝いさんには“バーサ”という名前があります。

ですので、正しくは

〇 老婦人「バーサ、バーサ、魔女さんのお礼をお渡しして!」

〇 老婦人「バーサ、あれを」

となります。

ウルスラ(=絵描きのおねえさん)が描いた絵のモデルは、版画?

物語の中盤、キキは絵描きのおねえさんと出会います。劇中では名前を呼ばれることはありませんが、このキャラクターは“ウルスラ”という名前です。

画家のおねえさんは、キキをモデルにして油絵を描きます。この絵には、元になった実在の絵があります。

 

青森県にある八戸市立 湊(みなと)中学校の養護学級の生徒たちが作った版画です。

生徒たちが坂本小九郎 先生の指導のもとに制作した作品で、もともとは白黒の版画。これを見て感銘をうけた宮崎監督が、彩色して映画に登場させました。

 

絵のタイトルは、『星空をペガサスと牛が飛んでいく』です。1976年制作。

hachinohe-art-museum.jp

八戸市の版画教育については、「10+1 website」というサイトに詳しく書かれています。

キキとウルスラの声優は、一人二役? どちらもコナンの声?

主人公のキキと、絵描きのお姉さんウルスラ。どちらも、演じたのは声優の高山みなみさんです。そう、一人二役なのです。高山さんといえば、

  • 『名探偵コナン』の江戸川コナン 役
  • 『忍たま乱太郎』の猪名寺 乱太郎(いなでら らんたろう) 役
  • 『ゲゲゲの鬼太郎』の鬼太郎 役(5代目)

などで知られる、人気声優。

 

なにがスゴいって、キキとウルスラが面と向かって会話しているシーンがあること。

ウルスラ「なんだ、ちっとも来てくれないんだから。自分から来ちゃったよ」

キキ「ごめんなさい」

 

ウルスラ「というのは嘘。買出しにきたついで」

キキ「寄ってって。いま仕事が一区切りしたとこなの」

 

ウルスラ「もちろん、そのつもり」

ウルスラ&キキ「(笑い声)」

 

高山さんは、このとき声優になって3年目。にも関わらず、思春期のキキと男勝りのウルスラ。声色を演じ分けています。

 

高山さんが一人二役をすることになった経緯については、『ジブリの教科書5 魔女の宅急便』(文春文庫)に書かれています。(p163~p170を参照)

黒猫のジジがしゃべれなくなった理由とは?

ジジと会話ができなくなるラストは、原作とは異なる部分。原作の場合は話せなくなるのは一時的で、また会話を交わせるようになります。

 

 

『魔女の宅急便』のテーマとは? 伝えたいこととは?

宮崎駿さんは『魔女の宅急便』をつくることになった動機を、このように語っています(『アニメージュ』1998年12月号 徳間書店)。

 

「キキは特殊な女の子ではなくて、自分たちの周囲にいる、たとえば、アニメーターとか少女マンガ家になろと、田舎から出てきた少女たちなんじゃないか」

「(この映画が描いているのは)大都会に出て来て、ひとり住まいを始めたとき、だれもが味わうこと。小学生や中学生の女の子も、いつかは出会うであろう出来事です。

それを描いて、今、社会に出て、キャリアウーマンになりかかっている人も含めて、共感を持ってくれる映画にならなきゃいけない」

 

キキのお母さんは少し魔法が使えました。キキのおばあちゃんは大魔女でした。でも、キキは空が飛べるだけ。

流行りの職業にあこがれて東京に出てくる女の子にそっくりだと思って、『魔女の宅急便』をつくっている、と語っています(『アニメージュ』1989年2月号 徳間書店)。

 

どこにでもいる女の子の、“自立”と“成長”。

 

 

批評家の大塚 英志(おおつか えいじ)さんは、具体的にキキの自立を示している映像表現がある、と指摘なさっています(『ジブリの教科書5 魔女の宅急便』)。

 

スヌーピーやチャーリー・ブラウンが出てくる漫画『ピーナッツ』に、ライナスという男の子が登場します。

ライナスはいつも青い毛布を持ち歩いており、取り上げられるとパニックになります。毛布(ブランケット)やぬいぐるみなど、お気に入りのアイテムがないと落ち着かなくなることから、彼のような症状を「ブランケット症候群」と呼びます。

 

大塚さんによれば、『魔女の宅急便』にも、キキにとっての“ライナスの毛布”(=幼児性の象徴)が出てくるとのこと。キキが旅立つときにもらった3つのアイテムです。

  • お父さんのラジオ
  • お母さんのホウキ
  • 黒猫のジジ

くしくもラジオは故障し、お母さんのホウキは使えなくなり、ジジはしゃべらなくなります。つまり、この3つのアイテムとの別れは、キキの自立を描いているという解釈です。