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『カイジ ファイナルゲーム』預金封鎖とは?日本の財政より脚本が破綻している?

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『カイジ ファイナルゲーム』預金封鎖とは?日本の財政より脚本が破綻している?

人気マンガ『賭博黙示録カイジ』の実写映画・第3弾となる『カイジ ファイナルゲーム』が、地上波テレビ放送されます。

 

興行収入20億円越えの大ヒット!!  この記事では、そんな実写映画『カイジ ファイナルゲーム』のあらすじとキャストをご紹介しま・・・

 

ちょ、待てよ!!

 なんだ、この脚本は・・・あらすじ紹介どころじゃない。いくらなんでも、 ひどすぎませんか!?

 

映画『カイジ ファイナルゲーム』地上波テレビ放送はいつ?

 映画『カイジ ファイナルゲーム』の地上波放送は、2021年2月12日。日本テレビ系列「金曜ロードSHOW!」にて。

 

よる9:00 ~ 10:54

 

映画『カイジ ファイナルゲーム』概要
公開年 2020年
配給 東宝
上映時間 128分(2時間8分)
興行収入 20億8000万円
監督 佐藤東弥
脚本 福本伸行、徳永友一
出演 藤原竜也、福士蒼汰、吉田鋼太郎

 『カイジ ファイナルゲーム』は、2020年に公開されました。人気マンガ『賭博黙示録カイジ』の実写映画で、シリーズ第3弾となります。 

  • 1作目・・・『カイジ 人生逆転ゲーム』(2009年)
  • 2作目・・・『カイジ2 人生奪回ゲーム』(2011年)
  • 3作目・・・『カイジ ファイナルゲーム』(2020年)

 

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『カイジ ファイナルゲーム』あらすじ【ネタバレなし】

“預金封鎖”で、国民の資産と国の借金を相殺せよ・・・!?

 東京オリンピックが終わったあと、急激に景気が悪化した日本。国の借金は1,500兆円を越え、物価は上昇。お金も持つ者と持たざる者の格差は、ますます広がっていました。

 

派遣会社で働くカイジ(藤原竜也)も、貧しさに苦しむ一人でした。カイジの雇い主である派遣会社社長・黒崎(吉田鋼太郎)は、社員たちを“クズ”扱いし、給料の7割をさく取していたのです。

 国の借金は膨らむいっぽうで、政府も策を見出せずにいます。そんな中、首相首席補佐官の高倉(福士蒼汰)は、貯金や保険などの国民の個人資産と、国や地方が抱える負債が同額であることに目をつけます。

 

国民の資産(貯金・保険など) = 国の借金

 

そこで高倉は、銀行預金の引き出しに制限をかける「預金封鎖」という政策を打ち出します。貯金を下ろせないようにして国民の資産を奪い、それを国の借金の返済にあてようというのです。

 さらに高倉は、これまでの通貨【円】に代わる新しい紙幣【帝円】をつくり、一部のエリート層だけに新紙幣を渡そうと考えていました。

野心のカイジ&強運の加奈子、究極のギャンブル“最後の審判”に挑む!

 そのころ。

 

ひと晩で大金を稼ぐことができるゲーム「バベルの塔」に挑んだカイジは、見事に勝利。人生を変えることができるという、“魔法のキー”を入手します。

 

カイジは同じく“魔法のキー”を手に入れた加奈子(関水渚)とともに、不動産王の東郷(伊武雅刀)の屋敷に連れていかれます。

 東郷は、「預金封鎖」法案の成立をくい止めようとしていました。そこで、政治家たちを味方につけるべく、賄賂(わいろ)を渡そうと考えます。

 

東郷はその資金を調達するため、カイジと加奈子の2人に、【帝愛ランド】で行われているギャンブルに参加させるのでした・・・

『カイジ ファイナルゲーム』登場人物とキャスト

伊藤 カイジ・・・藤原 竜也(ふじわら たつや) 

主人公。友人の借金の保証人になったことから、肩代わりするハメに。一発逆転で大金を得るため、帝愛グループの主催するゲームに参加する。ダメ人間だが、勝負強さと観察力を持ち合わせている。 

高倉 浩介・・・福士 蒼汰(ふくし そうた) 

首相首席補佐官。影の総理ともよばれる。「預金封鎖」政策をすすめ、資産家やエリートたちを味方につけようとする。接待ゲーム<ゴールドじゃんけん>が得意。

桐野 加奈子・・・関水 渚(せきみず なぎさ)

大阪で行われた「若者救済イベント」の勝者。強運の持ち主。東郷の導きにより、カイジと行動を共にすることになる。 

黒崎 義裕(くろさき よしひろ)・・・吉田 鋼太郎(よしだ こうたろう) 

帝愛グループの最高幹部の一人。カイジが働く派遣会社の社長。わずか数年で業界のトップに立ち、“派遣王”と呼ばれる。

東郷 滋(とうごう しげる)・・・伊武 雅刀(いぶ まさとう)

“不動産王”。財を築くことばかり考えていたが、余命わずかと知ってからは変わった。若者救済イベントとして、<バベルの塔>というゲームを開催する。 

廣瀬 湊(ひろせ みなと)・・・新田 真剣祐(あらた まっけんゆう)

東郷の秘書。東郷のプライベートを知る人物。

坂崎 孝太郎・・・生瀬 勝久(なませ かつひさ)

「沼」でカイジと知り合ったおっちゃん。興奮すると関西弁になる。 

 

 

預金封鎖とは?戦後日本とキプロスでの実例をわかりやすく解説

  「預金封鎖」とは・・・ある日突然、政府が銀行口座を凍結し、貯金や不動産など私たちの財産を没収する行為です。

とんでもない政策に聞こえますが、

1946年には、戦後の日本で

1990年にはブラジルで

2001年にはアルゼンチンで

2013年にはキプロスで

など、各国で行なわれています。

 

ここでは、1946年の戦後日本、2013年のキプロスの2例をご紹介します。

戦後日本の預金封鎖とは? もうひとつの狙いは財産税?

カイジファイナルゲーム、戦後日本の預金封鎖とは?

戦時中。

 日本は戦費を調達するために国債を乱発し、財政が悪化しました(⇦ 借金まみれになった、ってコト)。

 

政府は国の借金を返し、急激なインフレ(物価の上昇)を抑えるため、1946年に「預金封鎖」を実行します。

① まず、預金を封鎖して、銀行からお金を引き出せなくします。

② 次に、旧円から新円に切り替えます。これによって、自宅でタンス預金している人や、封鎖前にお金を引き出した人の脱税を防ぎます。

③ さらに、新円への切り替えに期限を設定して、旧円が市場へ流れるのを止めます。お金が出回らなければ、物を高くしても売れません。インフレを防げます。

 

「預金封鎖」の目的は、

  • 財政を建て直す
  • 貨幣の流通量を制限し、インフレ(物価の急上昇)を防ぐ

などがあります。 これに加え、戦後日本の預金封鎖は

  • 国民の財産がどれだけあるかを調べて、その資産に応じて財産税を課す

という、もう一つの狙いがありました。

 

政府は、預金封鎖をしているあいだに資産を確認して、

お金を持ってない人からは25%、

お金を持っている人からは最大で90%

の税金を課しました。

 つまり、資産家ほど財産を没収されたことになります。

キプロスの預金封鎖とは?富裕層の財産を没収?

 キプロスは地中海にある島国のひとつ。所得税が低く、これに目をつけたロシアの富裕層が、こぞってキプロスの銀行にお金を預けました。

 キプロスの銀行は、ギリシャの国債を使って資金を運用していました。ところが、ギリシャで経済危機が起こり、国債が暴落!キプロスの銀行は、大きな損失を出してしまいます。

 

「タスケテ~」

 キプロスはEUに金融支援を求めますが、EUは条件を出します。

 「まずは、自分たちでも損失の穴埋めしなさいよ」

 

そこでキプロス政府は銀行口座を凍結し、「預金封鎖」を行ないました。国内の1位と2位の銀行に預けている富裕層の財産を没収したのです。

  • 10万ユーロ(約1,230万円)以下・・・全額保護
  • 10万ユーロ(約1,230万円)以上・・・没収

 

国の借金を返すため、国民を税金逃れできない状況にしておき、お金持ちからたくさん税金を徴収する・・・これが「預金封鎖」です。つまり、富裕層にとって厳しい政策となります。

『カイジ ファイナルゲーム』日本の財政より、脚本が破綻している?

「預金封鎖」は富裕層にこそ、厳しい政策。このことを踏まえて『カイジ ファイナルゲーム』のストーリーラインをまとめると、次のようになります。

 

破綻寸前の日本を救いたい資産家の老人(=東郷)は、
富裕層から財産を没収する政策(=「預金封鎖」)をくい止めるため、
政治家に賄賂を贈ろうとする。

その資金を調達するため、
かけ金が何十億もかかるギャンブルに、カイジや加奈子は参加することになる。 

ものすごく飲みこみづらいストーリーです。

 

貧しいカイジや加奈子が、富裕層にとって厳しい政策を止めようとする

 という構図。

 

日本を救うために賄賂を贈る

 という倫理観。

 

預金封鎖を事前に知ったエリート層が“勝ち逃げ”できる、という理屈もわかりません。「預金封鎖」は格差をリセットする改革です。従来のシステムで成功した富裕層の優位性が失われ、いまは貧しい人にもビジネスチャンスが拡がることになります。

 

 

また、“派遣王”の黒崎は、政府が預金封鎖を準備していることを知っています。彼は、【帝愛グループ】の最高幹部という設定。【帝愛グループ】はこれまで、「貧しくなったのは自己責任!」と主張してきた企業です。いわば弱者を切り捨てる自由放任主義

 

その帝愛の黒崎が、みんなから(金持ちからも庶民からも)お金を奪って国の借金を帳消しにする、という社会主義的な政策を後押しするのは奇妙です。預金封鎖はインフレを防ぐ政策なので、弱者を救うことになります。思想が真逆(⇔)なのです。

 

かなりのレベルで、脚本が破綻しています。

 『カイジ ファイナルゲーム』の脚本は、漫画の原作者・福本伸行 氏。漫画にはない、映画オリジナルのストーリーとなっています。

共同脚本という形で、徳永友一 氏も参加しています。

(⇦ 徳永 氏は、ドラマ『ルパンの娘』や映画『翔んで埼玉』の脚本家)

 

クセのあるキャラクターが多数登場し、人間の弱みや心理をついたゲームの緊迫感。 原作マンガはあんなに面白かったのに、なぜ・・・?

 

ひとつは、福本氏にとって本作が初のオリジナル脚本だということ。毎週のように山場がくる連載マンガと、三幕構成でつくる映画の脚本は根本的に違います。

(⇦ 「三幕構成」とは、①設定、②衝突、③解決を、1:2:1の比率で描くこと)

 

もうひとつは、国家や金融システムが絡んでくるスケールの大きな話なのに、プロが監修した形跡が見られないこと。

 政治や金融は、かなり専門知識が必要な分野です。この分野に精通したアドバイザーをつけるなり、金融に詳しい脚本家にリライトさせるなり・・・福本氏をサポートする体制を整えるのも、本来はプロデューサーの役割だと思うのですが・・・