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ゲリラ豪雨は正式名称ではない?気象庁が使わない言葉って本当?ゲリラ豪雨が発生するメカニズムとは?

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ゲリラ豪雨の定義とは?原因と仕組み、雨量を解説

近年、夏になると、都市型の大雨が降るようになり、テレビや新聞で「ゲリラ豪雨」という表現が使われるようになってきました。

 「ゲリラ豪雨」には雨量や雨の強さなどに、明確な定義があるのでしょうか? また、気象庁が使わない言葉というのは、本当でしょうか?

ゲリラ豪雨は正式名称ではない?気象庁が使わない言葉って本当?

新聞やテレビでは、突発的で局地的に激しい雨や落雷をもたらす雨を「ゲリラ豪雨」と表現することがあります。

 

ところが、気象庁の天気予報では、「ゲリラ豪雨」という用語は使いません。気象用語には、「ゲリラ豪雨」という言葉はないのです。近い言葉を探すなら、「局地的大雨「集中豪雨」などと言い換えることができます。

“ゲリラ豪雨”に近い気象用語
用語 定義 備考
局地的大雨 急に強く降り、数十分の短時間に狭い範囲に数十㎜程度の雨量をもたらす雨。 単独の積乱雲が発達することによって起きる。大雨や洪水の警報が発表されなくても、急な強い雨によって河川が短時間で増水することがある。
集中豪雨 同じような場所で数時間にわたり強く降り、100㎜から数百㎜の雨量をもたらす雨。 積乱雲が同じ場所で次々と発生・発達することで起き、重大な土砂災害や家屋浸水などを引き起こす

 

気象予報会社『ウェザーニューズ』の「ゲリラ豪雨」の定義とは?

定義があいまいな“ゲリラ豪雨”

民間の気象情報会社『ウェザーニューズ』では、全世界の公的機関のデータを集め、気象庁とは違った独自の天気予報を行なっています。

 

『ウェザーニューズ』では、「ゲリラ豪雨」を次のように定義しています。

“ゲリラ豪雨”発生回数の求め方

 “ゲリラ豪雨”をもたらす雨雲・雷雲は、予測可能な前線による雨雲とは異なり、“突発的”かつ“局地的”に発達するのが特徴です。

 

また、限られた数しか設置されていないアメダスでは、すべての降雨を正確に観測することは困難です。

 

そこで当社では、スマホアプリ「ウェザーニューズタッチ」の全国ユーザーから届く降雨報告において、“ザーザー”以上の強い雨(=5段階中の2番目以上)が報告され、かつ過去1時間に雨の報告が2割以下の場合を“ゲリラ豪雨”とし、10㎞四方ごとにカウントしています。

 

「ウエザーニューズ」だけでなく新聞やテレビでは、“局地的に短時間で降り、予測困難な大雨”のことをゲリラ豪雨と呼んでいます。ただし、あくまで便宜上の呼び方であって、雨量や時間に明確な定義はないのです

豪雨となる仕組みとは? ゲリラ豪雨が発生するメカニズムとは?

豪雨の原因

気温が高く日差しが強い状態が続くと、地面が熱せられ、地表近くの空気があたためられます。温かい空気は軽いため、上昇しやすい性質をもっています。

 

温かく湿った空気は、大量に水蒸気を含みながら上昇。空気の上昇速度が通常より早い(毎秒・数m~十数m)と、積乱雲に変化します。高度が上がれば上がるほど、気温は低くなります。そのため、積乱雲は上空で冷やされます。すると、雲の中に水滴がたくさん発生します。

 

この状態であたたかく湿った空気が吹きこむと、雲の中に大量の水が蓄えられます。積乱雲が水滴を支えきれなくなると、一気に雨となって降り注ぎます。これが豪雨です。 

ヒートアイランドも原因?ゲリラ豪雨発生のメカニズム

豪雨が短期間で起こる現象が、いわゆる“ゲリラ豪雨”です。大気が不安定になり、雷をともなった激しい雨が降ると、強烈なゲリラ豪雨をもたらしやすくなります。

 

雷雨(らいう)の発生には、おもに2つの条件が関係します。

  1. 大気の層の下方が湿っていて、対流不安定の状態であること
  2. 空気層を上空に持ち上げる強力な力がはたらくこと

 

「対流不安定」とは、上空が乾燥していて、地上の空気が湿っているときに陥りやすい現象です。ポイントは、「乾燥した空気」「湿った空気」とでは、上昇したときに気温の下がるスピードが異なる、ということ。

 

たとえば、地表近くに、A層(上方の空気:乾燥している)とB層(下方の空気:湿っている)という空気の層があると仮定します。湿った空気が流れこむと、上昇気流が発生し、A層・B層ともにごっそり上方へと持ち上がってゆきます⤴ 

 

乾燥していたA層は急激に気温が下がります(↘)が、湿っていたB層はそこまで気温は下がりません(⤵)。

ゲリラ豪雨発生の仕組みと対流不安定

 

これが上空で寒暖の差を生み、大気が不安定な状態となります。雲の中に蓄えられていた氷のカケラが、ぶつかりやすくなります。ぶつかると、電気が発生します。これが、雷雨が発生するメカニズムです。

 

また、東京都などの人口密集地帯では、アスファルトや人工排熱により、地表に熱がこもりやすくなります。このため、空気の上層と下層で気温差が大きくなり、空気が「対流」しやすくなります。

(⇦ 対流しやすい=上向きのチカラが働く)

 

ゲリラ雷雨と対流不安定

 

空気の層が上空に持ち上げられると、上下の寒暖の差により大気が不安定になり、カミナリ雲が起こるのです。強い上昇気流によって水平方向に巨大な積乱雲(=スーパーセル)ができると、ゲリラ豪雨が発生しやすくなります。

まとめ

地面が熱せられると周りの空気が温められ、上昇気流が発生し、その上に積乱雲がつくられます。上空の大気の状態によって、雨の強さが変わってきます。

 

パターン1:湿った空気が入りこむ

⇨ 積乱雲の中に、支えきれない程の水蒸気

豪雨


パターン2:空気の層(上)と空気の層(下)に温度差がある状態で、強い上昇気流が起こる

⇨ 上空でさらに温度差ができる

⇨ 「対流不安定」になり、カミナリ雲が発生しやすくなる

⇨ 短期間で強く降るゲリラ豪雨