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【故障?】エアコンの暖房がすぐにつかないのは、どうして?

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故障?エアコンの暖房がすぐにつかないのは、どうして?

マスターピースさんによるイラストACからのイラスト

寒い日に、外から帰ってきてエアコンのスイッチを入れたのに、なかなか温風が出てこない。冷房は効くのに、暖房だけつかないことがあります。

 

これは故障? それとも、寒がりのわたしに対する嫌がらせ?

いやいや、違います。この記事では、エアコンの冷房・暖房のメカニズムをご紹介しながら、暖房がすぐつかない理由を説明してゆきます。

冷房は効くのに・・・エアコンの暖房がつくのが遅い理由は?

寒い日に強風が吹くと、風を冷たく感じます。

真冬に扇風機にあたると、風を冷たく感じます。

空気そのものが冷えていれば、受ける風も冷たくなるからです。

 

部屋の温度が低いときは、エアコンの室内ユニット(=エアコンの本体、風を送り出す部分)も冷えています。すぐに風を送り出してしまうと、風は冷たいまま。そこで、エアコン内部の空気を暖めてから、風を送り出すのです。

 

つまり、スイッチを入れてもすぐつかないのは、冷たい風で寒さを感じさせないための仕様ということになります。暖房の準備中なのであって、故障ではありません。

エアコンの冷房・暖房の仕組みとは? 

ものを冷やす・暖める原理

 空気中には、が含まれています。空気中の熱が多ければ部屋はあたたかく、少なければすずしく感じます。

 

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ものを冷やす原理、暖める原理とは?

 

液体は、蒸発するときに、周りからたくさんの熱を奪ってゆきます。

たとえば、夏に行なう「打ち水」。水は気体になるとき、地面の熱を吸収します。すると、熱を奪われた地面の温度は下がります。これが、ものを冷やす原理です。

 

逆に、気体から液体になるときは、持っていた熱を周りに大量に放出します。熱を受け取った周囲の空気は、温度が上がります。これが、ものを暖める原理です。

エアコンのパイプ内の『冷媒』が、熱を運ぶ

 エアコンには室内機と室外機があり、この二つはパイプでつながっています。

 

エアコンの室内機と室外機のパイプを通って、冷媒が熱を運ぶ

 

そして、パイプ内を『冷媒(れいばい)』というガスが、ぐるぐる回っています。この冷媒は常温では「気体」ですが、圧力をかけると「液体」に変化します。

 

 冷媒は、空気中の熱を運ぶ役割があります。冷房時には室内にあった熱を外まで運び、暖房時には外界から熱を取りこみ、部屋の中まで運んでくるのです。

・冷媒が 「液体から気体へ」変化⇨ 室内の熱だけを乗せて、外まで運び出す ⇨ 冷房
・冷媒が「気体から液体へ」変化 ⇨ 外から取りこんできた熱を、室内におろす ⇨ 暖房

 

室内機と室外機には、どちらにも熱交換器という部品がついています。熱交換器は、熱を乗せたり下ろしたりする、駅のようなものです。

 

暖房時にエアコン内部で起こっている現象を、電車にたとえてみると・・・

① 外界からの熱(=客)が、室外機の熱交換器(=駅1)で、冷媒(=電車)に乗る。
② 冷媒は、パイプ(=線路)を通って部屋の中へ。
③ 冷媒は、室内機の熱交換器(=駅2)で、熱(=客)を下ろす。
④ 冷媒は、次の熱を乗せるため、ふたたび室外機の熱交換器(=駅1)へ向かう。
⑤ くり返し

 

室内に、たくさんのを運んでくるので、部屋が温まってゆきます。

寒冷地では、霜取り(しもとり)運転のため、暖房がつかないことも

 暖房運転時には、室外機は屋外へ冷たい空気をはき出しています。このとき、室外機の内部にある熱交換器は、とても冷たくなっています。

すると、空気中の水蒸気が、冷えた熱交換器にくっつく現象が起こります(=結露)。凍った水蒸気が結晶となり、「霜(しも)」として熱交換機に付着すると、外界の熱をうまく取りこめなくなってしまいます。

 

その対策として、エアコンには「霜取り運転」の機能がついています。熱交換器にくっついた霜を自動で溶かしてくれるのです。「霜取り運転中」は、いったん暖房機能を停止させます。これが、すぐに暖かい風が出てこない理由です。

 

エアコンの運転ランプがゆっくり点滅しているときは、この霜取り運転中の可能性があります。約10分から15分ぐらい待つと、起動します。

 霜取り運転は、特に外気の気温が低い寒冷地でよく起こる現象です。ただ、関東でも大寒波に見舞われるようなときに、「霜取り運転」が作動することがあります。