何度聞いても、その意味を忘れてしまう言葉があります。慣用句「欲をかく」もそんな言葉のひとつ。
この記事では、「欲をかく」の意味と漢字を説明し、「欲をかくと失敗する」と似たことわざもご紹介します。
慣用句「欲をかく」の意味は? 漢字でどう書く?
慣用句の「欲をかく」は、「(ある程度の成果があるのに)欲を出す」「欲張る」という意味です。
漢字では、「かく」は「搔く」と表記します。よくあるのが、「欠く」と間違えてしまうケース。これだと、「欲がない」「無欲だ」という真逆の意味とかん違いしてしまいます。
✕ 「欲を欠く」
〇 「欲を搔く」
「搔く」という漢字は、あまりなじみがありませんが、
- 汗をかく
- いびきをかく
- 恥をかく
- べそをかく
- ほえづらをかく
などは、すべて「搔く」を使います。この「搔く」という言葉には、「(カラダや心の中に閉まっておいた方がよいものを)、表面に出してしまう」というニュアンスがあります。
「欲をかく」を英語でいうと?
- be greedy
- get greedy
「greedy」は形容詞で、「greed」(強欲、貪欲)が変化した形です。「He is greedy」で、「彼は欲張りだ、欲をかいている」という意味となります。
「欲をかくと失敗する」に似た意味のことわざは?
「欲をかく」は、「欲をかくと失敗する」という形でよく使われます。これは、「欲を出しすぎて、かえって失敗する」という意味です。
「欲をかくと失敗する」と似たような意味をもつことわざを、いくつかご紹介します。
「大欲は無欲に似たり」
「大欲は無欲に似たり」は、『徒然草』でも使われていた言葉。「欲が深い人は、欲に目がくらんで失敗しやすく、結局は無欲の人と同じ結果となる」という意味です。
「虻蜂取らず」(あぶはちとらず)
「虻蜂取らず」は、虻(あぶ)も蜂(はち)もどちらも捕まえようとして、二つとも取り逃がしてしまうこと。両方を手に入れようとして、結局は何も得られないことを意味します。
「二兎を追う者は一兎をも得ず」に近いことわざです。
「花も折らず実も取らず」
花も折れず、実も取れない ⇨ 欲張ってどちら取ろうとして、結局どちらも得られない、という意味です。