※この記事は、2024年1月に更新しました。
「本当に“いい出会い”とは、自分の将来を考えてくれる人に出会うこと」
何度みても泣けるヒューマン映画の名作『グッドウィル・ハンティング 旅立ち』が、テレビ放送されます。
この記事では、『グッドウィル・ハンティング 旅立ち』のあらすじをご紹介。
また、本作はアカデミー脚本賞を受賞しています。しかし、感動的なシナリオになったのは、脚本を書いたとされるマット・デイモンらだけの功績ではありません。その辺のトリビアについても語ってゆきます。
- ヒューマン映画『グッドウィル・ハンティング 旅立ち』テレビ放送(2024)はいつ?
- 映画『グッドウィル・ハンティング』あらすじ
- 泣けるヒューマン映画!【問題児と精神分析医のぶつかり合いに感動!真の友情に涙】
- 意外に知られてない? 『グッドウィル・ハンティング』を“泣ける”脚本にしたのは、マット・デイモンではない?
ヒューマン映画『グッドウィル・ハンティング 旅立ち』テレビ放送(2024)はいつ?
『グッドウィル・ハンティング 旅立ち』は1997年のアメリカ映画。天才的な数学の才能を持つ青年が、とある精神分析医と出会ったことで心を開いてゆく人間ドラマです。
映画『グッドウィル・ハンティング 旅立ち』 | |
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原題 | Good Will Hunting |
製作 | 1997年 |
製作国 | アメリカ |
ジャンル | 人間ドラマ |
上映時間 | 127分 |
監督 | ガス・ヴァン・サント(『エレファント』『ミルク』) |
脚本 | マット・デイモン、ベン・アフレック |
出演 | ロビン・ウィリアムズ、マット・デイモン、ベン・アフレック、ミニー・ドライヴァー、ステラン・スカルスガルド |
受賞歴 | アカデミー助演男優賞(ロビン・ウィリアムズ)、アカデミー脚本賞 |
26:45 ~ 28:30
つまり、1月14日(日)の午前2:45から。
映画『グッドウィル・ハンティング』あらすじ
アメリカでも指折りの名門校、マサチューセッツ工科大学(MIT)。
数学を教えるランボー教授(ステラン・スカルスガルド)は、すぐれた数学者に贈られるフィールズ賞の受賞者でもあります。
ランボー教授は、グラフ理論に関する難解な問題を黒板に書き、生徒に解かせます。しかし、どんな優秀な学生も、数式を解くことができません。
そんな中、いとも簡単にその難問を解く青年がいました。学生ではなく、アルバイトの清掃員として働くウィル・ハンティング(マット・デイモン)です。
ウィルは、ケンカをしては鑑別所に入れられる超・問題児でした。
ウィルに数学の才能を見出したランボー教授は、なんとかウィルを立ち直らせようとします。そこで、知り合いの心理学者たちに頼みますが、みなウィルの素行の悪さに手を焼くのでした。
ランボー教授は、学生時代の知人である精神分析医ショーン(ロビン・ウィリアムズ)に、ウィルのカウンセリングを頼みます。ショーンは最愛の妻に先立たれたばかりで、悲しみに沈んでいました。
カウンセリングを受けたウィルは、ショーンの傷口をえぐるような暴言を吐き・・・
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泣けるヒューマン映画!【問題児と精神分析医のぶつかり合いに感動!真の友情に涙】
『グッドウィル・ハンティング』はジャンルで分類するなら、「ヒューマン」「人間ドラマ」に区分されます。
「人間ドラマ」は、価値観の異なる人物たちの葛藤(=ぶつかり合い)が、特に重要となるジャンル。この作品は4つの葛藤を軸に、シナリオが構成されています。
- 心を閉ざした青年ウィルと、喪失感を抱える精神分析医ショーンの交流
- ウィルの才能を伸ばしたいランボー教授と、よりよい人生に導きたいショーン
- ウィルと、彼の悪友・チャッキーの爽やかな友情
- ウィルと、ハーバードの女子学生・スカイラーの恋愛
メインとなるのは、問題児ウィルと精神分析医ショーンの葛藤です。
カウンセリングを通して、ときに相手を罵倒し、ときに相手をいたわる2人のぶつかり合いは、感動を呼びます。
また、“指導者”としての価値観の違いも描かれます。
ランボー教授は、才能あるウィルを数学者として育てたいと考えます。しかし、ショーンは、トラウマを抱えたウィルがどうしたら幸せになれるか、を大事にします。
劇中、ランボー教授が類まれな才能を持つウィルに嫉妬する場面もあります。脇役が単なるコマではなく、“血肉の通った人間”として描かれているのがスゴい!
4番手、5番手にあたる脇役の“心のひだ”にまで気を配った人間ドラマ。とても、新進気鋭の若手が書いたシナリオとは思えませんが・・・
意外に知られてない? 『グッドウィル・ハンティング』を“泣ける”脚本にしたのは、マット・デイモンではない?
『グッドウィル・ハンティング 旅立ち』の大もとの脚本を書いたのは、人気俳優でもあるマット・デイモンです。
マット・デイモンと彼の友人であるベン・アフレックは、なんと、ハーバード大学在学中にこの脚本を書きました。
第70回(1998年に発表)アカデミー賞で、2人は本作で脚本賞を受賞しています。
このことから、
「マット・デイモン、若い時からすげー」
なんて、思う人もいるかもしれません。
でも、実はちょっと違います。
マット・デイモンたちが最初に書き上げた脚本は、クライマックスでFBIに追いかけられる逃走劇になっていました。完成版からは、かけ離れた内容です。
『グッドウィル・ハンティング 旅立ち』のシナリオを今の形に直したのは、ウィリアム・ゴールドマンという大御所の脚本家です。
映画の出演者やスタッフ・興行成績がわかる、「IMDb」というデータベースサイトがあります。このサイトで「William Goldman」で調べると、
彼の関与した作品の中に、はっきりと『 Good Will Hunting』と記載されています。
ハリウッド映画というのは、クレジットされる脚本家だけがシナリオを執筆するわけではありません。
リライト(rewrite)といって、脚本の直しをする人たちがいます。
さらに、スクリプト・ドクター(script doctor)といって、観客に受け入れられやすいように、あらけずりの脚本を修正する人もいます。
オリジナル脚本の場合、脚本の50%を越える部分に関わってないと、エンドロールにクレジットされません。アカデミーの受賞資格もないんです。
しかし・・・
アカデミー賞でマット・デイモンとベン・アフレックが脚本賞を獲ったあと、ウィリアム・ゴールドマンは思わず、
「あれは、俺が手直しした脚本なんだ!」
と、漏らしたとか。
ウィリアム・ゴールドマンは、劇作家&脚本家。映画史に残るような名作をいくつも手掛けています。
- 『明日に向かって撃て!』(1969)
- 『大統領の陰謀』(1976)
- 『マラソンマン』(1976)
- 『プリンセス・ブライド・ストーリー』(1987)
- 『ミザリー』(1990)
有名なのは『明日に向かって撃て!』ですが、脚本に興味がある人には『プリンセス・ブライド・ストーリー』を見てほしい。
「祖父が孫娘におとぎ話を語る」という設定になっているのですが、とにかく構成がすごいから。
ウィリアム・ゴールドマンが脚本を書いた『マラソンマン』は、2021年にBSプレミアムで放送されました。