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奇想天外!テリー・ギリアム監督おすすめ映画8選と作風

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 2020年の1月、映画『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』が公開されます。いったんは中止になったプロジェクトを、監督の執念で公開にこぎつけた作品です。

 

この記事では、そんなこだわり派の監督テリー・ギリアムのおすすめ作品をご紹介します。

 

 

 映画界の異端児? テリー・ギリアム監督の作風は?

 

テリー・ギリアム作品の特徴は、何といってもイマジネーション豊かなビジュアルです。退廃した世界観(『未来世紀ブラジル』)、絵本のような夢あふれる映像(『Dr.パルナサスの鏡』)、悪趣味なイメージ(『ローズ・イン・タイドランド』)などなど。

 

また、古典文学を題材にしながら、現代に投げかける鋭いメッセージも特徴的です。他人に迎合する民衆への皮肉(『モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル』)、監視社会の恐怖(『未来世紀ブラジル』)、動物愛護(『12モンキーズ』)など。

 

ギリアム映画には、タイムトラベル、夢、願望と言った要素がよく出てきます。このため、ストーリーは難解であることも多く、ややマニア向けとなります。爆笑問題の太田光さんは、監督本人に対して、「あなたの作風は一般ウケしない」と語ったこともあります(笑)。

 

 

『モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル』(1975年)

 

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中世のイングランド。英国の国王・アーサーとその従者パッツィは、忠誠心と強さを兼ね備えた騎士たち(=円卓の騎士)を集めるため、国中をまわっていました。

 

ガラハッド卿、ラインハルト、ロビン、エイガニデテコナイ(映画に出てこない)卿たちを味方につけたアーサー達は、神のお告げを聞きます。

 

「聖杯をみつけろ!」

 

アーサーと円卓の騎士たちは、手分けをして聖杯を探しますが・・・

 

 

ギリアムがコメディ集団『モンティ・パイソン』のメンバーと撮った、コメディ映画。イギリスに伝わる中世の騎士道物語を、ナンセンスンな笑いと共に映像化しています。

 

『バンデッドQ』(1981年)

 

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 少年ケヴィンのいる子供部屋のクローゼットから、馬に乗った騎士が突然とび出してきます。そして、壁の中に消えてゆきます。ケヴィンがクローゼットや壁を調べても、元通り。

 

すると、次の日の晩、今度は6人の小人があらわれます。彼らは、時空を自由に行き来できる強盗団だ、と語ります。実は、小人たちは万物の創造主である神から地図を盗み出しました。地図には、時空の穴であるタイムホールの場所が記載されています。

 

その地図を狙って、小人を追いかける悪魔がいました。ケヴィンは悪魔から逃れるため、小人と共にさまざまな時代を旅することになり・・・

 

 

日本未公開。スペイン侵攻中のナポレオンと出会ったり、沈没寸前のタイタニック号に遭遇したり・・・タイムマシンで時空を旅する『ドラえもん』のようなファンタジー映画です。

 

 

『未来世紀ブラジル』(1985年)

 

ひとびとの思想までが監視されている、架空の国。各家庭が「ダクト」と呼ばれるパイプで結ばれていて、非法行為をした者の家には、この「ダクト」を通って役人がやってきます。

 

あるとき。役人のひとりがミスを犯し、テロ容疑で無実の人間を誤認逮捕をしてしまいます。【情報局】に勤めるサムは、このミスに対する処理に追われていました。

 

そんな折。人違いで逮捕者が出たことに、トラック運転手のジルという女が抗議にやってきます。サムは、驚きます。サムの夢によく出てくる美女に、ジルが似ていたからです。サムは、ジルの正体を知るため、部署替えを申し出ますが・・・

 

 

テリー・ギリアム監督の代表作といえば、コレ。戦国の甲冑、不気味な福笑いのお面などが登場するメチャクチャな世界。さらに、サムが見る夢もメチャクチャ。

 

統一感のない世界観。とりとめのないストーリー展開。しかし、支離滅裂な要素も、最後まで観てゆくと・・・

 

 

 

 『フィッシャー・キング』(1991年)

 

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 ラジオDJのジャックは、過激なトークが持ち味。ある日、リスナーから人生度相談を受けたジャックは、冗談で過激な解決策を示します。

 

ところが、真に受けたリスナーは大きな事件を起こしてしまいます。ジャックは職を失い、すっかり落ちぶれてしまいます。

 

ある日のこと。浮浪者狩りの若者グループに襲われたジャックは、ホームレスのパリーに命を救われます。

 

パリーは、

「僕は1年前から妖精が見えるようになった。それから、神のために働いているんだ」

と、語ります。

 

パリーのことをうさん臭いやつだと思っていたジャックですが、次第に彼に惹かれてゆきます。そして、自分自身の罪をどうやったら償えるか、模索してゆくのでした・・・

 

 

イギリスの民間伝承、『アーサー王物語』の1エピソード「漁夫王(いさなとりのおう)」を、現代に見立てて映画化。ギリアム作品の中でも、わかり易いヒューマン・ドラマとなっています。

 

『12モンキーズ』(1995年)

 

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2035年。人類の99%はウィルスによって死滅、わずかに生き残った者たちは地下で生活していました。

 

囚人のジェームズは任務を与えられ、1996年の過去にタイムスリップします。目的は、ウィルスを散布した疑いのある団体「12モンキーズ」の秘密を探ること、そしてワクチンを作るために純粋ウィルスを入手することでした。

 

ところが、タイムマシンの故障により、ジェームズがたどり着いたのは1990年でした。ジェームズは捕らえられ、精神病院に入れられてしまいます。病院で彼が出会ったのが、患者のジェフリーと精神科医のキャサリンでした。

 

その後、ジェームズはタイムマシンで1996年にやってきます。

 

その世界では、ジェフリーが「12モンキーズ」のリーダーとなっていて、ウィルスを散布しようとしています。しかも、ジェフフリーにきっかけを与えたのが、6年前のジェームズとの会話だったらしく・・・

 

 

誰が人類を滅ぼそうとしているのか?

 

タイムパラドックスとサスペンスの要素を絡めた、SF映画。謎が謎を呼ぶラストの解釈をめぐって、ファンのあいだで論争を呼んだ問題作です。

 

 

『バロン』(1988年)

 

18世紀の後半。トルコ軍から猛攻を受けていたドイツは、街中にも絶望的な空気が流れていました。そんな中、ボロボロの劇場では、ヘンリー・ソルト一座による劇「ミュンヒハウゼン男爵の冒険」が上演されています。

 

すると上演中、ひとりの老人が現われ、「自分こそがミュンヒハウゼン男爵だ」と主張します。

 

ミュンヒハウゼン老人は、4人の家来とともにトルコの宮廷を訪れ、賭けをした、と語ります。トルコの皇帝のために1時間で高級ワインを取り寄せ、もし間に合わなかったら自分の首をさし出す約束をした、というのです。

 

ミュンヒハウゼン老人は賭けに勝ったものの、ほうびを受け取りすぎて、皇帝を激怒させてしまいます。いまトルコ軍に攻撃されている原因は、自分にある、というのです。

 

老人の語る奇想天外な物語に、劇団員の少女・サリーは夢中になります。サリーは、話の続きを聞こうと、老人を追いかけますが・・・

 

 

 ドイツに伝わる民話「ミュンヒハウゼン男爵の冒険」を映像化。ほら吹き男爵の想像をはるかに越えるようなホラ話に、愉快な気分にさせられます。当時最新のSFXの技術を駆使した映像も楽しい、ファンタジー映画です。

 

 

 

『Dr.パルナサスの鏡』(2009年)

 

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 ロンドンの見世物小屋で、かわった出し物をする一座がいました。1000年生きたというパルナサス博士、小人症のパーシー、若いアントン、博士の娘ヴァレンティーナの4人です。

 

パルナサス博士は、“悪魔”と賭けをしていました。どちらが客の心をつかむか、勝負していたのです。博士は、不思議な鏡を客に見せ、人々が心の中に隠し持っている欲望の世界にいざなっていました。

 

あるとき。一座は、橋の上で自殺しようとしているトニーという男を助けます。一座に加わったトニーは、新しい出し物をするように提案しますが・・・

 

 

鏡を見た客によって、見える世界も変わってしまう、という抜群のアイディアが光ります。撮影途中でトニー役のヒース・レジャーがなくなるという不運に見舞われますが、ジョニー・デップ、ジュード・ロウ、コリン・ファレルの3人が彼の代役をつとめ、何とか完成にこぎつけます。

 

 

『ロスト・イン・ラ・マンチャ』(2002年)

 

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テリーギリアムは、スペインの騎士道物語『ドン・キホーテ』にあこがれ、何度も映画化を試みています。

 

ギリアムが1991年ごろ取り組んだ最初の企画では、ドン・キホーテ役にジャン・ロシュフォール、現代から中世に迷いこみサンチョに間違われるトビー役にジョニー・デップ、トビーが恋する女性にヴァネッサ・パラディで、撮影が準備されていました。

 

ところが、ジャン・ロシュフォールが腰を痛めたり、ヴァネッサ・パラディの契約がなかなか交わされなかったり、撮影前からトラブルが多発します。

 

撮影開始後も問題は続出します。助監督がリハーサルを行なってなかったり、撮影現場の近くを、NATOの爆撃機が飛び回って音がうるさかったり・・・

 

ついには映画製作そのものに終止符が打たれ・・・

 

 

 ギリアムの最初のドン・キホーテ企画、『ドン・キホーテを殺した男』プロジェクトが失敗に終わるようすを描いたドキュメンタリー。限られた予算の中で大がかりなファンタジー映画を撮ることの大変さがわかります。

 

本作の中でも語られていますが、ギリアム監督は夢想家で理想主義者。他のスタッフに見えていないビジョンが見えています。その意味で、ギリアム自身がドン・キホーテにそっくりです。

 

それでもギリアムは何度もドン・キホーテの映像化に挑み、ついに公開へとこぎつけたのです。