「媒体を持たない巨大マシン。それは生命だ」
人格を持つロボットに、惑星間を移動する光速宇宙船。そして、哲学的な問いかけ。
後のSF映画に多大な影響を与えた名作『禁断の惑星』が、BSでテレビ放送されます。
この記事では、SF映画『禁断の惑星』のあらすじをご紹介。また、物語のカギを握る“イドの怪物”について、ネタバレにならない範囲で解説します。
映画『禁断の惑星』BSでのテレビ放送はいつ?
『禁断の惑星』は1956年のアメリカ映画。
惑星アルテアへ向かった宇宙船の乗組員たちが、得体の知れない巨大な怪物に襲われるというSFです。
映画『禁断の惑星』 | |
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原題 | Forbidden Planet |
製作 | 1956年 |
製作国 | アメリカ |
ジャンル | SF |
上映時間 | 98分 |
監督 | フレッド・M・ウィルコックス(『名犬ラッシー』) |
原作 | シリル・ヒューム(『キリマンジャロの決斗』) |
出演 | ウォルター・ピジョン、アン・フランシス、レスリー・ニールセン |
映画『禁断の惑星』のテレビ放送は、2022年1月18日(火)。NHKのBSプレミアムの「BSシネマ」にて。
13:00 ~ 14:39
字幕スーパーでの放送となります。
SF映画の金字塔!『禁断の惑星』あらすじ
他の惑星への移住があたりまえとなった、2200年代。
アダムス船長(レスリー・ニールセン)ひきいる宇宙船C-57-Dの乗組員たちは、未知の惑星・アルテア4に着陸します。
アルテア4には地球から移民団が向かいましたが、20年前に消息を絶っていました。
生存者は、モービアス博士(ウォルター・ピジョン)とその娘・アルティラ(アン・フランシス)だけ。また、博士が作ったロボット、“ロビー”も一緒に暮らしています。
モービアス博士たちは、先住民族・クレル人が遺した高度な発明品によって、おだやかな生活を送っていました。
たとえば、数十キロ先まで移動できるシャトル・カー。通信のための伝送モニター。知能を倍にする「IQ増幅器」。
地下には、巨大なエネルギー生成設備まであります。
▲クリックすると動画が読み込まれます。
なぜ、人類を圧倒するほどの文明を持ちながら、クレル人は絶滅したのか?
アダムス船長が疑問を持ちはじめると、モービアス博士は警告します。
「一刻も早くこの星を離れるんだ。さもないと、君たちの宇宙船も“怪物”に襲われるぞ!」
やがて、姿の見えない巨大な「イドの怪物」に、ひとり、またひとりと、乗組員たちが命を奪われて・・・
フロイト心理学からの引用?“イドの怪物”とは?
宇宙船C-57-Dの乗組員たちを襲う、透明人間のようなバケモノ「イドの怪物」。
モービアス博士は、
「イドとは、古代惑星語。潜在意識の基本原理をあらわす言葉だ」
「潜在意識の怪物」
と、説明しています。
もともと、イド(id)という言葉は、フロイトが提唱した精神分析の用語で、エス(es)とも呼びます。
精神分析の世界では、
「人間は生まれたときはイド(エス)だけだが、イドの一部が外界と接し、“自我”となる」
という定義がありますので、イド=人間が生まれながらにして持っている本能・衝動を指します。
映画『禁断の惑星』では、イドの中でも特に“憎しみ”に焦点をあて、
本能的な憎しみは、高度な科学文明をもあっという間に滅ぼしてしまう
というメッセージをこめています。
劇中、「嫉妬」や「他人への悪口」が憎しみを増幅する場面も描かれ、ストーリーに深みがあります。とても70年も前に作られたものとは思えない!!
『禁断の惑星』のテレビ放送を見逃してしまった場合は、Amazonプライムビデオでの視聴がおすすめ。DVDよりびっくりするほど画質がよくて、特撮も楽しめます。