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『危険な情事』あらすじ&考察!“ストーカー”と化したメンヘラ女子が怖すぎる!

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『危険な情事』あらすじ&考察!“ストーカー”と化したメンヘラ女子が怖すぎる!

「責任に目覚めるまで、私は(ストーカー行為を)やるわよ」

 

一夜の浮気のつもりが、家庭崩壊の危機に!

妻子もちの弁護士が、サイコパスな女性に付きまとわれるスリラー映画『危険な情事』がテレビ放送されます。この記事では、映画『危険な情事』のあらすじと見どころをご紹介。

また、映画ファンを震え上がらるほどの衝撃作となったシナリオの巧みさを考察します。

映画『危険な情事』の地上波テレビ放送(2023)はいつ?原題の意味は?

 『危険な情事』は1987年のアメリカ映画。

女性編集者と“一夜の関係”をもった弁護士が、相手女性から執拗に付きまとわれるスリラーです。

映画『危険な情事』
原題 Fatal Attraction
公開 1987年
製作国 アメリカ
ジャンル スリラー
上映時間 119分
監督 エイドリアン・ライン(『ナインハーフ』)
出演 マイケル・ダグラス、グレン・クローズ
受賞歴 アカデミー主演女優賞ノミネート、助演女優賞ノミネート

原題の【 Fatal Attraction 】をそのまま訳すと、“致命的な偏愛”という意味になります。邦題は、原題の意図をくみ取ったタイトルを言えますね。

映画『危険な情事』のテレビ放送は、2023年11月4日()の深夜。テレビ東京の「サタ☆シネ」にて。
26:45 ~ 28:20

(つまり、5()の午前2:45 ~となります)

関東ローカルのみの放送となります。

映画『危険な情事』あらすじ【男にとっては“一夜の遊び”,女にとっては“運命の出逢い”】

ダン(マイケル・ダグラス)は、大手出版社【ロビンズ社】の顧問を務めるやり手の弁護士。妻のベス(アン・アーチャー)や娘のエレンとの関係も良好で、平穏な日々を過ごしていました。

 

ある日のこと。

【ロビンズ社】のパーティーに招かれたダンは、新入りの編集員・アレックス(グレン・クローズ)と知り合います。

翌日。ダンの妻と娘は郊外に住まいを探すため、実家に帰省します。

ダンは、売れっ子作家の訴訟の件で、アレックスと打ち合わせをすることに。意気投合したダンとアレックスは、そのまま関係を結んでしまいます。

 

一夜の遊びのつもり。

そう思っていたのは、ダンだけ。

 

ダンとの出会いを“運命の出会い”と思いこんだアレックスは、執拗に連絡をよこすようになり・・・

 

▲クリックすると動画が読み込まれます(刺激的な内容なので、えつ覧に注意してください)。

グレン・クローズの出演作は?『危険な情事』キャスト

ダン・ギャラガー

演:マイケル・ダグラス/吹き替え:小川真司 / 関智一(※追加収録)

弁護士。出版社【ロビンズ社】で顧問を務める。

出世のためには同僚を切り捨てる野心家だが、家庭は守りたい。

 

ダンを演じたのは、アメリカの俳優マイケル・ダグラス

名優カーク・ダグラスの息子で、ヒット作の多いスター俳優です。『危険な情事』と同年に公開された『ウオール街』で、アカデミー主演男優賞を受賞しています。

おもな出演作

『ウォール街』(1987)・・・野心家の証券マンが、インサイダー取引に関与してしまう金融サスペンス。

『氷の微笑』(1992)・・・ロス市警の刑事が、ロックスター殺害事件の容疑者の女に惹かれてゆくスリラー。シャロン・ストーンの出世作。

『ゲーム』(1997)・・・孤独な経営者が、謎の会社が提供するゲームに参加し、生命を脅かされるミステリー。“勘のいい人”でも、展開が読めない。

アレックス・フォレスト

演:グレン・クローズ/吹き替え:沢田亜矢子

(出典:Groovy History on X)

36歳の編集者。知的だが、一夜をともにしたダンに執着する。

オペラ『蝶々夫人』に、みずからの境遇を重ねている。

 

アレックスを演じたのは、アメリカの女優グレン・クローズ

アカデミーに8回ノミネートされ、ブロードウェイでも実績を残した実力派俳優です。

おもな出演作

『ガープの世界』(1982)・・・子供は欲しいけど男性と関係を持ちたくない看護師と、彼女の息子の半生を描く人間ドラマ。激しい役が多いグレン・クローズの、“やさしい側面”が見られる。

『101』(2000)・・・アニメ『101匹ワンちゃん』の実写映画版。冷酷な悪女・クルエラを演じたクローズは、まさに当たり役。

・ドラマ『ダメージ』(2007~2012)・・・勝つためには手段を選ばない弁護士が、巨大訴訟に立ち向かう法律サスペンス。演技派女優ローズ・バーンとのバチバチのやり取りは、圧巻!

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ベス・ギャラガー

演:アン・アーチャー/吹き替え:佐々木優子

ダンの妻。郊外に新居を探していて、娘のエレンと帰省する。

『危険な情事』感想&考察【“ストーカー”と化したメンヘラ女子が怖すぎる!】

【感想】“ストーカー”と化すサイコパス女子!映画の3/4ずっと怖い!

“一度だけの火遊び”のつもりで、アレックスと一夜をともにしたダン。ところが、電話でしつこく催促されたため、アレックスの自宅で過ごします。

「あなたは大切な人よ」

と、未練をのぞかせるアレックス。ダンが彼女をぞんざいに扱ってしまうと・・・

35分20秒

ヒステリックになったアレックスを、ダンが抱きよせる。

ダンの顔には、アレックスの手首から流れた血が!

 

「ひえーーーーっ!!」

ここから、ジェット・コースターのような恐怖の展開が続きます。

57分28秒

ダン「僕には妻がいて幸せなんだ。想像恋愛はよしてくれ」

アレックス「妊娠したの。婦人科医の診察カードよ」

 

ダン「僕の子か?」

アレックス「ほかに相手はいないわ」

ダンと初めて食事をしたとき、デートを断ったと言っていたのに・・・

 

 

ここから先は、一部ネタバレを含む内容になっています。本編をご覧になってからお読みください。

>> Amazonプライムビデオ『危険な情事』(字幕版)

 

1時間04分33秒

電話しながら、テレビの報道番組を見ているアレックス。

テレビの警察官の声「攻撃を受けると、筋肉が一瞬マヒするのです」

 

警棒に代わって、スタンガンを導入する警察署が増えているというニュース。アレックスがスタンガンをチラ見すだけで、彼女の行動が想像できて怖い!

1時間27分40秒

外出から戻ってきたダンの妻・ベスは、キッチンの鍋が沸騰しているのを見つけます。

鍋に近づくベスと、ウサギ小屋にかけよる娘・エレンのカットバック(※)。

(※ 同時進行する2つのシーンを、交互に見せる技法)

 

悲鳴を上げるアン

鍋には、煮込まれているウサギの姿が!

「ぎえーーーーっ!!」

【考察】ラストが変更された?オペラ『蝶々夫人』との関連性は?ウサギが鍋に入れられた理由は?

危険な情事、ウサギが鍋に入れられた理由、考察

『危険な情事』の劇場公開版は、ストーカーと化したアレックスだけを“モンスター”のように描いています。

 

しかし、もともとは別エンディングがありました。オリジナル版は、浮気をしたダンも“それ相応の罰”を受けるラストでした。ところが、試写会であまりに評判が悪かったため、差し替えられたのです。

【参考】見る者によって様々な解釈を許容する恋愛サスペンス『危険な情事』|洋画専門チャンネル ザ・シネマ

 

もうひとつのラストは、ブルーレイ版に収録されています。

 

シナリオの構成から考えると、製作者がダンにも罰を与えたかったことが読み解けます。

49分05秒

電気を消した、暗い部屋。

アレックスは、プッチーニのオペラ『蝶々夫人』を聴きながら、ひとり涙します。

 

『蝶々夫人』のあらすじをざっくり要約すると・・・

長崎に住む15歳の芸者・蝶々夫人は、アメリカの海軍士官・ピンカートンに恋をし、彼の“現地妻”となります。

「コマドリが巣を作るころには帰ってくる」

というピンカートンの言葉を信じ、3年待った蝶々夫人。ピンカートンの子供を身ごもっていたため、別の男性との再婚を勧められても断りました。

www.nntt.jac.go.jp

 

『危険な情事』のアレックスは、36歳の設定。

しかし、18歳の蝶々夫人に自分の姿を重ね、涙しているのです。なんと、ピュアなことか! 『蝶々夫人』を引用しているところからも、脚本家が“アレックスの一途さ”を描きたかったことは間違いありません。

 

また、ダンを“ストーカー女に襲われても仕方のない人物”として描いている場面もあります。

53分50秒

ダンは自宅に弁護士仲間や秘書を招き、会食しています。

 

お酒が入って饒舌になったダンは、

「“同僚を引き離し自分だけ出世したら、同僚に足を引っ張られぬよう注意せよ。”」

と、『サムライ出世読本』の一節を引用したあと、

「足手まといの荷物は捨てる。出世のためだ」

と、語ります。

 

このセリフは、ダンが同僚や秘書を見下している傲慢な人物であることを示しています。

酔っぱらっている同僚や秘書は笑って受け流しているので、観客は「深刻な場面」とは受け取らないかもしれません。しかし、シナリオ上は、ダンも“それ相応の罰”を受けるための伏線として描かれているのです。

 

 

では、なぜ鍋に入れられたのがウサギだったのか?

ウサギが、キリスト教における「七つの大罪」のひとつ、“色欲”のメタファーだからです。

〈「七つの大罪」と、メタファーとして描かれる動物の例〉

七つの欲望 象徴となる動物
傲慢 ライオン、孔雀、コウモリ
強欲 キツネ、ハリネズミ
嫉妬 ヘビ、犬、モグラ
憤怒 ドラゴン、ユニコーン、狼、イタチ
色欲 ウサギ、ヤギ、鶏、サソリ
暴食 豚、リス、ワニ、ハエ
怠惰 ナマケモノ、牛、ロバ

ウサギは繫殖能力が高く、ほぼ100%の確率で妊娠するといわれています。繁殖能力があるオスとメスを一緒にしておくと、ほんの少しの間でも妊娠してしまう・・・

このことから、創作の世界では“色欲の罪”を象徴する動物として、ウサギが用いられることがあります。