アフリカを舞台に、製薬会社の闇に迫るサスペンス映画『ナイロビの蜂』が地上波テレビ放送されます。この記事では、同映画の評価と監督フェルナンド・メイレレスの過去作についてお伝えします。
また、『ナイロビの蜂』を配信している動画サービスについても調べました。
- 『ナイロビの蜂』テレビ放送(2020)はいつ?
- 映画『ナイロビの蜂』原作と受賞歴
- 映画『ナイロビの蜂』内容とキャスト
- 評価と感想
- 『ナイロビの蜂』フル動画を視聴できるサービスはどこ?
- 監督フェルナンド・メイレレスの作品リスト
『ナイロビの蜂』テレビ放送(2020)はいつ?
映画『ナイロビの蜂』のテレビ放送は、2020年7月27日(月)の深夜から(=火曜の午前)。日本テレビ系列「映画天国」にて。
25:59 ~ 27:59
関東ローカルの放送なので、その他の地域の方は見られません。
今夜は
— スタンリー@映画天国公式 (@eigatengoku) July 27, 2020
国境を越えた壮大なサスペンス傑作
「#ナイロビの蜂」
監督:#フェルナンド・メイレレス
出演:#レイフ・ファインズ,#レイチェル・ワイズ,#ユベール・クンデ pic.twitter.com/0nWzQTHyJV
映画『ナイロビの蜂』原作と受賞歴
『ナイロビの蜂』は、2005年公開のサスペンスタッチの社会派映画。外交官の妻が殺された事件のウラに潜む、製薬会社の闇があばかれてゆきます。
ナイロビの蜂 | |
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原題 | The Constant Gardener |
製作国 | イギリス、ドイツ、アメリカ、中国 |
上映時間 | 128分 |
監督 | フェルナンド・メイレレス |
原作 | ジョン・ル・カレ |
出演 | レイフ・ファインズ、レイチェル・ワイズ |
原作は、スパイ小説の名手ジョン・ル・カレの同名小説。ジョン・ル・カレの著作は映画化されたものが多く、『寒い国から帰ってきたスパイ』(1965)『裏切りのサーカス』(2011)などがあります。
映画版は批評家から高く評価され、編集賞(英国アカデミー賞)、編集賞(サテライト賞)を受賞しています。特に、主人公の妻を演じたレイチェル・ワイズの演技が素晴らしく、アカデミー賞やゴールデン・グローブ賞で助演女優賞をとっています。
映画『ナイロビの蜂』内容とキャスト
かんたんな内容
ケニアの首都ナイロビ。外交官ジャスティンの妻テッサが、何者かに殺されます。
テッサは生前、ケニア人の医師アーノルドとともに、現地の貧しい人たちのため支援活動をしていました。なくなった時も、アーノルドと一緒でした。
現地の警察は、情事のもつれから来る犯行だと決めつけ、まともにテッサの死を捜査してくれません。ジャスティンが独自に事件を調べていると、ある製薬会社との関わりが見えてきます。
製薬会社KDHは、HIVや結核の検査と称して、現地の子供たちを集めていました。テッサはその活動の裏に、お金にまみれた陰謀があると疑っていたのです・・・
キャスト
役名、演じる俳優の順でご紹介しています。
ジャスティン・クエイル・・・レイフ・ファインズ
主人公。ケニアのナイロビに在住する外交官。演じるのは、『シンドラーのリスト』『レッド・ドラゴン』のレイフ・ファインズ。
テッサ・クエイル・・・レイチェルワイズ
From 'The Constant Gardener' to 'The Favourite,' we celebrate Rachel Weisz's acting career on her birthday. Which role is your favorite? https://t.co/8U9zBud51R pic.twitter.com/UYoCoKaUm4
— IMDb (@IMDb) March 7, 2020
ジャスティンの亡くなった妻。 演じるのは、『ハムナプトラ/失われた砂漠の都』のレイチェル・ワイズ。
サンディ・ウッドロウ・・・ダニー・ヒューストン
高等弁務官。テッサのよき相談相手だった。
バーナード・ペレグリン・・・ビル・ナイ
製薬会社の会長。結核の新薬“ダイプラクサ”の製造を主導する。
評価と感想
大手映画サイトの評価
- Yahoo!映画:★★★☆☆ 3.6
- 映画.com:★★★☆☆ 3.6
- filmarks:★★★★☆ 3.7
製薬会社と政府の利害関係が複雑にからむストーリーのため、“難しい”という声がちらほら。ドキュメンタリータッチですすむ展開に眠くなる、という意見もありました。
ただ、妻の愛を確かめたい夫の意地(=ミニマムな視点)から、巨大利権の闇(=グローバルな問題)を浮かび上がらせる構成は見事です。
また、「先進国の利益のために、開発途上国の貧しい人々が食い物にされているのではないか?」というテーマは、見る者に訴えかけるものがあります。
利益を享受しているのは、製薬会社だけではありません。薬のみならず、コーヒーだって穀物だって石油だって、そう。私たちが物資を安く購入できるのは、低賃金で働かされる途上国の人たちがいるから。そんなことを考えさせる、意義深い映画です。
『ナイロビの蜂』フル動画を視聴できるサービスはどこ?
『ナイロビの蜂』を視聴できる動画サイトはあるのか? 大手4つのサービスの配信状況です。
ナイロビの蜂 | |||
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サービス名 | 配信状況 | 吹き替え | 無料体験 |
U-NEXT | 〇 | ✕ | 31日間 |
Amazonプライム | 〇 | ✕ | 30日間 |
Netflix | ✕ | ✕ | なし |
Hulu | ✕ | ✕ | 14日間 |
2020年7月27日現在、配信しているのはU-NEXT(ユーネクスト)とAmazonプライムビデオだけ。どちらも、字幕版のみです。
U-NEXT(ユーネクスト)の配信期限は、2020年7月31日までです。
監督フェルナンド・メイレレスの作品リスト
映画監督フェルナンド・メイレレスは、ブラジルのサンパウロ出身。初監督作『シティ・オブ・ゴッド』が世界に衝撃を与え、ハリウッドに招かれます。単独での監督作は『ナイロビの蜂』を含め、わずか5本。プロデューサー業も兼ねており、地元ブラジルの若手監督の育成につとめています。
原作から普遍性をあぶり出すのが巧い監督です。遠い国の出来事のはずなのに、いつの間にかキャラクターに感情移入してしまいます。
『シティ・オブ・ゴッド』(2002年)
ブラジルの貧民街で、ストリート・ギャングとして生きる少年たちを描いた問題作。サッカー選手になるか? ギャングとして、銃を手に取るか? あどけない少年が泣きながら銃をぶっ放すシーンは、涙なしには見られません。
人生に大きな影響を与えるであろう1本です。
『ブラインドネス』(2008年)
“かかったら完全に失明する”という謎の伝染病が、世界中に大流行。政府は収容所に感染者を隔離しますが、収容所では徐々に秩序が壊れはじめ・・・
飲みこみづらい設定の原作を、誰もが共感できるパニック映画に昇華させた演出は見事! 極限状態に追いこまれた人間の本性が、あらわになります。
『360』(2011年)
売春婦、エリートサラリーマン、元・犯罪者にカメラマン。国も職業も違う男女が、目に見えない輪でつながれてゆく群像劇。
『クラッシュ』『マグノリア』のように、無関係な人びとの人生が交錯するタイプの作品。やや地味かな。
『2人のローマ教皇』(2019年)
ベネディクト16世と、ベルゴリオ枢機卿。考え方のまったく異なる2人の教皇が、衝突を乗りこえてゆく人間ドラマ。アンソニーホプキンス、ジョナサン・プライスという2大俳優の演技に圧倒されます。
こんな幸せな気持ちでエンディングを迎えられる映画も、珍しい。動画サービスNetflixのオリジナル作品。ネットフリックスのみで視聴できます。