“シネフィル”という言葉があります。「コアな映画通」「映画狂」を意味するフランス語です。“シネフィル”にとって、見たい映画を探すのはたいへんです。
ほとんどの動画サービスはカルト映画やミニシアター系の作品は扱っておらず、レンタル店で見つけ出すのも苦労するからです。
そんなシネフィルに応えてくれる動画サービスがあります。それが、「シネフィルWOWOWプラス」です。
- 「シネフィルWOWOWプラス」とは、Amazonプライムの有料オプション、Prime Videoチャンネルのひとつ!
- 「シネフィルWOWOWプラス」の料金体系は?見放題とレンタル作品が混在する!
- 「シネフィルWOWOWプラス」のラインナップは? シネフィルが満足する作品が見られる?
- U-NEXT(ユーネクスト)との比較!「シネフィルWOWOWプラス」の損益分岐点は?
- まとめ
「シネフィルWOWOWプラス」とは、Amazonプライムの有料オプション、Prime Videoチャンネルのひとつ!
もともとは、衛星放送のWOWOWの中に、「シネフィルWOWOW」という名画専門チャンネルがありました。名作にこだわり、ヨーロッパの映画賞を獲ったような作品やミニシアター系の話題作を集めたチャンネルです。
( ※現在は、「WOWOWプラス」に改名)
この「シネフィルWOWOW」の“ネット版”が、「シネフィルWOWOWプラス」です。
「シネフィルWOWOWプラス」は、Amazonプライムビデオの会員向けの有料オプション・チャンネルのひとつ。
Prime Videoチャンネルとは、「映画専門」「時代劇」「特撮ヒーロー」「キッズ」「ドキュメンタリー」など、様々な有料チャンネルの中から好みのチャンネルを契約して、プライムビデオの再生画面で視聴する、というもの。
すでにAmazonプライム会員である利用者が専門チャンネルと契約することで、プライムビデオで視聴できるコンテンツの数を増やすことができます。複数のチャンネルと契約できますが、1チャンネルごとに月額料金が発生します。
ケーブルテレビやスカパー!の有料オプションに似たシステムです。
「シネフィルWOWOWプラス」で配信されている映画や海外ドラマを視聴するには、
という契約を結ぶ必要があります。月額399円プラスするだけで、カルト映画やヨーロッパの名作が見られるなら安い!
と言いたいところですが、ホントに見たい映画を見ようと思ったら、さらなる追加料金がかかります。
「シネフィルWOWOWプラス」の料金体系は?見放題とレンタル作品が混在する!
Amazonプライム会員なら、プライムビデオには「見放題」作品と「レンタル」作品があることはご存知でしょう。「レンタル」作品を視聴するには、1本ごとに199円~540ぐらいの個別料金が必要となります。
ややこしいことに、オプションチャンネルである「シネフィルWOWOWプラス」の中にも、「見放題」と「レンタル作品」が存在します。
- プライムビデオではレンタル作品だが、「シネフィルWOWOWプラス」に加入していると見放題で視聴できるもの。
- プライムビデオでは視聴できず、「シネフィルWOWOWプラス」に加入していると見放題で視聴できるもの。
- プライムビデオでは視聴できず、「シネフィルWOWOWプラス」に加入していると“レンタル作品”として視聴できるもの。
たとえば、鬼才デヴィッド・リンチ監督のデビュー作『イレイザーヘッド』。この作品はプライムビデオでは視聴できませんが、「シネフィルWOWOWプラス」に加入していれば“見放題作品”として視聴できます。
いっぽう。ポーランドの巨匠クシシュトフ・キェシロフスキ監督の『トリコロール/青の愛』。若い頃のジュリエット・ビノシュが出演している名作ですが、199円のレンタル作品となっています。
視聴するには、
が必要となります。
「シネフィルWOWOWプラス」のラインナップは? シネフィルが満足する作品が見られる?
それでは、「シネフィルWOWOWプラス」では、具体的にどういう作品が視聴できるのか? 記事執筆時点(2021年3月)の「見放題」作品と「レンタル」作品のラインナップをいくつかご紹介します。
※ Amazonプライムビデオ同様、「シネフィルWOWOWプラス」の配信作品も定期的に入れ替わります。レンタル料金も、ここで紹介している額から変更になっていることもあり得ます。プライムビデオの検索画面で最新の配信状況を確認してください。
こんな見放題作品がある!
- 『地下水道』(1957年、ポーランド、アンジェイ・ワイダ監督)
- 『冒険者たち』(1967年、フランス、アラン・ドロン主演)
- 『ニキータ』(1991年、フランス、リュック・ベッソン監督)
- 『ショック集団』(1965年、アメリカ、伝説のサスペンス映画)
- ドラマシリーズ『ツインピークス』(1991~1992年、アメリカ、デヴィッド・リンチ監督)
こんなレンタル作品がある!
- 『バグダッド・カフェ』(1987年、西ドイツ)・・・299円
- 『ルードウィヒ/神々の黄昏』(1972年、イタリア、ルキノ・ヴィスコンティ監督)・・・299円
- 『少年と自転車』(2011年、ベルギー、ダルデンヌ兄弟)・・・300円
- ドラマシリーズ『名探偵ポワロ』(1989~2013年、イギリス)・・・1話あたり324円
U-NEXT(ユーネクスト)との比較!「シネフィルWOWOWプラス」の損益分岐点は?
実は、コアな映画ファン=“シネフィル”が満足するようなカルト映画や、ヨーロッパの名作映画をネットで見られる動画サービスは限られています。
Netflix(ネットフリックス)は海外ドラマに特化したサービスですし、Hulu(フールー)やdtv(ディーティービー)はハリウッドの人気作品を中心に配信しています。
「シネフィルWOWOWプラス」と配信のラインナップが似通っているのが、U-NEXT(ユーネクスト)の見放題作品です。U-NEXTの月額料金は、2,189円(税込み)。
割高に感じてしまいますが、見放題でもかなりの数の名作映画を視聴できます。
「シネフィルWOWOWプラス」とU-NEXT。
コアな映画ファンである“シネフィル”が利用するなら、どっちがお得なのか? それは、1カ月にどれだけ名作映画を見たいか、にかかっています。
「シネフィルWOWOWプラス」で、名作映画を月に4本レンタルすると、299円✕4 =1196円。
「シネフィルWOWOWプラス」で、名作映画を月に5本レンタルすると、299円✕5 =1495円。
2095円 < 2189円 < 2394円
となり、名作映画を見るのが月に4本以下なら「シネフィルWOWOWプラス」、月に5本以上みるならU-NXT(ユーネクスト)のほうがお得となります。
まとめ
「シネフィルWOWOWプラス」の配信作品は、確かに魅力的です。
ただし、実際はコンテンツの7割ちかくが“レンタル作品”ですので、あれもこれも見ようと思ったら、すぐに月額2,000円オーバーしてしまいます。
- すべてが見放題のNetflix(ネットフリックス)またはHulu(フールー)に加入し、ミニシアター系はTSUTAYAでレンタルする。
- カルト映画・ヨーロッパの巨匠の作品を揃えたU-NEXT(ユーネクスト)に加入し、見放題作品だけを視聴する。
“シネフィル”の人が心ゆくまで映画を楽しむなら、どちらかにしたほうが出費は抑えられると思います。