「あんたも私を忘れる」
「忘れないよ、絶対」
老女と少年。家族をなくした者同士のふれあいに、思わず涙! ロード・ムービーの佳作『セントラル・ステーション』が、BSでテレビ放送されます。
この記事では、ブラジル映画『セントラル・ステーション』のあらすじと魅力をご紹介します。
- ブラジル映画『セントラル・ステーション』BSプレミアムでのテレビ放送はいつ?
- 『セントラル・ステーション』あらすじ【老女が,身寄りをなくした少年を父親のもとへ連れてゆく】
- 『セントラル・ステーション』感想【泣ける!老女と少年のロードムービー】
ブラジル映画『セントラル・ステーション』BSプレミアムでのテレビ放送はいつ?
『セントラル・ステーション』は1998年のブラジル映画。
代筆業を営む初老の女性が、母をなくした少年を連れ、父親探しの旅に出るロード・ムービーです。
映画『セントラル・ステーション』 | |
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原題 | Central do Brasil |
公開 | 1998年 |
製作国 | ブラジル |
ジャンル | ロード・ムービー |
上映時間 | 113分 |
監督 | ウォルター・サレス(『モーターサイクル・ダイアリーズ』) |
出演 | フェルナンダ・モンテネグロ、アハマッド・アハマッドプール |
受賞歴 | ベルリン映画祭 金熊賞(最優秀作品賞) |
13:00 ~ 14:51
『セントラル・ステーション』あらすじ【老女が,身寄りをなくした少年を父親のもとへ連れてゆく】
年配女性のドーラ(フェルナンダ・モンテネグロ)はリオデジャネイロの中央駅で、代筆業を行なっています。
ドーラの仕事は、字を書けない人の代わりに手紙を書いてあげること。しかし、人生に冷めているドーラは、ほとんどの手紙を破り捨てています。実際に手紙を投函することは、滅多にありませんでした。
ある日のこと。ある中年女性が、離れて暮らす夫に宛てた手紙を頼みにきます。酒飲みの夫へ、9歳の息子に会ってやってほしい、と願いをこめた手紙です。
しかし、その直後。中年女性はバスに轢かれて亡くなり、9歳の息子ジョズエだけが残されます。ドーラはジョズエを連れ、父親を探す旅に出ますが・・・
Fernanda Montenegro em Central do Brasil (1998).
— Telecine (@telecine) November 9, 2021
Aos 92 anos, a atriz foi imortalizada pela Academia Brasileira de Letras. ❤️ pic.twitter.com/GfbguVZU2e
『セントラル・ステーション』感想【泣ける!老女と少年のロードムービー】
『セントラル・ステーション』の主人公・ドーラは、かつては教師。いまは“代筆業”といって、文字を書けない人の代わりに手紙を書いてあげる仕事をしています。
Cenas incríveis que me fazem amar o cinema brasileiro 💚
— Telecine (@telecine) January 30, 2021
🍿: Central do Brasil (1998). pic.twitter.com/erbJLgY9zc
ブラジルの識字率って、そんなに低いの?
映画が企画されたのが1996年。
帝京大学の教員のかたが書かれた論文「1990年代ブラジルの初等教育改革政策」によれば、1994年の15歳以上の“非”識字率は16.0%だったそうです。
ということは、識字率は84.0%。50代以上に限れば、読み書きできた人の割合は66.5%でした。
ドーラはいわゆる“知識層”にあたりますが、卑屈な人間で家族も恋人もおらず、孤独です。小悪人で、請け負った手紙を勝手に捨てたり、ケチな盗みをはたらくこともあります。
いっぽうの少年ジョズエも悪ガキで、自分勝手。ドーラに対してこんな暴言も吐きます。
「噓つきのブス! 口紅も塗らないから、結婚できないんだ!」
Central do Brasil (1998) 🎞 -Dora trabalha escrevendo cartas para analfabetos na estação Central do Brasil (Rio de Janeiro). Ainda que a escrivã não envie todas as cartas que escreve, ela decide ajudar um menino a tentar encontrar o pai que nunca conheceu, no interior do Nordeste pic.twitter.com/wyQREzgAtl
— Metrô de São Paulo (@metrosp_oficial) June 19, 2020
小悪党のおばさんと、口の悪い少年。組み合わせは、ジョン・カサヴェテスの犯罪アクション『グロリア』(1980)と同じです。
どちらも感動を呼ぶのは、“いい人”同士のやり取りではないから。卑屈な人間の心の底にあった“良心”が物語をつき動かし、ほんのりとした希望を見せてくれます。
年に3回も書かないセリフを記しておきます。
「“心に深く残る作品”となる可能性があるので、絶対に観てください!」