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『ザ・ボーイズ』シーズン2第5話あらすじ&考察!「ディア・エヴァン・ハンセン」の意味とは?

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『ザ・ボーイズ』シーズン2第5話あらすじ&考察!「ディア・エヴァン・ハンセン」の意味とは?

Amazonプライムのオリジナル作品『ザ・ボーイズ』シーズン2が、配信中です。腐敗したスーパー・ヒーロー達に、ふつうの人間たち“ザ・ボーイズ”が立ち向かうドラマです。

 

この記事では、第5話のあらすじと考察をお伝えします。執筆の都合上、物語の核心部分に触れてしまう恐れがあります。ネタバレを知りたくない方は、本編をご覧になったうえでお読みください。

Amazonプライムビデオ『ザ・ボーイズ』シーズン2

 

シーズン2 第4話までのおさらい

 

ブッチャーは、ヴォート社の施設に監禁されていた妻のベッカと再会します。ブッチャーは妻を連れ出そうとしますが、「息子のライアンを置いて逃げるわけにはいかないわ」と拒否されてしまいます。

いっぽう。MMとヒューイ、アニー(=スターライトの変身前)の3人は、ノースカロライナの黒人女性のもとを訪れていました。70年代に消えたスーパー・ヒロイン「リバティ」の秘密を探るためです。

40年前、実の兄を「リバティ」に殺された女性は、今でも怯えています。

 

 

 

ヒューイが

「リバティはもう死んでるかも」

となぐさめると、女性は

「そんなことない。ここにいる」

と新聞を指さします。それは、ストームフロントの写真でした・・・

 

 

www.entafukuzou.com

 

 

『ザ・ボーイズ』シーズン2 第5話おもな登場人物

 

ブッチャー

 

元CIA職員で、ザ・ボーイズのリーダー。妻ベッカと再会をはたすものの、彼女を連れ出すことができなかった。

 

MM(マザーズミルク)

 

 

ザ・ボーイズのメンバー。ブッチャーやフレンチーとは旧知の仲。冷静に物事を判断できるため、存在感を増している。

 

ヒューイ

 

ザ・ボーイズのメンバー。食料雑貨店で働いていたが、恋人をAトレインに吹き飛ばされてしまう。

 

ホームランダー

 

 

セブンのリーダー。マザコン気質で、親代わりだったマデリンに依存していた。新メンバーのストームフロントが自分より目立つことに苛立ち、目の敵にしている。

 

 ストームフロント

 

シーズン2からセブンの新メンバーとなったスーパー・ヒロイン。高い戦闘力と民衆をコントロールするスピーチ能力で、いっきにセブンの中心メンバーとなる。
危険薬“コンパウンドV”の作用で若作りしている、という疑惑がある。実年齢は70代?

 

メイヴ

 

アマゾネス風のかっこうをしたスーパー・ヒロインで、セヴンの一員。エレナという同性愛者の恋人がいることをバラされ、ホームランダーに恨みを持つようになる。

 

スター・ライト(⇦ アニー)

 

幼いころ、娘を有名にしたい母親から“コンパウンドV”を投与され、超能力を身につけた。セブンの一員だが、内側から腐敗した組織を変えようとしている。

 

ブラック・ノワール

 

 

漆黒のコスチュームに身を包むダーク・ヒーロー。セブンの一員。寡黙(かもく)で何を考えているかわからないが、ブッチャーを警戒しているのは確かなようだ。ケータイの着信音は「ハレルヤ」。

 

 ディープ(⇦ ケビン)

 

“七つの海の支配者”という異名を持つヒーローでセブンの一員だった。セクハラが世間に公表され、セブンから脱退していた。その後、「共同教会」という新興宗教に入信。セブンへの復帰を狙っている。

 

アシュリー

 

 

ヴォート社の広報担当で、セブンのメディア活動をサポート。問題行動ばかり起こすスーパーヒーロー達に、ストレスも限界?

 

 

『ザ・ボーイズ』シーズン2 第5話あらすじ

 

 

 

ホームランダーの怪光線、またも炸裂か!?

 

 ヴォート社の広報アシュリーが真っ青な顔で、ホームランダーに話しかけてきます。「ヤバい動画がネットで拡散されているの」

と、いうのです。それは以前、テロリストを退治するため訪れた村で、ホームランダーが一般人に向けて怪光線を発射してしまった映像でした。



ヴォート社前の広場では、下院議員が集会をひらいて大盛り上がり。ヴォート社やホームランダーに対して、厳しい批判を浴びせます。集まった民衆も、
「ホームランダーは戦犯だ! ホームランダーは戦犯だ!」

と、シュプレヒコールをあげています。

 

そこへ、ホームランダー本人が現れます。アメリカの正義を説くホームランダーに対して、民衆たちは「勝手に代弁するな! 我々の意見じゃない!」と反発します。

 

 

怒ったホームランダーは目から怪光線を出し、民衆を焼き殺そうとします。しかし、ギリギリのところで思い止まり、その場を立ち去ったのでした。

 

フレンチーの思いは、キミコに届かず?

 

ストームフロントに弟を倒されて以来、キミコの心は荒れていました。キミコはバーに現れ、お客の外国人たちを一掃してしまいます。

 

 

さらにキミコはアルバニア人と契約を交わし、暗殺者としての仕事を得ます。ダークサイドに堕ちてゆくキミコを見て、フレンチーは黙っていられません。

「弟のことで自分を責めるな。こんなのは解決策じゃない!」

と説得を試みますが、キミコは手話で

《私にとって、弟は唯一の大切な存在だったのよ!》

と返し、聞く耳を持たないのでした。

 

 ブッチャーやヒューイたち、ブラックノワールに命を狙われる!

 

ブラックノワール、ブッチャーの居場所を突き止める! 

 

妻のベッカを連れ戻せなかったブッチャーは、すっかり傷心モード。実家に戻り、母とともに暮らしていました。

そんなブッチャーを心配し、ヒューイとMMが訪ねてきます。しかし、ブッチャーたちにある脅威が迫っていました。セブンの一員であるブラック・ノワールがブッチャーの実家を突き止めていたのです。

 

 

 

そこでMMは消防車を呼んで騒ぎを起こし、ブラック・ノワールがすぐに攻撃に出れないように時間稼ぎをします。MMはブッチャーの母に釘(くぎ)や電線、スプレー缶を集めてもらいます。家の中に罠を仕かけ、少しでも抵抗しようというのです。

 

 あなたは、ブッチャーの弟に似ている

 

罠をしかけて待ち受けるMMたち。襲ってこないブラック・ノワール。じりじりとした消耗戦が続くなか、ブッチャーの母は、ヒューイに対してこんなことを話します。

「あなたはブッチャーのなくなった弟・レニーにそっくりね。レニーはブッチャーの凶暴性を抑えてくれた。あの子には、あなたみたいな人が必要よ

 

 

時間が経っても、ブラック・ノワールは攻撃を仕かけてきません。しびれを切らしたブッチャーは、自分がおとりになることでヒューイたちを逃がそうとします。

ともに助かる道を探ろうとするヒューイは、ブッチャーと言い争いになります。そのとき、ブラック・ノワールが襲いかかってきたのです!! MMは電線を使って応戦しますが、戦闘力の差は歴然! ブラック・ノワールはヒューイにとどめを刺そうとします。

 

するとブッチャーは、ブラック・ノワールを脅迫します。

「ホームランダーとベッカの子供の写真を、世間にバラまくぞ!」

 

ホームランダーがレイプの末に子供まで生ませたことがバレたら、一大事です。ブラック・ノワールはヴォート社の経営者エドガーに電話をかけ、指示をあおぎます。

 

 

 

エドガーは電話でブッチャーと交渉。ホームランダーの件を秘密にしておくという条件で、ブラック・ノワールを立ち去らせることにしたのです。

 

揺れる力関係! 敵対していたはずのホームランダーとストームフロントが急接近!?

 

スターライト vs ストームフロント、直接対決ぼっ発?

 

セブンのメンバーたちは、PR動画の撮影にのぞんでいました。セブンを解雇されたAトレインは会社の用意した台本を読み、“円満な脱退”であることをアピールします。

 

 

さて、ストームフロントの秘密を探っていたスターライトは、楽屋に忍びこみます。

 

“ストームフロントの正体は、70年代に姿を消した「リバティ」なのか?”

 

スターライトはストームフロントのPCから、内部情報を盗み見ようとします。そこへ、ストームフロント本人が登場! スターライトは開き直って、ストームフロントに過去を問いただします。

 

しかし、ストームフロントは質問を質問で返します。

「危険薬“コンパウンドV”の情報をマスコミに漏らしたのは、あなたでしょ?」

 

 

 

一触即発か? というところで、ホームランダーが現れます。邪魔が入ったので、スターライトはひとまず立ち去ります。

前代未聞? スーパーヒーロー同士のセックス?

 

二人っきりになったホームランダーとストームフロント。ホームランダーは、民衆の支持率が5ポイントupしたことを報告します。反抗する民衆に対して、大人の対応を見せたことで支持が回復したのです。ストームフロントの助言のおかげでした。

 

「どんなお返しをしてくれる?」

ストームフロントは問いかけます。

 

 

 

ホームランダーとストームフロントは、熱烈なキスをします。相手の体を壁に打ちつけたり、念力で飛ばしてガラスを割ったり・・・

 

そりゃあ、超能力を持つ者どうしが愛情表現したらそうなるわ(笑)。ここから先は、本編を楽しもう!!

 

Amazonプライムビデオ『ザ・ボーイズ』シーズン2

 

 

 考察:「ディアー・エヴァン・ハンセン」の意味とは?

 

シーズン2第5話では、こんな印象的なシーンがありました。

 

新興宗教に入信したディープ(⇦ ケビン)が、テレビ番組で結婚を報告します。セクハラ騒動でセブンを脱退していたディープ。復帰するためにPR活動をしていたのです。

 

「ケビンは過去に問題を起こしたけど、人は成長するわ」

妻となった女性は、ディープが立ち直ったことをアピールします。

 

 

このテレビ放送が流れるなか、酒場では外国人と思われる男たちが口論しています。

男A「あり得ない。プエルトリコ人のわけない」

男B「隠喩だよ。アメリカでは“移民”の意味だよ」

 

男A「白人なのにか?」

男B「いいミュージカルがある。『ディア・エヴァン・ハンセン』」

 

プエルトリコはアメリカの自治領で、アメリカ国内からプエルトリコ本土への旅行は国内旅行扱いとなっています。しかし、プエルトリコの島民は、大統領選挙の選挙権を持たないんですね。移民ほどではないにしろ、生活上の不利益を被っているわけです。

 

 

男Aが不満を漏らすと、男Bは「ディアー・エヴァン・ハンセン」というミュージカルでも見ろよ、とすすめます。

 

「ディアー・エヴァン・ハンセン」は、対人恐怖症で友だちもいない男子高校生が社会とのつながりを考えてゆくミュージカル。2017年にトニー賞を受賞し、映画化も企画されています。

 

一人の友だちもいないエヴァンは、学校のセラピーの授業で「ディア・エヴァン~」という自分自身に向けた手紙を書きました。そんな中、やはり友だちのいなかった同級生のコナーが自殺してしまいます。

 

なくなったコナーのポケットから、「ディア・エヴァン~」という手紙が発見されます。真相は、エヴァンが自分宛てに書いた手紙が、たまたまコナーのポケットに紛れ込んだだけ。ところがコナーの両親は「息子にも友だちがいた!」と勘違いして、大喜びするのです。

 

コナーの両親をがっかりさせたくないエヴァンは、つい友だちだった、と嘘をつきます。やがてSNSでも死んだコナーに親友がいたことが美談として広まり、エヴァンは有名人となってゆきます。

 

 

このミュージカルは、孤独で社会不安に悩む若者が“自分の居場所を見つけてゆく”物語。感動的ではありますが、虚像がさも実像のように大きくなっていくSNSの怖さも描かれています。

 

 

 『ザ・ボーイズ』第5話で、脚本家がこのミュージカルを引用したのは、2つの意味があると考えられます。

  • 嘘を嘘で塗り固めてゆくことの怖さ
  • (SNSで)失敗した人にだって、やり直すチャンスを与えるべき

 

腐敗したヒーローを通して、アメリカが抱える社会問題をつきつける『ザ・ボーイズ』。何気ないセリフ、引用される作品、劇中にかかる音楽にまで、深い意味があるような気がしてなりません。