《前回・第111話までのあらすじ》
武志は、信楽の窯業研究所に通うことになっていました。大学時代の恩師・掛井先生が教えていることが決め手になったようです。
自分ではなく、“普通の”先生に憧れる息子。喜美子は、一抹の寂しさを感じたのです。
第111話の、詳しいあらすじはこちら!
『スカーレット』第112話あらすじ!2月13日(木)放送分・・・ミス琵琶湖の圧力にタジタジ!
ある朝。
武志が川原家にやってきます。アパートを借りたい武志は、賃貸契約書に喜美子のサインとハンコを求めます。
「家から通ったら?」と提案する喜美子でしたが、武志の決意は変わりませんでした。
武志くんの頭の回転の速さと行動力!昔のきみちゃんそっくりです😆#スカーレット pic.twitter.com/GXIfbPUUfL
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武志が出てゆくと、喜美子は、自分の作品の値付けをします。喜美子は、陶器のひとつに「4万円」と値札をつけます。すると、後援会長の住田さんが修正。「8万円」と書き直します。
住田「なめられまっせ。これぐらいが相場です」
喜美子「こんなん! 売れへんやろ」
実際はその値段でも売れました。喜美子の作品は、もはや庶民が手軽に買い求められる物でなくなっていたのです。
さて。喜美子が縁側にいると、派手なかっこうをしたおばさん、小池アンリ(烏丸 せつこ)が庭に入ってきます。
アンリ「あれ、何?」
喜美子「穴窯です。あの穴から焼き物を入れて・・・あの、どちら様でしょうか?」
アンリ「ここに住んでるの? ほな、先生もここに住んではるんやろか?」
喜美子「先生?」
アンリ「女性陶芸家の川原喜美子 先生。『小池アンリがきた』いうて、呼んできて!」
喜美子「どちらの小池さん?」
アンリ「滋賀県いうたら、小池やろ!」
喜美子「初めて聞きました」
アンリ「あんた、地元の人ちゃうな。戦前は、【小池紡績】いうおっきな会社があったんよ。そこのアンリいうたら・・・今でいうたら、ミス琵琶湖や。
ええから、先生呼んできて」
喜美子「(イラっときて)ウチが、川原喜美子です!」
アンリは、後ろにのけぞります。どうやら、喜美子のことをお手伝いさんと勘違いしていたようです。
喜美子は、アンリを工房に案内して、作品を見せてあげます。アンリは、棚に置いてある壺に目をつけます。喜美子が穴窯で初めて成功させた、深緑色の壺です。アンリは、人さし指でそ~っと壺に触ります。
アンリ「これ、おいくらですか?」
喜美子「えっ? 非売品です。売り物やないんです」
アンリ「10万? 30万?」
アンリは食い下がり、その場で現金で払おうとします。喜美子は「100万や!」と言って、アンリを追い払います。高額な値段をふっかければ、あきらめてくれると思ったからです。
アンリは工房をあとにします。
第19週「春は出会いの季節」第112話ネタバレ・・・ちや子さんの励まし!「きみちゃんはきみちゃん」
その日の午後。ちや子が川原家を訪れていました。喜美子の後援会長の住田さん、百合子もやってきます。
住田「(ちや子に)この度は、当選おめでとうございます!」
実は、ちや子は市議会議員に立候補し、当選を果たしていました。喜美子たちは、みんなで食事にします。
ちや子「当選したの嬉しかったで。もっと嬉しかったんは、ウチらの選挙活動で『女性の投票率が上がる』言われたことや」
住田「川原さんの個展で、ちや子さんに初めてお会いした時から、何者かにならはる方や~思ってましたわ!」
百合子「住田さん、なんでいるの?」
住田「・・・言わはりますな」
(⇦ 百合子の毒舌、さくれつ!)
百合ちゃんも言うようになりましたね〜🙄(遠い目)#スカーレット pic.twitter.com/xeMhZwrKau
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ちや子は、川原家に泊まることになりました。喜美子と二人だけの夜。二人は寝っ転がって、語り合います。
喜美子「テレビ見ましたよ。若い男性議員と討論してはった。泣きそうになってた」
ちや子「向こうがな。はは」
喜美子「新聞社を飛び出していった時の、あのちや子さんを思い出しました。変わりませんね。ちや子さんはちや子さんや」
ちや子「行政と市民の橋渡ししてるだけや。ほんな偉そうなもんやない」
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喜美子「ウチは変わりました。1足つくろって12円。ストッキングの内職してました。それが今や5万です。ウチの作品は。5万・・・10万・・・30万で売れたこともあります」
ちや子「嬉しいことちゃうの?」
喜美子「・・・ときどき思い出すんです。大久保さんからストッキングの内職のお金もろて、お父ちゃんと大喜びした時のこと」
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ちや子「戻れる? 今あるものぜ~んぶ失ってな、あした目の前に大久保さんが現れんねん。『内職せえ』言って、持ってくる」
喜美子「やります!」
ちや子「朝は4時半に起きて女中の仕事やで」
喜美子「働きます。『とやぁ~っ!』言いながらやったります」
ちや子「戻れるやん。いつでもあの頃に戻れる。きみちゃんは変わってないよ。変わらへん」
喜美子「・・・」
ちや子「大丈夫。きみちゃんはきみちゃんや。変わらへん」
喜美子「はい」
(⇦ 武志が出ていったのは、自分が変わったせいかもしれない・・・喜美子には、自分に対する疑念があったのではないでしょうか? ちや子さんはそれを見透かして、励ましてくれたのだと思います)
二人は、いま流行っているというパックに挑戦します。喜美子は、ちや子の顔いっぱいに漬け物のきゅうりを貼りつけます。
喜美子「これ。ほんまに肌にええんですか?」
ちや子「ええ言うてたで」
ポロッ。鼻に貼ったきゅうりがはがれ落ち、ちや子はきゅうりを食べます。
ちや子「おいしい」
翌朝。喜美子は、ちや子を見送ります。パックの効果? 喜美子の顔は真っ赤です。
ちや子「がんばり! 女性陶芸家さん」
喜美子「ちや子さんも頑張ってください。女性市会議員さん」
ちや子&喜美子「女性は余計や!」
二人は同時に口に出すと、笑い合います。ちや子は川原家をあとにします。
そのすぐあと。小池アンリがやってきます。アンリは例のつぼを見たあと、バッグから札束をとり出し、喜美子の前に置きます。
ボンっ!
アンリ「100万円おっしゃったんで、用意してきました。あれ欲しいねん」
第113話へつづく。