最近のドラマや映画は、情報量を詰めこむ傾向にあります。そのため、昔の映画を観ると、相対的にテンポが遅く感じることがあります。
しかし、ひと昔前の作品にも関わらず、びっくりするほど展開の早い映画があります。その一つが、『大陸横断超特急』。コメディあり、サスペンスあり、アクションありの超一級エンタテインメントです。
コメディ映画『大陸横断超特急』の概要
『大陸横断超特急』は、1976年公開のアメリカ映画。しがないノンフィクションライターが、鉄道旅行中に殺人事件を目撃。背後にうごめく陰謀に巻きこまれる、コメディ調のサスペンスです。
大陸横断超特急 | |
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原題 | Silver Streak |
製作国 | アメリカ |
ジャンル | 巻きこまれ型サスペンス+乗り物パニック |
公開年 | 1976年 |
上映時間 | 114分 |
監督 | アーサー・ヒラー(『ある愛の詩』) |
脚本 | コリン・ヒギンズ(『ハロルドとモード』) |
出演 | ジーン・ワイルダー、ジル・クレイバーグ |
走行中の列車でのアクションがあったと思えば、美女とのロマンスもあったり・・・何より、とぼけた主人公と個性豊かなキャラクターとのやり取りで笑わせてくれます。
映画『大陸横断超特急』のあらすじ&レビュー
簡単なあらすじ
ジョージ・コルドウェルは、園芸などの書籍を執筆するライター。観光列車「シルバー・ストリーク号」に乗りこみ、のんびりとシカゴまでの旅を楽しむつもりでした。
ジョージは、車内で美女・ヒリーと知り合います。ヒリーは、美術史を研究するシュライナー教授の秘書。すっかりヒリーと意気投合したジョージは、ゆきずりのロマンスを楽しみます。
ところが、窓の外からシュライナー教授が落下するのを目撃! これは、事件か?
ジョージはあわてて、教授の客室にかけこみます。すると、室内には怪しげな男が2人。教授のゆくえを尋ねると、ジョージは用心棒らしき男に列車の外に放り出されてしまいます。
ジョージは、線路沿いで牧場を営む婦人・リタと出会います。リタはなんと、自家用飛行機にジョージを乗せ、近くの駅まで連れていってくれます。
「シルバー・ストリーク号」に追いついたジョージ。ふたたび、シュライナー教授の客室を訪れると、そこには美術商のデヴローがいます。ジョージがゆうべ見た出来事を話すと、シュライナー教授本人が入ってきます。死んだはずでは・・・?
デヴローも教授も、
「あんたは幻覚を見たんだ」
と、言い張りますが・・・
【感想】テンポの良いエンタメ! 広川太一郎さんの吹き替えも最高!
物語の骨格は、サスペンス・アクション。悪事をたくらむ一味と、彼らを追いかけるFBI。たまたま居合わせた主人公が、その攻防に巻きこまれてゆきます。
主人公のジョージは、かなりとぼけた性格。日本語吹き替え版では、広川太一郎さんがジョージの声をあてています。
すっとんきょうな声で、「もうやめて~」「やだ~。もう~!」とか喋ります。事件は大がかりなのに、このゆるさ。
Who remembers the 1976 comedy movie, "Silver Streak" with Scatman Crothers, Gene Wilder, Jill Clayburgh and Richard Pryor? 🎥 🚆 pic.twitter.com/9LZRbcoE3t
— Groovy History (@GroovyHistory) September 3, 2018
主人公が、出会う人たちも魅力たっぷり。豪快なリタばあさん。事件が起きたと喜ぶ保安官。熱血漢のこそ泥。
観終わった後に、「また、あいつらに会いたい」と思わせてくれるような愉快な面々です。セリフ回しも面白い。
シリアスとコメディの割合は、7:3ぐらい。笑いあり、アクションあり、謎解きあり。何より、めまぐるしい展開にドキドキします。これぞ、娯楽映画!