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怖い?かわいい?クリスマス映画『グレムリン』あらすじと考察

グレムリン

かわいくて不思議な生き物が登場する映画『グレムリン』。ホラーと勘違いして敬遠している人も多いようですが、とても楽しいファンタジー作品です。観ないのはもったいない!

 

そこでこの記事では、映画『グレムリン』のあらすじと3つの禁止事項をご紹介します。また、脚本の考察も行ないました。実はただのエンタメではなく、背景に日米貿易摩擦が見え隠れしています。

 

ホラーではない! 映画『グレムリン』の概要

 

『グレムリン』 は、クリスマス・プレゼントとして贈られたペットが異常繁殖して、街中が大混乱になるファンタジー映画です。

 

グレムリン
原題 Gremlins
製作国 アメリカ
公開年 1984年
上映時間 106分
監督 ジョー・ダンテ
脚本 クリス・コロンバス
出演 ザック・ギャリガン、フィビー・ケイツ

 

 怖い場面がまったくない訳ではありません。でも、目を背けたくなるような描写はほとんどなく、むしろコメディタッチで、子供も楽しめる作品です。

 

一度みた大人も、もう一度みることをオススメします。視点を変えると、まったく別の見方ができるからです。

 

 

映画『グレムリン』のあらすじ

 

中国人が売ってくれた、不思議な生き物“モグワイ”

 

発明家のランダル・ペルツァーは、セールスのためにチャイナタウンを訪れていました。ランダルは、ある骨董屋さんで、歌をうたう不思議な生き物“モグワイ”を見つけます。

 

ランダルはこの生き物が気に入り、息子のクリスマス・プレゼントとして買い求めようとします。店の主人は「モグワイは売り物ではない」と断りますが、店主の孫がこっそり売ってくれます。

 

少年は、モグワイを飼うにあたって3つの規則を破らないように注意します。

 

水をかけると分裂!

 

家に戻ったランダルは、息子のビリーにモグワイをプレゼント。ランダルはこの生き物に『ギズモ』と名前をつけます。素直でかわいらしいギズモを、家族みんなで大切にしていました。

 

ある日のこと。となりに住む少年ピートが、ビリーの家に遊びにきていました。ピートがうっかりペン立てを倒すと、中に入ってた水がギズモにかかってしまいます。すると、ギズモは急に苦しみだします。

 

ポン! ポン! ポン!

 

ギズモのカラダから、卵のようなものが5つ飛び出し、ふ化します。あっという間に、5匹のモグワイが誕生します。その中に、頭にストライプが入ったモグワイが1匹いました。この5匹の性格はギズモと違って、やんちゃでイタズラ好きでした。

 

水をかけると分裂することを知ったビリーは、1匹のモグワイを化学のハンソン先生に預けます。ハンソン先生は水をかけたり、繁殖させたり、この不思議な生き物を研究します。

 

ところが、禁止事項を次々やぶっていくうちに、モグワイは凶悪な生き物へ進化してゆきます。やがて、増殖したモグワイたちは大暴れ! 人々を襲ったり、酒場や映画館を占領して、街を大混乱におとしいれるのです・・・

 

 

飼うなら守って! グレムリン「3つの禁止事項」

 

ビリーの父・ランダルがモグワイを購入したとき、骨董屋の主人の孫はいいました。

 

少年「かならず3つの注意を守って!」

 

ところが、ビリーをはじめ街の人たちは、次々とこの禁止事項をやぶってしまいます。規則を守らなかったせいで、怖い目に遭ってしまうのです。

 

1.明るい光を嫌う! 日光は死をもたらす!

 

モグワイは光が苦手。太陽の光にあたると死んでしまいます。また、カメラのフラッシュや電灯を向けると、おびえてしまいます。

 

2.水をやらないこと! 濡らさないように!

 

 いちばん怖いのがコレ。水をかけると、モグワイは分裂して数が増えてしまいます。

 

3.真夜中すぎにエサを与えてはダメ!

 

夜中の12時をすぎてから食べ物を与えると、モグワイは凶暴に。悪そうな見た目に変化します。

 

 

 

考察:グレムリン=日本? 脚本に隠された日米の貿易摩擦

 

 

グレムリンの意味は小悪魔! 機械の中でイタズラする妖精!

 

ご紹介したように、この映画に出てくる不思議な生き物の名前は、“モグワイ”です。それでは、タイトルの“グレムリン”とは、どういう意味なのでしょうか?

 

これについては、ビリーの近所に住むフッターマンというおじさんが説明しています。彼は、第二次大戦のときは外国と戦った元・パイロット。いまは失業中の身で、外国製の自動車を嫌っています。

 

「外国製の機械には、小悪魔(=グレムリン)が住みついている。第二次大戦中、小悪魔(グレムリン)は、飛行機をおとした」

 

欧米では、機械が原因不明の誤作動をおこすことを、グレムリン効果と呼びます。機械の中に、小さな悪魔または妖精が住んでいて、穴をあけたりケーブルをかじったりイタズラすると思われていたのです。

 

フッターマンおじさんは、この言い伝えを別の意味でも解釈しています。映画開始から、約33分の場面。

 

「小悪魔は滅びていない。車、テレビ、ステレオ、時計・・・外国人は機械の中に小悪魔を仕かける」

 

フッターマンは、自動車や電化製品など、外国産のモノを毛嫌いしています。彼自身の失業とも関係がありそうです。

 

戦争は水面下で続いていた? 日米貿易摩擦が背景にあった!

 

映画の公開は、1984年。実は、1980年代、アメリカの対日貿易赤字がふくらんでいました。カラーテレビ、半導体部品、自動車・・・質の高い日本製品がアメリカで売れまくっていたのです。

(⇦ たとえば、SONYのウォークマン、TOYOTAの自動車など)

 

アメリカ国内で、日本人と間違われて中国人が襲われる事件も起きていました。それだけ、日米の経済摩擦が深刻だったのです。映画公開の時点では、この経済的紛争の出口はまだ見えていませんでした。

 

『グレムリン』の作中、アメリカの国旗が2度でてきます。

 

1回目は、ビリーの父・ランダルが、発明の見本市から電話をかけてくるシーン。手作りのカートを運転するお客さん。車の後ろには、アメリカ国旗が付けられています。

(⇦ “車はアメリカ製が一番”というメッセージ?)

 

2回目は、ビリーが警察署に相談しに行ったとき。ギズモは、机の上のアメリカ国旗で顔を隠します。保安官は、ギズモに「アメリカびいきだな」と話しかけます。

 

 

 

国旗だけではありません。

 

凶暴なモグワイがまぎれこんだカラーテレビを、ビリーがバットでぶっ壊すシーン。

ギズモが、アメ車のミニカーで、深夜のデパート内を疾走するシーン。

 

これらの映像表現が、日米貿易摩擦のメタファーであることは、想像に難くありません。

 

 

脚本家なのか、別の誰かなのか?

 

日本製品がアメリカ市場を席捲していることを快く思わない人たちが、この映画の製作に関わっていることが浮かび上がってきます。

 

もちろん、映画としては楽しい作品です。脚本からジャパンバッシングが見え隠れしても、それはそれ。むしろ、アメリカから妬まれるほど日本経済に勢いがあった時代を、懐かしくさえ思います。

 

子どものころに楽しんでいた作品が、大人になって見返すと別の顔が見えてくる。映画視聴の面白いところです。