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ツッコミたい気持ちを抑えろ!ホラー映画『ATM』あらすじとレビュー

ATM

極限状態に追いこまれた主人公が、正体不明の化け物や襲撃者とたたかう・・・ホラー映画で盛り上がるシチュエーションです。

 

ただ、この“極限状態”の作り方が上手でないと、作品そのものに乗れないことがあります。今回ご紹介するのは、ツッコまずにはいられないホラー映画『ATM』です。

 

シチュエーションスリラー!映画『ATM』の概要

 

『ATM』は、お金をおろしにきた若者3人が正体不明の男から狙われ、ATMのある部屋に閉じこめられてしまう、というホラー映画です。

 

ATM
原題 ATM
製作国 アメリカ
公開 2012年
上映時間 90分
監督 デビッド・ブルックス
脚本 クリス・スパーリング
出演 ブライアン・ジェラティ、アリス・イブ

 

 限定された空間に閉じこめられ主人公たちが、恐怖とたたかう・・・このタイプのホラー映画を、特に【ソリッド・シチュエーション・スリラー】と呼ぶことがあります。

 

『ソウ』や『CUBE』など、低予算ながらアイディアで勝負する傑作が生まれているジャンルです。

 

 映画『ATM』のあらすじと感想

 

 簡単なあらすじ

 投資会社に勤務するデビッド( ブライアン・ジェラティ)は、退職するエミリー(アリス・イブ)に気がありました。

 

ある真冬の夜。会社のパーティに参加したデビッドは、エミリーを車で自宅まで送ってあげようとします。ところが、同僚のコーリー(ジョシュ・ペック)が車に乗りこんできます。

 

酔っぱらったコーリーは

「ピザを食いたいから、ATMによってくれ」

と、デビッドに懇願。

 

デビッドは仕方なく、ATMの前に車をとめます。ところが、お金を引き下ろせないばかりか、3人ともATMのある部屋に閉じこめられてしまいます。

 

しかも、外にはフードを被った怪しい男が・・・男は、警備員を殺してしまいます。やべ~。頭のおかしいヤツが外にいる! 3人は、ATMから脱出を試みますが・・・

 

ツッコまずにはいられない!

この映画、どうしてもツッコまずにはいられないポイントが2つあります。

① なぜ、またATMに戻ってくるんだ!

主人公のデビッドは、2度3度ATMの外に出るチャンスがあります。車に、エミリーの携帯電話を取りに行ったとき。襲いかかってきた男に、一撃くわえたとき。

 

ところが、デビッドはわざわざ危険なATMにまた戻ってきます。

 

② 3対1だろ?  やっちまえよ!

正体不明とはいえ、相手はひとり。こっちは、3人。しかも、3人のうちデビッドとコーリーは健康な成人男性です。3人がかりで飛びかかれば、何とかなるんじゃないの~?

 

それでも楽しかった!

 確かに、ツッコミどころ満載です。“限定空間”の作り方だって、ウマいとは言えない。それでも、結構この作品を楽しめました。以下の3点があったからです。

① エンドロールで明らかにされる、犯人の計画

冒頭のシーン。ある男が見取り図に 、何やら角度や距離の数値を書きこんでいます。この男の計画については物語内で明かされず、エンドロールの途中で真相がほのめかされます。

 

謎がエンドロールまで持ちこされる展開に、思わずワクワクしてしまいます。

 

② デビッドの人間臭さに、思わず感情移入

物語の終盤。デビッドはエミリーに

「ボクが声をかけたために、君をこんな恐怖に巻きこんでしまった」

と、謝ります。するとエミリーは

「選択したのは私よ。自分の人生は自分で決めてきた。後悔はないわ!」

と、主人公顔負けのカッコいい台詞を放ちます。ホレてまうやろ~!

 

いっぽう。デビッドは、ズズ~っと鼻水をすすります。この期に及んで泣いているのです。もう、どっちが主人公かわからない。こういう人間臭さがあるだけで、キャラクターに愛着がわきます。

③ 全然グロくない

 ホラー映画に対して、身構えてしまう理由のひとつ。作品を見るまで、耐えられるレベルのグロさかどうかわからない、という点です。その点、『ATM』は目を背けたくなるような描写がほとんどありません。

 

 

映画の完成度と、作品の好き嫌いは必ずしも一致しません。

「どうよ? ちゃんと計算されてて、ウマいでしょ?」 と自己主張してくる傑作が鼻につくこともあれば、ツッコミどころ満載の駄作に愛着がわくこともあります。

 

ネットで低評価されてる作品が、刺さることもある。だから、映画は面白い!