最高の恋愛映画といえば、どんな作品が思い浮かびますか? 『タイタニック』?『きみに読む物語』? はたまた『君の名は。』?
映画『メリーに首ったけ』のヒロインであるメリーは、こんな発言をしています。「『ハロルドとモード』こそ、現代で最高の恋愛映画よ!」
その通り!(児玉清さん口調で)
この記事では、映画『ハロルドとモード 少年は虹を渡る』の概要とあらすじをご紹介、珠玉の名セリフについてもご紹介したいと思います。
『ハロルドとモード 少年は虹を渡る』は、こんな映画!
概要・・・西島隆弘、向井康二、カン・ハヌル主演の舞台も!
『ハロルドとモード 少年は虹を渡る』は、1971年のアメリカ映画。
生きる気力ゼロ。“自殺ごっこ”をして母親を困らせていた青年が、バイタリティあふれるおばあちゃんに出会って人生が一変! 生きる意味を見出してゆく人間ドラマです。
映画『ハロルドとモード 少年は虹を渡る』 | |
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原題 | Harold and Maude |
製作国 | アメリカ |
公開年 | 1971年 |
ジャンル | 人間ドラマ? |
監督 | ハル・アシュビー |
脚本 | コリン・ヒギンズ『大陸横断超特急』 |
出演 | ルース・ゴードン、バッド・コート |
『ハロルドとモード 少年は虹を渡る』は、アメリカでは今も熱烈に支持されている映画のひとつ。業界人にファンも多く、『メリーに首ったけ』のように映画やドラマの中で、たびたび本作に触れられることがあります。
『ハロルドとモード 少年は虹を渡る』は、日本では
- 2001年には井上芳雄さん主演で
- 2008年には「AAA」の西島隆弘さん主演で
- 2023年には黒柳徹子さん&向井康二さん(SnowMan)出演で
舞台化されています。
\情報解禁/
— ハロルドとモード (@HAROLD_MAUDE_jp) June 20, 2023
『ハロルドとモード』2023年公演にむけてオフィシャルHPをOPEN、Twitterも再始動!#ハロルドとモードhttps://t.co/Bhuy4smJJe pic.twitter.com/vbtKCplzXO
韓国でも、2015年にカン・ハヌルさん主演で舞台化。くり返し上演されるということは、本作が時代を越えて人々の心をとらえていることを示しています。
ジャンルは人間ドラマ? コメディ? 恋愛?
映画『ハロルドとモード 少年は虹を渡る』はツタヤなら、【人間ドラマ】に分類されるでしょう。アメリカではコメディに分類されることもあります。
ただ、自分とは異なる価値観の人を慕ってゆくという意味では、ド直球の“恋愛映画”です。
『ハロルドとモード』簡単なあらすじ
19歳のハロルド(ルース・ゴードン)は、裕福なおぼっちゃん。しかし、生きる気力なし。首を吊るマネをしたり、洗面所を血のようなインクで汚したり・・・死んだフリをして、ママを困らせていました。
ママはハロルドのためを思い、精神科医を紹介したり、元軍人のチャールズ伯父さんに相談したります。さらに、勝手にお見合い相手を募集します。
でも、ママが選別した女の子たちに、ハロルドは興味なし。火だるまになったり、ナイフで手首を落としてみせたり(どちらもフリだけ)、女の子たちを追い返します。
ハロルドがやすらぎを得られるのは、他人の葬儀に参加するときでした。
ある日のこと。ハロルドは、自分と同じように他人の葬式に顔を出す79歳のおばあちゃん・モード(ルース・ゴードン)と出会います。
モードの生き方は型破り!
他人の車を勝手に盗んだり、鳥とともに生活したり、街路樹の木を引き抜いて山に植え替えたりします。バイタリティあふれるモード。まるで、野に咲くヒマワリです。
ハロルドはいつしか、モードに恋するようになりますが・・・
『ハロルドとモード』珠玉の名セリフ&感想
モードは、波乱の人生を送ってきました。反体制運動に参加した過去があり、皇帝にえっけんしたこともあります。モードが発するにセリフには、味わいがあります。単なるセリフというより、私たちに教訓を投げかけてくれるのです。
「芸術の真価を知るには、時間がかかるもんさ!」
神父さんの車を盗み出したモードは、車の代わりに“聖人のメダル”を置いてゆきます。「こんな物をもらっても意味がわからない」という神父さんに、モードは上記のセリフを発します。
「なぜ世の中は、いまだにオリが好きなのかしら?」
置物や楽器に、傘。たくさんのモノであふれたモードの部屋には、ときおり鳥もやってきます。しかしモードは、鳥をカゴに閉じこめたりはしません。
モードは「動物園の動物たちを逃がしたこともある」と、自慢げにハロルドに語ります。
「いいこと? 世の中の不幸はこの花のような人がもたらす。他人と同様に扱われても、なんとも思わない人々が・・・」
モードは、ハロルドを植物園に連れてゆきます。白い花をハロルドに見せたモードは、「みな同じ顔をしている。でも実際は違う」と語ります。
モードは、人にはそれぞれ個性がある、と説きます。けれども、尊厳を踏みにじられたら、闘わなきゃいけない時もあると強調します。
「時にはバカもしていい。常識にとらわれすぎないで!」
ハロルドの伯父さんは、元軍人。極端な価値観の持ち主で「人に尊敬され、金もあり、アジアの女とも出会える」と、軍隊の良さばかり強調します。
伯父さんに感化されたハロルドは、モードを「この共産主義者め!」と追い立てます。モードは穴に落っこちてしまいますが、無事でした。
モードはハロルドを責めるどころか、「ときにはバカをしてもいい」と気遣ってくれます。
「同じ人間だからね」
モードは、どんな人とも対等に話します。相手の肩書や役職によって、態度を変えることはありません。人見知りなハロルドは、モードの姿勢に感心します。
>> Amazonプライムビデオ『ハロルドとモード』(字幕版)
なにげない二人のやりとりが、心に染みます。
ハロルド「(あなたは)人と関わるのがうまいね」
モード「同じ人間だからね」