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グランメゾン東京の原作?映画『二つ星の料理人』の脚本がスゴい!

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木村拓哉さん主演のTBSドラマ、『グランメゾン東京』が始まりました。

 

かつてミシュランの二つ星を取得したワケありの天才シェフが、パリで知り合った女料理人と共に、再起を図る物語です。

 

かねてから、2015年に公開された映画『二つ星の料理人』との類似性が指摘されていました。

 

ドラマの第1話をみた限り、設定はかなり似ています。しかし、「パクリだ」との批判が脚本家だけに向けられるのは、間違いだと思います。

 

 

 

元ネタ?映画『二つ星の料理人』のあらすじ

 

簡単なあらすじ

 

アダム(ブラッドリー・クーパー)は、ミシュランの二つ星を獲得したことのある伝説の料理人。パリの一流レストランで腕をふるっていましたが、私生活でトラブルを起こし、姿を消していました。

 

このレストランのオーナーの息子・トニー(ダニエル・ブリュール)は、騒動の責任をとって店を閉め、いまはロンドンのレストランを取り仕切っています。

 

 

そんなトニーの前に、行方をくらましていたアダムが、突然あらわれます。アダムは、「お前の店でシェフをやらせてくれ!」と、トニーに要求。トニーは怒り出し、アダムを店から締め出します。

 

そんなトニーのレストランに、料理評論家のシモーネ(ユマ・サーマン)が現れます。影響力のある彼女に「まずい」と言われたら、店の評判はガタ落ち。トニーはアダムに料理させ、ピンチを切り抜けます。

 

世界一のレストランを作って、三ツ星をとるんだ」と、夢を語るアダム。トニーは、もう一度アダムにチャンスを与えることにします。アダムは目標を達成するため、腕利きの料理人を集めてゆきます。

 

シングルマザーのエレーヌ、かつての同僚・ミシェル、刑務所を出たばかりのマックス。集まったのは、一筋縄ではいかぬ料理人ばかり。

 

アダムは料理のできが悪いと、容赦なく部下をののしってしまいます。アダムと料理人たちのあいだには、いさかいが絶えませんが・・・

 

 

クライマックスの爽快感がスゴい!

 

 

映画『二つ星の料理人』は、登場人物の配置がとても上手いです。いがみ合っていたキャラクターたちが、最高の料理を提供するために協力し、素晴らしいチームワークを発揮する・・・

 

クライマックスには、スポ根ものを思わせるような爽快感があります。

 

仲間を集めて、時にはケンカしながらも最後はまとまって難題に立ち向かう。お話の流れは、王道の少年マンガと通じるものがあるし、映画でいうとオーケストラものの構成と似ています。

 

 

出演陣も、超豪華です。

 

・ブラッドリー・クーパー(アメリカン・スナイパー)

・オマール・シー(最強のふたり)

・ダニエル・ブリュール(グッバイ・レーニン)

・アリシア・ヴィキャンデル(リリーのすべて)

・リリー・ジェームズ(ベイビー・ドライバー)

 

主役級のキャストを揃えすぎると、話がわき道にそれてしまうことも珍しくありません。でも、『二つ星の料理人』の上映時間は、101分です。主役とわき役をはっきり区別したコンパクトな脚本には、驚かされます。

 

 

Amazonプライムビデオ『二つ星の料理人』(吹き替え版)

 

 

 

『グランメゾン東京』と『二つ星の料理人』の類似点

 

 

ドラマ『グランメゾン東京』の第1話を観ました。映画『二つ星の料理人』と似ている点を挙げると・・・

 

・二つ星のシェフが、三ツ星レストランをめざすところ

・主人公が、口汚く部下の料理人をののしってしまうところ。

・主人公とレストランの支配人との間にわだかまりがありつつも、一緒にやってゆくところ。

・影響力のある料理評論家が、レストランの存続に関与するところ。

・映画では主人公に恨みをもつ人物が、ソースに唐辛子を入れる/ドラマでは主人公に恨みをもつ人物が、アレルギー食品を混入

・映画では主要人物が『スターウォーズ』など、映画に関するジョークを言う/ドラマでは、倫子が「それを言っちゃあ、おしめえよ」と、『男はつらいよ』の寅さんのセリフを言う

 

 

確かに、映画『二つ星の料理人』と類似点が多いです。特にいちばん最後の部分は、キャラクターの特殊なパーソナリティに関するものなので、『二つ星の料理人』を観ずに書いたものとは思えません。

 

ただ、こういうときに脚本家だけが「パクリだ!」と非難されるのは、ちょっと違うと思います。

 

 

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パクリ脚本家という誤解!ドラマは、プロデューサー主導で作られる!

 

 

連続ドラマ製作の流れ

 

 

連続ドラマの場合、始めに主演俳優と放送枠が決まっていて、そこから企画がスタートするケースがほとんどです。マンガや小説などの原作が決まっている場合もあれば、主演と放送枠だけ決まっていて、内容は白紙の場合もあります。

 

このとき、プロデューサーや主演俳優側からこういう作品やりたいんだけど・・・とリクエストがあれば、脚本家はその要望に沿って企画を立てます。

 

ドラマのプロデューサーと脚本家は、主従の関係。

 

プロデューサーから

「『プリズン・ブレイク』みたいの書いて!」

と言われればそれに従い、

「『コールド・ケース』みたいなの書いて!」

と言われれば、それに従うのが脚本家です。

 

提案されたアイディアをもとに、脚本家が企画書を出します。主演俳優と所属事務所の了解を得られれば、初めてドラマ製作は動き出すのです。

 

 

脚本家は、小説家のように書きたいものを書く職業ではありません。

 

オーダーを受ける ⇨ 設計図(企画書)を出す ⇨ Goサインが出たら、製作

 

こういった仕事の流れからみてもわかるように、建築家に近い職業です。

 

 

いずれにしろ、プロデューサーはかなりの洋画や海外ドラマを観ています。なみの映画好きが敵わないほど、多くの作品を知っています。彼らの知らないところで、脚本家が勝手にパクる、というのは考えにくいです。

 

こういった騒動は今回に限ったことではありません。海外ドラマが話題となるたびに、日本で似たようなドラマが作られ続けています。

 

誰か個人の責任というより、ドラマ業界全体が抱える問題といえます。

 

 

海外ドラマそっくりの作品が企画される理由とは?

 

 関連:『絶対零度~未然犯罪潜入捜査~』の元ネタ?米ドラマ『PERSON of INTEREST』とは?

 

 

 

『二つ星の料理人』にはないオリジナル要素だって、結構ある!

 

 オリジナルとパクリは、線引きの難しい問題です。

 

『グランメゾン東京』が、映画『二つ星の料理人』をまったく知らずに作ったとは考えにくいですが、オリジナル要素もたくさんあります。

 

 

たとえば、バディの倫子(鈴木京香)の存在です。

 

「天才だけど、ワケあって表舞台から消えた」という主人公には既視感がありますが、その相棒が50近いオバサンというのは新鮮です。

 

映画では主人公自身がシェフとして三ツ星レストランを目指しますが、ドラマでは主人公は倫子をサポートする役回り。これだけでも、ずいぶん印象は変わってきます。

 

また、第2話では、主人公の尾花たちが融資を求めて銀行に行く場面が描かれます。このあたりは、映画にはない要素です。今後も、オリジナルの要素が増えてゆくことでしょう。

 

いち視聴者としてみれば、第1話は爽快感があって楽しいドラマでした。

 

 

 

ただ、『SUITS/スーツ』や 『グッドワイフ』のように、正式にリメイク権を買い取って製作してくれていたら、「パクリだ」と騒がれることもなかったでしょう。