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Amazonドラマ『フリーバッグ』シーズン1あらすじと考察

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動画配信サービス、Amazon プライムのオリジナルドラマ、『フリーバッグ』。2019年の北米テレビの批評家協会賞を受賞し、エミー賞ではコメディ部門の最優秀賞にも輝いています。

 

いったい、どこが優れたドラマなのか?

 

この記事では、シーズン1のあらすじをご紹介しながら、ドラマのどこが評価されたのか考察してゆきたいと思います。なお、できるだけネタバレは避けています。

 

 

エミー賞受賞の海外ドラマ『フリーバッグ』とは?

 

タイトルの意味は?

 

タイトルであり、主人公の役名でもある『フリーバッグ』。これには、どんな意味がこめられているのでしょうか?

 

英語の【 fleabag 】は、「安ホテル、不潔な人」という意味です。このドラマでは、“すぐ寝る女”というニュアンスで使われています。

 

『フリーバッグ』は、こんな海外ドラマ!

 

主人公は、街でいい男とすれ違えば“ヤること”を妄想し、ノートPCを開いてはひわいな画像を見て楽しみます。性欲の強さは、依存症レベル。

(⇦ きわどいのは、セリフのみ。実際に映像できわどい場面は、ほとんどありません)

 

自分の欲望に素直な主人公が周りに毒づき、ときに傷つきながら、現代のロンドンを生きてゆきます。

 

1話は、たった25分程度。シーズン1は、全6話。2時間半あれば、サクッと見ることができます。

 

動画配信サービス、『Amazon プライムビデオ』のオリジナル作品です。視聴するためには、月額500円のAmazon プライム会員となる必要があります。

 

 

Amazonドラマ『フリーバッグ』シーズン1のあらすじ

 

 主人公・フリーバッグは、つきあっていた彼氏にフラれます。理由は性生活に満足できず、彼の寝ている横で一人エッチしていたから。ノートPCで見ていたのは、演説をするオバマ大統領の動画でした(笑)

 

ロンドンで、小さなカフェを営む主人公。お店の資金を融資してもらおうと銀行に行きますが、断られます。フリーバッグは下着を見せて行員を誘惑しようとしますが、相手は激おこ! 銀行を追い出されてしまいます。

 

仕方なくフリーバッグは、あまり好きではない姉に、お金を借りにゆきます。その姉は、情緒不安定。夫との夜の営みがないことに悩んでいました。

 

姉の誕生パーティがあると知ったフリーバッグは、大人のおもちゃをプレゼントしようとしますが・・・

 

Amazonビデオ『フリーバッグ』シーズン1(吹き替え版)

 

 

考察:『フリーバッグ』のどこが面白いのか?

 

視聴者に話しかけてくる主人公

 

ドラマ『フリーバッグ』の大きな特徴。それは、主人公が視聴者に語りかけてくること。移動するバスの中で、セックスの真っ最中に、主人公はとつぜん画面に向かって話しかけてくるのです。

 

海外ドラマに詳しいかたなら、お気づきかもしれません。ケビン・スペイシー主演の『ハウス・オブ・カード 野望の階段』とまったく同じ手法です。あのドラマでは、大統領をめざす主人公が、二枚舌で本音と建て前を使いわける様子が描かれていました。

 

 『フリーバッグ』でも、ドラマの進行中、主人公がときどきカメラ目線で語りかけてきます。慣れないと違和感があります。ただ、これによって主人公の本当の気持ちが見えてきます。

 

いい男とすれ違ったら「ワオ! セクシー」ともらし、ブサメンから話しかけられたら「黙れ!」と毒を吐きます。

 

この演出のおかげで、ブラックコメディとしての面白さが際立っているのは間違いないでしょう。ただし、このドラマの素晴らしさはそれだけではありません。

 

 

こんな共感できない主人公あり?

 

 このスタイルを取るのには、理由があると思います。主人公・フリーバッグは、父との会話の中で、自分のことをこう評しています。

「わたしは、強欲で変態で、自己中で薄情者よ。皮肉屋で下品で、不道徳でフェミニストじゃない」

 

主人公は平気で人の物を盗んだり、性に奔放すぎることから周囲とのあつれきを生みます。依存症を治すためにセラピーに参加しますが、そこでも周りに迷惑をかけて仲間外れにされてしまいます。

 

型破りというより、徹底的に空気を読めない人間。それゆえに、孤立します。自分勝手に生きているようにみえて、内に孤独を抱えているのです。

 

 

生きづらさを感じている人々への応援歌!

 

 ここまで空気が読めないと、ドラマのキャラクターとしては感情移入することが難しくなります。どちらかといえば、今までの映画やドラマでは敵役になるタイプだからです。

 

だからこそ、画面に話しかけるというスタイルをとって、主人公と観客との距離を縮めようと工夫したのではないでしょうか?

 

その意味では、このドラマ自体が、「周りから浮いている」「相手の気持ちがわからず、うまく人間関係を築けない」人へのエールにもなっています。

 

 また、一般の視聴者に向けては、こういった症状に苦しんでいる人を理解する助けともなります。たんに面白いだけでなく、とても意義深いドラマだといえます。