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NHKで地上波放送!『この世界の片隅に』あらすじ&声優、用語も解説

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2016年に劇場公開され、異例の大ヒットとなったアニメ映画『この世界の片隅に』が地上波テレビで初めて放送されます。

 

この記事では、『この世界の片隅に』の簡単なあらすじと出演声優をご紹介します。

 

また、本作は戦争中の広島県呉市を描いた作品。歴史や背景など、戦時中の知識がないと理解できないことも少なくありません。

 

そこで、物語を楽しむための文化・用語について解説もしています。

 

 

 

地上波テレビ放送はノーカット?

 

アニメ映画『この世界の片隅に』の地上波放送。放送日時は、2019年8月3日(土)です。

 

NHK総合テレビにて。

 

よる9時から。

 

 

 完全ノーカット、CMもなし。録画してでも観ておきたいところです。

 

 

またNHK総合では、8月10日(土)の午後9時から、『#(ハッシュタグ)あちこちのすずさん~戦争中の暮らしの記憶~』という番組も放送されます。

 

視聴者から集めた、戦争中をけんめいに生きた人々の、何気ないエピソードを紹介する特別番組です。

 

 

 

アニメ『この世界の片隅に』簡単なあらすじ【ネタバレなし】

 

 

 

 

 すずさんは、絵を描くのが好きで、おっとりした女の子

 

 

広島に生まれ育った浦野 すず(声:のん)は、3人兄弟のまん中。おっとりしていて、しっかり者の兄からは、よく怒られます。

 

そんなすずにも、得意なことがありました。絵を描くことです。中学のときには、おさななじみの水原 哲(声:小野大輔)の代わりに描いた絵が、コンクールで入賞したこともありました。

 

そんな彼女の運命を変える出来事が起きます。すずが18歳のときのこと。広島から電車で2時間ほどの距離にある呉市(くれし)から、北條 周作(細谷 佳正)とその父が、浦野家をおとずれます。

 

幼少時代にすずを見かけた周作は、一目ぼれ。それ以来、彼女を思い続け、ついに結婚を申しこみにきたのでした。

 

すずは周囲にすすめられるまま結婚し、呉市の北條家へ嫁ぐ(とつぐ)ことになります。

 

 

義理のお姉さんの径子(けいこ)、すずにつらく当たる

 

 

すずは、北條家に嫁いだばかりの頃は、優しい義父、おだやかな義母、周作と4人で暮らしていました。

 

しかし、すずに転機が訪れます。周作の姉である黒村 径子(声:尾身 美詞)が、娘の晴美を連れて、北條家に戻ってきたのです。

 

径子はとつぎ先の義母たちとうまくゆかず、離縁して帰ってきたのでした。活発できびきびとした径子は、すずとは真逆のタイプ。そのせいか、すずはたびたび径子から小言を言われ、ストレスをためてしまいます。

 

そのいっぽうで、娘の晴美とは仲良くなり、いっしょに軍艦を見にいったり絵を描いてあげるなどしていました。

 

 

遊郭での出会い、義父の入院

 

ある日のこと。

 

戦時中は貴重だった砂糖をいれた壺に、アリがたかってしまいます。すずと晴美は、アリが入ってこないように、砂糖壺を水がめのなかに隠そうとしまいます。ところが、壺は水中に沈没! 使い物にならなくなってしまいます。

 

すずは義理の母からヘソクリをもらい、呉市のヤミ市に砂糖を買いに出かけます。ところが、その帰り道に、すずは道に迷ってしまいます。

 

すずに道を教えてくれたのが、遊女の白木 リン(声:岩井七世)でした。すずがお礼にスイカの絵を描いてあげると、リンは喜びます。

 

 

 

昭和20年。

 

この頃から、少しずつ空襲警報が発令されることが増え、呉の住民たちも空襲におびえる日々を過ごすようになります。

 

そんな中、義理の父が空襲がもとで、怪我をしてしまいます。すずと晴美は、海軍病院に入院した義父のお見舞いにゆきますが・・・

 

 

 

 『この世界の片隅に』登場人物&キャスト声優

 

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ヒグポンさんによる写真ACからの写真

 

 

浦野家(=主人公すずの、実家の家族)

 

 

浦野 すず(うらの すず) ⇨ 北條 すず(ほうじょう すず)・・・のん

 

本作の主人公。

 

広島県江波(えば)の海苔梳き(のりすき)の家で育つ。のんびり屋さんでぼ~っとしている。特に、北條家にとついでからは、あまり感情を表に出さなくなる。

 

絵を描くのが好き。

 

 ※海苔梳き(のりすき)とは、海苔づくりの作業工程のこと。生の海苔を細かくきざみ、すのこの上に並べた木の枠に平らになるよう、敷きつめてゆきます。

 

それが乾いたものが、『板のり』となります。

 

 

浦野 要一(うらの よういち)・・・大森 夏向(おおもり かなた)

 

すずの兄。怒るとすぐにゲンコツで殴る。

 

妹たちからは、『鬼いちゃん』と呼ばれて、怖がられている。陸軍の軍人として、ニューギニアに出征する。

 

 

浦野 すみ(うらの すみ)・・・潘 めぐみ(はん めぐみ)

 

すずの、1歳ちがいの妹。

 

子どもの頃から、すずのよき相談相手。戦時中は、女子挺身隊(下段、用語集を参照⇩)に入り、工場で勤務するようになる。

 

 

 

北條家(=主人公すずの、とつぎ先の家族)

 

 

北條 周作(ほうじょう しゅうさく)・・・細谷佳正(ほそや よしまさ)

 

すずの夫。海軍の軍法会議所で、調書の作成・記録の仕事をしている。

 

おさない頃にすずの姿を見て、一目ぼれする。

 

 

黒村 径子(くろむら けいこ)・・・尾身美詞(おみ みのり)

 

周作の姉。

 

結婚して、時計屋をいとなむ黒村家にとつぐが、夫が病死してしまう。黒村家が引っこすのを機に離縁し、実家に戻ってくる。

 

久夫、晴美の2人の子どもがいるが、長男の久夫は黒村家に引きとられた。

 

 

黒村 晴美(くろむら はるみ)・・・稲葉 菜月(いなば なつき)

 

径子の娘。すずによく懐いて(なついて)いる。

 

軍艦の名前にやたら詳しい。

 

 

北條 円太郎(ほうじょう えんたろう)・・・牛山 茂(うしやま しげる)

 

周作の父。軍需工場の技師。航空機や戦艦を作る仕事をしている。

 

 

北條 サン・・・新谷真弓(しんたに まゆみ)

 

周作の母。足が不自由なため療養しているが、かんたんな家事は手伝っている。

 

 

 

その他

 

 

水原 哲(みずはら てつ)・・・小野 大輔(おの だいすけ)

 

すずの幼なじみ。すずとは、少なからず想い合う仲だったが、恋仲になることはなかった。

 

海軍に入隊し、大型の巡洋艦・『青葉』の乗組員となったのち、すずと再会をはたす。すずと、気兼ねなく話すことができる。

 

 

白木 リン(しらき りん)・・・岩井七世(いわい ななせ)

 

呉にある遊郭(ゆうかく)・『二葉館』ではたらく遊女。道に迷ったすずと、思いがけず出会う。

 

 

 

 

 

『この世界の片隅に』用語集(あいうえお順)

 

 

 

周作との結婚を控えるすずに、ばあちゃんが晴着を渡すシーンで、次のようなやり取りがあります。

 

ばあちゃん「祝言(しゅうげん)の晩に、婿さん(むこさん)が『傘を1本持ってきたか?』と言うてじゃ・・・」

すず「うん?」

 

ばあちゃん「ほしたら、『新なの(=新しいもの)を1本持ってきました』言うんで。

ほいで、『さしても、ええかいのう?』言われたら、『どうぞ』言う。

ええか?」

すず「なんで?」

 

ばあちゃん「なんでもじゃ!」

 

これは、結婚初夜の男女の営みに関する合言葉です。ばあちゃんは、遠方の呉市(くれし)に嫁ぐすずさんに、初夜のお誘いに関する作法を教えたのです。

 

 

かなとこ雲

 

晴美ちゃんに軍艦のことを教えてもらったすずさん。代わりに、雲の名前を教えてあげます。

 

もくもくと巨大な積乱雲のてっぺんが、水平に広がった状態。見た目は、エリンギに似た雲です。

 

金属加工をおこなう際に用いる作業台『金床』に似ていることから、「かなとこ雲」と呼ばれます。ゲリラ雷雨が近づくサインでもあります。

 

 

間諜(かんちょう)

 

いわゆる、スパイ行為のこと。

 

当時は、軍艦を許可なく撮影したりスケッチを描くことは、違法行為でした。戦艦をスケッチしていたすずさんは、憲兵たちに取り調べを受けます。

 

これは、スパイ行為を疑われてのもの。

 

ただし、通常ならば自宅ではなく、憲兵の詰め所(つめじょ)に連行されて徹底的に取り調べを受けます

 

 

憲兵

 

憲兵に、スパイ行為を疑われたすずさん。義理のお母さんと径子(けいこ)は、憲兵が帰ったあと、大笑いします。なぜでしょう?

 

ぼ~っとしていてドジなすずさんが、暗号を使ったり、軍事機密を盗もうとするはずない。普段のすずさんを知っている人からすれば、疑われるなんて笑い話でしかなかったのです。

 

 

玉音(ぎょくおん)放送

 

玉音(ぎょくおん)とは、天皇の肉声のこと。

 

「玉音放送」は、特に、1945年8月15日正午に行われた昭和天皇による『終戦の詔書(しょうしょ)』に関する音読放送をさすことが多い。

 

昭和天皇が終戦を国民に知らせる内容で、レコードに録音した天皇の朗読を、ラジオで流したのです。

 

 

時限爆弾

 

呉市の空襲に使われた爆弾には、「1/40秒遅動信管」が多く使われています。すぐに着火するのではなく、コンクリートを突き破り、地中に入ってから爆発するタイプ。

 

中には、長時間で発動する「時限信管」を混ぜたものもあり、時限爆弾に見立てられています。アメリカ軍がこの兵器を使用したのは、空襲のあとの消火作業を混乱させる狙いがありました。

 

 

女子挺身隊(ていしんたい)

 

里帰りしたすずが、妹のすみに

「すみちゃん、挺身隊はどんな?」

と、聞く場面があります。

 

男性が戦争にかり出され、労働力が不足していました。そこで、14~25歳の未婚女性が“勤労奉仕”(=ただ働き)という形で、工場に集められました。

 

 

戦艦大和

 

 すずさんがお嫁にいった広島県の呉市(くれし)には、艦船や航空機を製造する工場がありました。その規模は、東洋最大ともいわれています。

 

ここで製造されたのが、戦艦大和。

 

第一次大戦後に結ばれた軍縮条約の期限がすぎると、世界各国はふたたび軍艦を建造するようになります。国力で劣る日本は、数では他国にかないません。

 

そこで、性能でまさる戦艦をもつことを考えます。そこで重視されたのが、主砲の大きさ。46センチ主砲が搭載されています。

 

たんぽぽ

 

エンディングテーマ曲は、「コトリンゴ」さんの唄う『たんぽぽ』。

 

いっぽい。オープニングで、映画のタイトルが出てくるときに挿入されるのが、たんぽぽのイラスト。

 

映画は、たんぽぽで始まり、『たんぽぽ』で終わっています。

 

 

楠公飯(なんこうめし)

 

主食のコメが手に入りづらかった戦時中に行われていた、炊飯方法。お米の量を水増しする調理法です。武将の楠木 正成(くすのき まさしげ)がろう城するときに考案したことから、楠公飯とも呼ばれます。

(⇦ 楠木正成公の飯)

 

① 米を炒る(いる)

② 通常の3倍の水を入れて、ひと晩つける

③ ふつうに炊く(たく)

 

炒る(いる)ことで吸水性がアップするので、米つぶは、普通に炊いた(たいた)ときの2倍ぐらいにふくれます。

 

 

脳みそ

 

すずの兄・浦野 要一は戦死。遺族のもとに届いたのは、石ころひとつのみ。

 

すずは、その石ころをみて、

「鬼イちゃんの脳みそ?」

と、つぶやきます。

 

戦争では遺体の収容がかなわず、戦地の砂や石ころなどを「仮の遺灰」として遺族のもとへ返すことも珍しくありませんでした。

 

 

配給当番

 

昭和13年(1938年)に国家総動員法が成立します。長期化する戦争に備えるため、資金や物資など国民生活は軍需優先に・・・

 

段々と生活物資が不足するようになり、お米、砂糖、お味噌、マッチなどは配給制となります。人々は政府から配布された切符をもって、決められた時間に並び、受け取るようになったのです。

 

配給とは、ひとりひとりに物が割り当てられ、人々はその範囲内でお金を払って物を手に入れることです。配給品を配る人は当番制で、町内会を通じて順番に担当しました。

 

 

箸(はし)

 

すずや妹が、お雑炊を食べているときに、おばあちゃんがこんなセリフを語ります。

 

「箸(はし)を遠くへ持つ子は、遠くへお嫁に行く、いうけんね」

 

箸の上のほうを持つ人は遠くにお嫁に行き、下のほうを持つと実家の近くにお嫁に行く・・・こんな言い伝えがあります。

 

地域によっては、箸の上のほうを持つと婚期が遅くなる、とも言われています。

 

 

病院

 

すずが晴美ちゃんを連れて向かったのが、海軍病院です。

 

呉海軍病院は、明治22年に創設。昭和22年7月に空襲をうけ、病棟は全焼してしまいます。映画でも出てくる階段は、いまも残っています。

 

 

 モガ

 

モガは、モダンガールの略。大正から昭和初期にに使われた言葉で、欧米で流行のファッションに身を包んだ女性をさします。

 

具体的には、髪はボブ・カット、帽子はクロッシェ(ちりめんのような素材で、釣鐘型)、スカートはひざ下まで。

 

森永のミルクキャラメル

 

すずさんが欲しいものとして挙げた、森永製菓の『ミルクキャラメル』。当時は、大箱(=20個入り)と小箱(=10個入り)が発売されていました。

 

大箱は10銭、小箱は5銭です。(1円=100銭)

 

 

もんぺ

 

すずは、義理の姉である径子(けいこ)から、

「なんねえ、そのツギハギだらけのもんぺは!」

と、言われます。

 

 

『もんぺ』とは、ももひきに似た袴(はかま)の一種。戦時中は、“婦人の標準服”として、国から着用が推奨されていました。

 

 

 遊郭

 

遊女をかかえた家が、多くあつまる地域。

 

物語に登場する朝日遊郭は、戦前に実在していました。朝日遊郭は、明治5年に開業。利用客の多くは、海軍の下士官、戦艦工場の職工などでした。

 

終戦間際の空襲によって、壊滅してしまいます。

 

 

 ユーカリ

 

すずが、

「ユーカリの葉、とってきましたんで、蚊遣り(かやり)に使うてください」

と、おばさんに渡すシーンがあります。

 

 

「蚊遣り」(かやり)とは、蚊を追い払うために草木の葉をいぶしたり、香をたいたりすること。

 

ユーカリの葉から出る成分・シネオールの臭いは、多くの虫が苦手としています。

 

 

以上、「NHKで地上波放送!『この世界の片隅に』あらすじ&声優、用語も解説」でした。