映画ときどき海外ドラマ

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タランティーノ監督作品一覧!日本映画からの影響も!

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映画『パルプ・フィクション』で全世界のファンを虜にした、クエンティン・タランティーノ監督。過激なバイオレンス・型破りな構成・B級映画へのオマージュ・クールなセリフの応酬・・・いまもなお映画マニアの心をくすぐる作品を撮り続けています。

 

この記事では、そんなタランティーノの長編監督作のあらすじ&見どころをご紹介します。なお、ネタバレはしていません。


レザボア・ドッグス(1992年)

あらすじ

銀行強盗をするため、正体のわからない6人の男たちが集められた。彼らは、お互いを『Mr.ブラウン』『Mr.ブルー』などコードネームで呼び合う。宝石店で強盗を試みた彼らだったが、店には警察が待ち構えていた。

 

警察との攻防で、『Mr.オレンジ』は重症を負ってしまう。やっとのことでアジトに逃げ帰った『Mr.オレンジ』たちの前に現れた『Mr.ピンク』が語る。

 

「この中に裏切り者がいる。サツにチクった奴がいるぞ・・・」

見どころ

革新的なのは、かんじんの強盗シーンをいっさい映さないこと。強盗計画が失敗し、車で逃げ帰る男たちの会話から、強盗のてん末が語られてゆきます。

 

話は事件に関することばかりでなく、マドンナのヒット曲「ライク・ア・ヴァージン」の解釈など、どうでもいい会話もはさまれます。

 

通常、映画のセリフは物語を進展させる機能をもっていますが、タランティーノ作品のおけるセリフはそれだけではありません。

 

緊迫した場面で、全然関係ない趣味を熱く語るキャラクター。しかも、クドい。妙に人間臭さがあり、魅力的です。

パルプ・フィクション(1994年)

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あらすじ

4つのエピソードがオムニバス形式で語られてゆきます。

 

1:強盗のパンプキンとハニーバニーのカップルが、場末のレストランで犯行におよぶ。

 

2:マフィアに雇われた殺し屋、ビンセントとジュールス。裏切り者の始末とアタッシュケースの奪還を命じられ、現場に向かう。

 

3:ビンセントは、マフィアのボス・マーセルスの妻ミアの相手をするよう頼まれる。美しいミアと楽しい夜をすごすビンセントだったが、間違っても一線を越えてはならない。そんとき、思いもよらない事態がおこり・・・

 

4:全盛期をとうに過ぎたボクサーのブッチは、マフィアのボス・マーセルスから八百長試合を持ちかけられる。ところが、ブッチは負ける約束だった試合に勝ってしまう。報復を恐れた彼は、恋人のファビアンと街から逃げ出そうとするが・・・

見どころ

オムニバス形式は、けっして珍しくはありません。ところが、本作はただのオムニバスではありません。

 

あるエピソードの主人公が、次のエピソードでは脇役に回ります。さらに時間軸も前後し、観客は頭の中で時間の順序を再構成する必要があります。

 

突如おとずれるバイオレンス、シェイクとチーズバーガにこだわるどうでもいい会話、サブカルチャーに関する深い造詣・・・

 

『パルプ・フィクション』とは、大衆向けの安い娯楽雑誌のこと。どうでもいいエピソードを大胆な構成でみせる、意欲作です。

 

ただし、今この作品を観て目新しさを感じないとしても、ムリはありません。これ以降、この構成をマネしたフォロワー作品が多数あらわれたからです。

 

それだけ、多くの監督に影響を与えた作品といえるでしょう。

ジャッキー・ブラウン(1997年)

 あらすじ

メキシコの航空会社ではたらくジャッキーは、ベテランのスチュワーデス。借金に苦しむ彼女は武器商人オデールに頼まれ、運び屋をやっていたが、FBIに逮捕されてしまう。

 

オデールが自分を消そうとしていると知った彼女は、密売人とFBIの両者を共倒れさせようと一世一代の計画に挑む。

見どころ

悪のサミュエル・L・ジャクソン、すっとぼけたロバート・デ・ニーロという配役が、まず楽しい。

 

そして、タランティーノ演出の魅力のひとつである、情報の格差。密売人とFBIは、罠にかけられていることを知りません。知っているのは、ジャッキーたちと観客だけ。

 

情報を共有していることを利用した画面構成のおかげで、私たちはあたかもジャッキーの共犯者として、事件の経緯を見守るドキドキ感を得られます。

 

キル・ビル Vol.1(2003年)・・・日本映画の影響が色濃く

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あらすじ

殺し屋の仕事から足を洗い、結婚生活を選んだザ・ブライド。ところが、彼女が結婚式のリハーサルをしている教会に、組織のボス・ビルとその部下4人が乱入! 婚約者と参列者を惨殺され、ブライド自身も意識不明の重体となる。

 

昏睡状態から目覚めた彼女の、復讐がはじまる。

 

見どころ

タランティーノ自身が大ファンだという、日本のB級映画の影響がいたるところに見受けられます。

 

まずはキャスト。深作欣二監督の『柳生一族の陰謀』(1978年)で、剣豪の柳生 三厳(やぎゅう みつよし)を演じていた千葉真一。本作では、刀鍛冶としてブライドに剣技をさずける服部半蔵を演じています。

 

そして、本作で鮮烈な印象を残すのが、女子高生の殺し屋・GOGO夕張を演じた栗山千明。やはり深作欣二監督の『バトルロワイヤル』での演技が、タランティーノの目に止まったようです。

 

また、ヤクザの親分・田中親分を演じた國村隼。こちらは、三池崇史監督の『殺し屋1』を観たタランティーノから、直々のオファーを受けたようです。

 

雪のつもった庭で、剣を交えるラストバトルは梶芽衣子主演の『修羅雪姫』から。また、エンディングで流れる「恨み節」は、同じく梶芽衣子主演の『女囚 さそりシリーズ』の影響を受けています。

 

 

 

キル・ビル Vol.2(2004年)

あらすじ

オーレン石井とヴァニータ・グリーンに仇討ちを果たしたザ・ブライド。残る2人の殺し屋と組織のボス・ビルへの復讐を誓う。

 

見どころ

前作と違って、本作はラブストーリーの要素が強くなっています。実は、組織のボス・ビルは、ザ・ブライドに目をかけていました。教会を襲撃したのは、ブライドを別の男に取られたという、嫉妬と怒りからだったのです。

 

ビルの本心に気づいた時、ブライドの反応は?

 

デス・プルーフ in グラインドハウス(2007年)

あらすじ

ラジオDJのジュリアの前に、何度も現れる男・マイク。みずからスタントマンでと称し、個性的な会話で女の子たちを楽しませる。しかし、マイクの正体はおそろしい殺人鬼だった。ジュリアと友達の女の子たちは無残にも襲われてしまう。

 

それから、14ヶ月後。マイクは新たな標的を見つける。ところが、狙われた女性・ゾーイたちは只の女ではなかった・・・

 

見どころ

「グラインドハウス」とは、低予算のB級映画を2本立て、あるいは3本立てで上映するアメリカの映画館のことです。本作は、70年代にはやったこの方式で公開されることを目的に製作されました。

 

本来は、『プラネット・テラー』『デス・プルーフ』『予告編(実在しない映画の)』の3本立てで、70年代・80年代のB級映画にオマージュを捧げる形で作られました。ところが、日本では別々に公開される運びとなってしまいました。

 

なお、『予告編』で流れていた映画のひとつ、『マチェーテ』はロバート・ロドリゲス監督によって2010年に本当に映画化されました。

 

イングロリアス・バスターズ(2009年)

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あらすじ

ナチス占領下のパリ。子どもの頃に家族を惨殺されたショシャナは美しい女性へと成長、映画館の館主となります。そんな彼女の前に、にっくきハンス大佐が現れます。

 

ハンス大佐はドイツのプロパガンダ映画のプレミア試写会を、ショシャナの映画館で行ないたいと申し出ます。

 

いっぽう。アメリカ陸軍中尉のレインは、ユダヤ系アメリカ人8人からなる、『バスターズ』を結成。市民にまぎれて敵地に潜入し、ドイツ人たちを血祭りにあげようと計画します。

 

見どころ

ヒトラー、ゲッペルスら実在の人物を登場させながら、史実とは異なる結末をむかえる、というのが本作の最大の特徴。

 

また、英語・フランス語・ドイツ語・イタリア語など、さまざまな言語が飛び交います。言葉を知らないことがサスペンスを生み、ユーモアを生んでいます。

 

もっとも魅力的なキャラクターが、悪役ハンス・ランダ大佐。母国語のドイツ語はもちろん、フランス・英語・イタリア語を操り、交渉の場を牛耳ってゆきます。

 

「雄弁なものこそ、その場を支配する」

タランティーノ映画の大原則を体現するキャラクターといえるでしょう。

 

ジャンゴ 繋がれざる者(2012年)

あらすじ

黒人奴隷のジャンゴは、賞金稼ぎのシュルツに命を救われます。ジャンゴの銃の才能に気づいたシュルツは、銃の扱いと仕事を教えます。

 

ジャンゴには生き別れた妻・ブルームヒルダがいました。彼女がミシシッピの農園に囚われていることを知ったシュルツとジャンゴは、差別的な農園領主キャンディの屋敷に近づきますが・・・

 

見どころ

黒人に差別的な領主のレオナルド・ディカプリオ、そして黒人でありながら同胞を平気で売ってしまう執事のサミュエル・L・ジャクソン。

 

2人の徹底的な悪役っぷりはさすが、というところ。本国アメリカでは、劇場で観ていた黒人の観客が拍手喝采だったそうです。

 

タランティーノ初の西部劇は、勧善懲悪のわかりやすい内容となっています。もちろん、バイオレンスは全開ですが・・・・

 

ヘイトフル・エイト(2015年)

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あらすじ 

賞金稼ぎのマーキスは凍った死体をお金に替えるため、辺境の町レッドロックへ向かっていた。しかし、猛吹雪で足止めをくってしまう。

 

そこに現れたのが、同じく賞金稼ぎのジョンと、ジョンに捕まった女泥棒のデイジー。3人に新人の保安官・クリスを加えた一行は、吹雪から避難するために【ミニーの紳士服店】に宿を求めるのだが・・・

 

見どころ

黒人と白人。南軍と北軍・・・差別と偏見がうずまく密室に閉じ込められた8人は、お互いに敵意をむき出しにします。

 

誰が自分の命を狙っているのか? 身を守るにはどいつと手を結べばよいのか?  クセモノたちの心理的かけひきがスリリングです。

 

よくある「犯人は誰か?」タイプの密室ミステリーではないので、そこはご注意を。

「どんな手段を使ってでも生き残ってやるぜ、URYYY!」的なお話です。