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地上波テレビ放送!器の意味も考察!『三度目の殺人』あらすじと見所

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※この記事は、約4分で読めます。

『万引き家族』で、カンヌ映画祭パルムドールを獲得した是枝裕和 監督。そんな監督のこん身の法律サスペンス、『三度目の殺人』がテレビ放送されます。

 

この記事では、『三度目の殺人』のあらすじと登場人物、映画を楽しむためのポイントについてお伝えします。また、考察に関しては掘り下げた内容となってますので、映画本編を観たあとにお読みいただければと思います。

 

GAGA 公式ホームページ

gaga.ne.jp

 

 

『三度目の殺人』簡潔なあらすじ(ネタバレなし)

重盛 朋章(しげもり ともあき)は、裁判の結果のみにこだわる弁護士。

 

そんな彼が、ある殺人事件の被疑者の弁護を担当することになります。依頼人は三隅 高司(みすみ たかし)という男。自分を解雇した工場の社長を殺し、財布を盗んで火をつけた罪に問われていました。

 

三隅には前科がありました。30年前にも殺人の罪で裁かれ、その時は無期懲役となっていたのです。

 

三隅は、接見するたびに証言をころころ変えており、同僚の弁護士の摂津(せっつ)も手を焼いていました。

 

最初のうちは「お金がほしくて社長を襲った」と証言していたのに、途中から「社長の奥さんに頼まれて殺した」と証言を変えるのです。事実、社長の妻・美津江(みつえ)から殺害依頼をほのめかすメールを受けており、さらに報酬と思われる50万円を受け取っていました。

 

重盛には、三隅が何を考えているのか、彼が本当に犯行をおこなったのか判らなくなってきます。そこで彼は、三隅の住んでいたアパートや事件の被害者遺族のもとを訪れ、聞きこみをします。

 

やがて、殺された社長の娘・咲江(さきえ)と三隅が親しい間柄だったことがわかり・・・

 

わかりやすいだけが映画じゃない? 監督&福山雅治&役所広司インタビュー

www.cinematoday.jp

 

地上波テレビ放送はノーカット?

テレビ放送の日時は、2018年10月13日(土)

21:00 ~ 23:30

 

『三度目の殺人』の劇場での上映時間は、124分です。番組公式ページでは【本編ノーカット放送】という情報が載っています。エンディングの一部カットが予想されます。

 

『フジテレビムービー』公式ページ

www.fujitv.co.jp

 

福山雅治✖広瀬すず✖役所広司・・・『三度目の殺人』キャスト

重盛 朋章・・・福山 雅治

 

 

三隅 高司・・・役所 広司

 

 

山中 咲江・・・ 広瀬 すず

殺され食品加工会社の社長の娘。片足が不自由である。

 

山中 美津江・・・斉藤 由貴

咲江の母。夫の山中の殺害を、三隅に依頼した疑いをかけられる。

摂津 大輔・・・吉田 鋼太郎

重盛の同僚の弁護士。

川島 輝・・・満島 真之介

新米の弁護士。重盛と行動をともにする。

篠原 一葵(しのはら いつき)・・・市川 実日子

検察官。三隅の裁判をめぐって、重盛たちと対決する立場にある。

重盛 彰久・・・ 橋爪 功

重盛の父。元・裁判官。30年前の三隅の事件を裁いた。

 

意味がわからないという人へ・・・映画を楽しむためのポイントとは?

フジテレビで放送されるドラマって、明るくてわかり易い作品が多いですよね? ところが『三度目の殺人』は、集中してじっくり観ていないと内容がつかみづらい作品です。

 

そこで、作品を楽しむために押さえたいポイントをまとめました。

三隅はなぜ、証言を頻繁に変えるのか?

被告人の三隅は、証言を次々と変えてゆきます。そのせいで重盛も摂津も、そして観客さえも振り回されっぱなしです。

 

しかし三隅は、その時の気分で発言を変えている訳ではなさそうです。三隅と重盛が対面して会話するシーンとシーンの間に何が起きたのか? 三隅はその間、誰と会って、何を見聞きしたのか?

 

そこを補完しながら見てゆくと、彼が本当は何を考えているのかが浮かび上がってきます。

ウソつきばかりの登場人物と、頻繁にはさまれる回想シーン

“ウソつき”というと言葉が悪いですが、本作のキャラクターの多くはなかなか本音でしゃべってくれません。

 

さらに、ときどき挟まれる回想シーンがやっかい。

「あれ? さっきあいつが言ってたことと違うじゃん!」

映像とセリフが微妙に違うことがあるので、どっちが本当のことかわからなくなるのです。

 

表面的にセリフを追いかけるのではなく、人物同士の関係・表情にも注目してみましょう。

十字架の謎

社長の山中の遺体が焼かれた現場には、十字架のような焼け跡が残っていました。

 

また、三隅のアパートのそばには,小さなお墓があります。彼が飼っていた鳥を供養するための墓なのですが、ここにも十字架のような跡が残っていました。

 

誰が何の目的で残したのでしょうか?

 

考察・・・器の意味とは?  咲江(広瀬すず)の足のケガの理由は?

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空っぽの器とは? 三隅と言う人間の不気味さの理由

三隅と会った人は、彼のことを“空っぽの器”のような男と表現しています。重盛が北海道で聞き込みをしたとき、三隅を最初に逮捕した刑事もそう言い表しています。

 

また、重盛も

「あなたは(本当に)空っぽの器?」

と質問を投げかけています。

 

これは、本人が何がしたいのか、何を考えているのかが見えてこない、空っぽの人間だという意味でしょう。

 

逆にいうと、中身がなにもない器なので、他人の願望・欲望を乗せることができます。彼と関わる人間の欲望なり本性なりを映す、鏡のような存在なのです。

 

・咲江と関わったとき、三隅は“咲江の父親に対する殺意”を体現化する存在となった。

・重盛と関わったとき、三隅は“重盛の司法制度に対する考え方”を具現化する存在となった。

逃がしたカナリアは、咲江の象徴

三隅がアパートに飼っていたカナリアのうち、1羽だけが逃がされ、残りの5羽は殺されてしまいます。この逃げた1羽は、家族の中でしいたげられていた咲江を象徴しています。

 

また、三隅が「本人の意思とは関係なく、命は選別されている!」と司法制度の問題点を指摘する場面があります。

 

殺された5羽のカナリアは、まさに理不尽に命を奪われた人間の象徴といえるでしょう。

咲江(広瀬すず)が足をケガした原因は?

咲江は、食品加工会社の社員など周りの人間には、「飛び降りてケガをした」と説明しています。

 

そのいっぽうで、重盛たちの調査によれば、生まれつき足が悪いという証言もあります。

 

矛盾していますが、あの子は“虚言癖”だという話もあって、はっきりしません。ただ、スニーカーに黒ずみがあることから、かなり前から足を引きずって歩いていることは確かなようです。