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「全米大ヒットのドラマが日本上陸、キターーー!!!」
なんて宣伝されても、日本では全然受け入れられないことありますよね? FOX制作のドラマ『ルシファー』も、そんな匂いがプンプンします。はたして、このドラマは日本で受け入れられるのか?
この記事ではドラマ『ルシファー』の概要と、シーズン2まで観た上での評価についてお伝えします。
『ルシファー』は悪魔が主人公の刑事ドラマである
主人公は“地獄の帝王”であることに嫌気がさし、姿を変えて人間界に隠れ住むルシファー・モーニングスター。普段はロサンゼルスでナイトクラブを運営しています。しかし、ひとたび事件が起こればロサンゼルス市警クロエに協力して、事件解決をめざします。そうです。これ、実は刑事ドラマなんです。
バットマンの前日譚を描いた『GOTHAM/ゴッサム』と同じパターン。あのドラマは、ゴッサムの街で起こる事件の捜査がメインでした。童話のキャラクターたちが登場する『GRIMM/グリム』もこれに近い。
『ルシファー』も、基本的には1話完結の事件ものです。それに加えてルシファーの家族の天使や悪魔の物語、ルシファーとクロエの恋愛模様がサイドストーリーとして語られます。
全米では爆発的な人気があった
アメリカでは、特に女性から圧倒的な高評価を得ています。中でもティーンエージャーの女の子からの人気は、凄まじいものがあるそうです。主演がイケメンで、セレブたちの華やかな世界が見られるから、というのがその理由。
(⇦ ジローラモに見えるのは、私だけ?)
セットにお金がかかっているのは明らか。中規模のアクション映画並みの製作費が充てられています。刑事ドラマといっても雰囲気は明るく、『キャッスル 〜ミステリー作家は事件がお好き』に近い印象です。ルシファーとクロエのかけ合いも楽しいですしね。
おもな登場人物は?
ルシファー・モーニングスター
正体は、“地獄の王”の異名をもつ大悪魔。自分が悪魔であることは明かすが、誰もまともに取り合わない。ルシファーに見つめられた人間は、欲望を抑えることができなくなる。ナルシストで陽気。
多くの女性は、ルシファーに見つめられると欲情してしまいます(笑)。
※ちなみに聖書に登場するルシファーは「自分こそ神にふさわしい」と天上界で反乱を起こし、天上界を追放された、とされています。地上に姿を現すときは、どんな人間も惑わすほどの美青年ぶりだったそうです。
クロエ・デッカー
ロサンゼルス市警の刑事。元女優で、シングルマザー。B級映画に出演していた過去がある。『ホットタブ・ハイスクール』というお色気満載のコメディ映画。ルシファーの能力が、なぜかクロエだけには通用しない。
アメナディエル
ルシファーの兄にあたる、天使。ルシファーの代わって地獄の門番を任される。
リンダ・マーティン
エロい本性を内に秘めた精神科医。事件を通してルシファーと知り合い、ルシファーのカウンセリングを担当することになる。
ルシファーをみて欲情し、服を脱ごうとして・・・(!!!)
肝心のドラマとしての評価は?
大手サイトのシーズン1の評価です。
Filmarks:★★★★☆ 4.0
Amazon:★★★★☆ 4.7
映画,com:★★★☆☆ 3.5
面白いという感想
- 基本ふざけてるルシファーだけど、やる時はやる。かっこい~!
- イケメンのルシファーと真面目なクロエ。2人のやりとりがテンポよくて楽しい。
ダメという感想
- 刑事ドラマとしては全然ダメ。もはや推理ではない!
- 各話のストーリーが、うすっぺらい
※ここから先は、このドラマを好きな人は読まないように。楽しんでいる人の平穏な生活を乱すのは、本意ではありません。
ツッコミどころが満載すぎる
ルシファー、ユー、特殊能力を使っちゃいなよ!
悪魔であるルシファーには、人間の本性を引き出す能力があります。ルシファーに見つめられた人間は、欲望を抑えきれなくなるのです。
それなら、ルシファーが片っ端から容疑者を見つめればいいのでは? きっと犯人ならボロを出すに違いありません。事件はすぐに解決するでしょ?
その設定、要りますか?
ロサンゼルス市警のクロエは、元女優という設定。ところが、これがドラマに生かしきれていません。たとえば、聞き込みをするために演技で相手を誘惑するとか、悲しい身の上話を語って同情を得るとか。そういう場面はありません。
何のための設定?
人物たちの悩みが浅いんですけど・・・
このドラマでいちばん良くない点。主人公たちはもちろん、事件の関係者たちもみんな、人として薄っぺらいこと。
容疑者たちが犯行をおこした理由を挙げてみると・・・
「童貞を捨てたかったから」
「モテないから女性を誘拐した」
あのねえ。人ひとり死んでるのよ。いくら何でも軽すぎるでしょ!
シーズン2の後半には注目!
推理ドラマとしては、ダメダメ。ところが、シーズン1の8話あたりから加速度的に面白くなります。神父や悪魔など、ルシファーをめぐる人間関係がいっきに複雑になってゆくからです。ルシファーがクロエに対する好意を隠しきれなくなってゆくのも、見どころ。
そして、シーズン2の後半に大きな転換点が訪れます。どうして、クロエに対し、ルシファーの特殊能力が効かないのか? このドラマの大きな謎が、シーズン2の第9話・第10話で明らかとなります。
あれ? 文句を言いつつ、楽しんでる?
そうなんです。ついつい文句は言いつつも、テンポがいいからつい見てしまう。バディものとしては、じゅうぶん楽しめるのです。
まとめ
『トワイライトサーガ』や『ゴシップガール』などが好きな人、肩ひじ張らない恋愛ドラマが好きな人は楽しめるかもしれません。
逆に『相棒』みたいな抒情的な刑事ドラマ、『CSI』『コールドケース』みたいな理詰めで犯人を探す推理ドラマが好きな人には、合わないと思います。