トム・クルーズは、アメリカの映画俳優。1962年生まれの56歳(2019年時点)。デビューから30年以上経ちますが、ずっとスターであり続けています。
本ページでは、トム・クルーズの魅力がひかる作品をランキング形式で発表してゆきます。
どうしても『ミッション・インポッシブル』ばかりクローズアップされる彼ですが、映画俳優としての魅力はそれだけではありません。過去作やさまざまなジャンルから、作品を選びました。
トム・クルーズ出演映画・おすすめランキング
10位 『ロック・オブ・エイジズ』
2005年公開。ブロードウェイの同名ミュージカルの映画化。田舎からでてきた女の子が、持ち前の歌唱力を生かしてスターをめざして奮闘するミュージカル映画です。音楽で成功する夢を持つ青年との恋も描かれていて、王道のストーリーだといえます。
トム・クルーズは、主人公の女の子が憧れるロックスターを演じています。劇中で披露する歌声はアテレコなんかじゃありません。正真正銘、トムの声です。また、この声がいい。混じりけのない澄んだ歌声! スターは声もきれいなんだ、と思い知らされます。ガンズ・アンド・ローゼズの「Paradise City」もトムが歌うと、また別の魅力がありますね。ナルシシズム全開のトムのワンマンショーは圧巻。
カリスマ・ロッカーを目の敵にする、市長夫人を演じたキャサリン・ゼタ=ジョーンズもサイコー! すっかりおばさん臭くなった彼女ですが、歌とダンスはキレッキレ。『シカゴ』のときの彼女を思い出させます。
9位 『7月4日に生まれて』
1989年公開。ベトナム戦争に自ら志願して派兵された、ロン。ヤンキースが好きで、ケネディの演説に感銘を受けるどこにでもいる愛国者でした。
海兵隊に入隊し、ベトナム戦争に従事するようになったロンは誤って民間人を撃ってしまいます。さらに敵の攻撃を受けてパニックになったロンは、部下を誤射して死なせてしまうのです。ついにはロン自身も撃たれて、脊髄を損傷、車いす生活を余儀なくされます。
やがてロンは
「あの戦争は間違っていた」
と考えを改め、反戦運動に参加するようになります。
しかし、ロンたちの運動は弾圧を受けることに。それでも彼は戦争の真実を語ろうと、民主党大会で演説するのでした・・・
重たい内容なので、観た後は気疲れしてしまう作品ではあります。それでもやはり、伝えていかなくてはならない映画だと思います。
8位 『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』
2015年公開。シリーズ5作目。この映画、冒頭の飛行機アクションが単なるつかみ、というのがまず凄い。毎回毎回トムは体を張っているわけですが、この作品ではそれがもはや神レベル。2014年の撮影ですので、当時トムは51歳ということになります。
滑走路を助走する軍用機に飛び乗り、離陸する機体の扉にしがみつく超絶アクション。高速バイクを乗り回してのチェイス。6分も息を止めて臨んだ水中アクション。トムは、すべてスタントなしで臨んでいます。
「そこまでしなくとも・・・」
ファンの声は、もはやトムの耳には届かず。ジャッキー・チェンに肩を並べるほど体を張るスーパースター、トム・クルーズ。いったいどこを目指しているんだ、トム師匠!
7位 『アウトロー』
2012年公開。リー・チャイルド原作のハードボイルド小説を映画化。無差別の銃の乱射事件が発生し、5人が命を落とします。容疑者として捕らえられた男は、元秘密捜査官のジャックとの面会を求めます。
ジャックは、街にうごめくワル達にたったひとりで立ち向かってゆきます。アクションそのものは暗い所で行われるせいもあってか、地味な印象。『ローグネーション』と同じ監督・主演コンビとはとても思えません。
しかし、この体術、キーシ・ファイティング・メソッドというスペイン発祥のれっきとした護身術なんですね。
体を低く構えて、両手で頭をガードする姿勢を取ります。前頭部という体の中でも固い部位を中心に、最小限の動きで闘う体術です。『バットマン・ビギンズ』のアクションにも取り入れられています。
6位 『トロピック・サンダー/史上最低の作戦』
2008年公開。落ちぶれたアクションスター、下ネタばかりのコメディアン、ちょっぴり勘違いの入ったなりきり俳優。ベトナム戦争を題材にした映画を作るはずだったのに、わがままな俳優たちのせいで、予算が底をつきてしまいます。
製作スタッフたちがひねり出した苦肉の策。それは、どうしようもない俳優たちを本物の戦場に送り込むことでした・・・
トムが演じるのは、デブでハゲの映画プロデューサー。ほんのチョイ役なのですが、そのはじけっぷりが凄い。金に汚い自己中心的な人物を、生き生きと演じています。
5位 『ザ・エージェント』
1996年公開。有能なスポーツ・エージェントだったジェリーは、スター選手ばかり扱おうとする会社の方針に異を唱えます。改革案を会社に提案しますが、ようしゃなくクビになってしまいます。
ジェリーが仕事をする上で大切にしたいと思ったのは、選手との信頼関係を築くこと。ジェリーは新たな会社を立ち上げることを宣言。自分に共鳴してくれる仲間を募ります。しかし、彼についてきたのはシングルマザーのドロシーだけでした。
ジェリーの提案は次の通り。
〇 クライアントの数を減らす。
〇 お金儲けより、選手を第一に考える。
〇 お互いに人間らしい生き方をしようと努力する。
信念を貫くのに大切なこと。それは、共感してくれる人の数ではない、ということ。このテーマを見事に描き切ったキャメロン・クロウの脚本が素晴らしいです。
4位 『トップガン』
1986年公開。アメリカ海軍の戦闘機のパイロットとなった若者たちの青春群像劇。航空アクションとしての魅力もあります。ちなみに、この映画のヒットで翌年の海軍の入隊希望者は10倍にふくれ上がったそうです。
本作の大ヒットなくして、今のトム・クルーズはないでしょう。また、ヴァル・キルマー、メグ・ライアン、ティム・ロビンス、マイケル・アイアンサイドら今をときめく人気俳優たちの出世作でもあります。さらに、監督のトニー・スコットや製作のジェリー・ブラッカイマーも本作で名を上げたといえます。
青春・年上女性との恋・友情・・・若者たちが懸命に生きる姿に、胸が熱くなること間違いなし!
3位 『マグノリア』
1999年公開。ロサンゼルスを舞台に、複数の男女たちが織り成す群像劇。クイズ番組の司会者と、その娘。元・天才クイズ少年。番組プロデューサーと、その妻。看護師。警察官。そして、自己啓発セミナーの主催者。
一見無関係な人々の人生が、偶然のめぐり合わせによって絡まり、最後には1本の糸のように繋がってゆく・・・監督・脚本のポール・トーマス・アンダーソンの天才ぶりが発揮された、パズルのような映画。
トムは、インチキ臭いセミナーの主催者に扮しています。若い男たちを集めて、
「ひたすらヤッてヤッてヤリまくれ~」
と連呼するブッ飛んだキャラクター。しかし裏では、父との確執を乗り越えられずに苦しんでもいます。
2位 『ミッション:インポッシブル』
1996年公開。IMFは、CIAの特殊部隊。暗殺などの特殊工作が主な任務です。フェルプスが指揮をとるIMFのチームは、CIAのリストが漏れた件を調査中に何者かに襲われてしまいます。イーサン・ハント以外のメンバーは殺され、チームは壊滅されてしまいます。
イーサンはIMF内部に密告者がいるとの情報をつかみ、裏切者を探し出すために新たなチームを組むのです。このメンバーの中に、ジャン・レノとエマニュエル・べアールがいます。国際色豊かな、まさにドリーム・チーム! この第1作に比べると、続編でチームを組むメンバーはどうしても見劣りしてしまいます。無名の役者が多いし・・・
「ミッション:インポッシブルシリーズ」でどの作品が好きかで、その人の映画観がわかるような気がします。私はやはり、サスペンス色の強い第1作がいちばんですね。純粋に、監督のブライアン・デ・パルマが好き、というのも大きいですけれど。
1位 『コラテラル』
2004年公開。ロスで働くタクシードライバーのマックスは、いつかリムジンの会社を創るのが夢。ある晩、ひとりの男が現れ、法外な値段でマックスのタクシーを貸し切りたいといいます。
実は、この男の正体は殺し屋。彼は、一晩で5人のターゲットを始末するため、マックスをパートナーとして見込んだというのです。はたして、マックスはこの男を止められるのか? この男から逃れられるのか?
主人公の成長がきっちりと描かれるのがハリウッド映画です。ただ、この映画が普通と違うのは、悪人との出会いを通して主人公が成長するということ。しかも、メインの出演者はたった2人。にも関わらず、手に汗握るストーリーが展開されます。
まとめ
浮き沈みの多いハリウッド映画界において、30年もの間ず~っとトップスターで居続けているトム・クルーズ。驚異としか言いようがありません。共演者からも名監督からも愛されるキャラクター、決して安住の地に留まろうとしない仕事選び。
まだまだ活躍は続きそうです。