※この記事は、2021年2月に更新しました。
ネット上では、大学受験の英単語を暗記する方法がたくさん紹介されています。でも、 もともと東大や早慶に受かるような頭のいい人たちのやり方を真似しても、うまくいきません。楽しくないからです。
わたしは、高校時代は落ちこぼれでした。それでも、浪人時代に勉強法や受験ノウハウに関する本を読みまくり、大学に合格できました。
>> 【早稲田文学部 合格体験記】勉強時間は?戦略は?【浪人/宅浪が辛いという君へ】
この記事では、ダジャレで楽しく英単語を覚えられる本をご紹介します。また、人間の脳には、覚えたことを忘れる“忘却のメカニズム”という仕組みがあります。これを踏まえた上で、記憶の定着をはかる暗記のやり方をお伝えします。
ダジャレで、大学受験の英単語を短期間で覚える方法
ダジャレで、記憶力を強化する
1998年に青春新書から出された、『英単語連想記憶術』という本があります。わたしが失意の浪人生だった当時、ばあちゃんの家の物置で眠っていた本でした。
残念ながら古い本ですので、現代の大学受験で頻出ではない言葉が載っていたりします。書店でも流通してないでしょう。
しかし、この本で示されている「記憶法」は、今でも充分役に立ちます。
agony = 苦痛
という英単語があります。
『英単語連想記憶術』では、まず語呂合わせの文章が示されます。
「あごに苦痛のアッパーカット」
そして、その文章の下には簡単なイラストが付いています。
これを覚えることによって、『 agony 』という英単語を見た瞬間に、ボクシングで殴られている映像と『苦痛』という意味がすぐに浮かぶようになります。
agony ⇒ ボクシング ⇒ 痛い
『苦痛』という意味を思い出す手がかりを、脳に与えてあげるのです。
歴史の年表を、語呂合わせによって覚えることがありますね。それと同じ感覚。英単語も、ダジャレを使って楽しく覚えようという発想なのです。
『英単語連想記憶術』に載っている語呂合わせは、他にも・・・
insult = 侮辱する
「犬! 猿!と侮辱する」
conduct = 行為
「この抱くという行為が恋」
complain = 文句を言う
「混む!触れん!と文句を言う女」
(満員電車の中で、他人がぶつかった!と騒ぎ立てる女性のイメージ)
insight = 洞察力
「言いんさい!と見抜いた妻の洞察力」
(浮気の証拠を突きつける、妻)
くだらないでしょう? 全部こじつけです。でも、ビックリするほど記憶に定着するんです。早稲田に受かってから十数年たつ今でも、何千という英単語を忘れないでいられるのはこの暗記術のおかげです。
この『英単語連想記憶術』は第1集から第3集まで発売されており、第1集に受験に必須な英単語が収録されています。
ただ、なぜか第2集のほうが通販で入手しやすくなっています。
この本の出版以来、このやり方を真似した“ダジャレ”英単語帳は、いくつも発売されています。しかし、これらの亜流品はお勧めしません。肝心のダジャレが、ことごとくつまらないからです。
語呂合わせがないなら、自分でダジャレを作れ!
それでは、『英単語連想記憶術』に掲載されていない英単語がでてきたらどうするか? 自分でダジャレを作っちゃえば良いのです。
obtain = 取得する
という言葉を眺めて・・・
「おぶって~ん。猫なで声で、彼氏の愛を取得する」
のような文章を自分で考え出すのです。
ダジャレをあみだす作業はとても楽しく、ゲーム感覚で英単語を覚えることができます。能動的に覚えるので、モチベーションも上がります。
prompt = 刺激する
「ぺろん、プ~っとおしりの筋肉を刺激する」
(体を張ったお笑い芸人が、お尻をペロッと出して、オナラをこくイメージ)
comprehensive = 理解力のある、包括的な
「この不利!変!しぶる部下に理解力のある上司」
(自分だけ仕事を押し付けられて不平等だ!と主張する部下を、上司がなだめるイメージ)
このように、脳の中でリアルな映像を思い浮かべて、記憶の定着をはかる暗記方法を、「イメージ記憶法」と呼びます。この方法が、なぜ短時間での暗記に効果的なのか?脳のメカニズムについて考えてみましょう。
イメージ記憶法なら、短期間で楽に覚えられる!
人間の脳は、ものを見る『視覚野』、音を聞き分ける『聴覚野』、行動の指令を出す『運動野』、ものを考える『前頭葉』などが分業で動いています。そして、人間の五感を通して取り込まれた情報は、電気信号として脳のネットワークにファイルされてゆきます。
初めてのデートや、家族で遊園地に行った時のことを思い出してください。
恋人や家族と交わした会話。一緒にみた風景。新緑の青葉の匂い。アイククリームの舌触り・・・目や耳、手で感じたことがセットとなって思い出されてきませんか?
記憶は、五感を使うことで定着率が高まってゆきます。自分で語呂合わせを考えるということは、体験や知識をもとに文章をあみだす作業です。これは、間接的に五感をフル稼働させる行為なのです。だから忘れにくいのです。
大学受験に最低限必要な英単語の数は?
近年の大学受験の単語学習において、受験生の支持を集めているのが次の参考書です。
① 英単語ターゲット1900(大学JUKEN新書)
② システム英単語(駿台受験シリーズ)
③ 速読英単語 必修編(z会)
収録されている言葉の数は、①が1900語、②が2021語、③が1900語。
つまり、大学受験を突破するためには、最低でも2000前後の英単語を覚える必要があるのです。
“忘却のメカニズム”を利用した英単語の暗記法とは?
これから英単語学習を始める人は、上で紹介した3つの単語帳のうち、どれか1冊、買ってください(これは必須!)。見やすさと持ち運びやすさから、『英単語ターゲット1900』をオススメします。
もし可能ならば、『英単語連想記憶術』も用意します(おそらく絶版で入手困難なので、なくても大丈夫です)。
① 『英単語ターゲット1900』に出てくる英単語を、『英単語連想記憶術』で調べます。
② 『英単語連想記憶術』に載っている語呂合わせを、『英単語ターゲット1900』に書き写してゆきます。載ってない英単語は、自分で語呂合わせをひねり出します。
③ 『英単語連想記憶術』が持っていない場合は、すべて自分で語呂合わせを作ります。
(⇦ 実際は、受験生なら始めから知ってる単語も多いので、1000語もないはず)
④ “忘却のメカニズム”を考慮して、復習する日を設定する。
人間の記憶は、一度覚えたことが忘れやすくなってしまう時期があります。最初に覚えてから、忘れ始める経過日数は次のとおり。
A. 次の日
B. 3日後
C. 1週間後
D. 1か月後
E. 3か月後
最初に暗記した日と、そこから計算した忘れやすくなる5つのポイントの日を、あらかじめカレンダーに印して(✔)おきます。単語帳に、日付けを書いておいても良いでしょう。
⑤ ポイントの日がきたら、その日の勉強を始める前にサッと復習をして、記憶の定着をはかります。完全に忘れてしまう前に復習すれば、長く記憶に留まることになるのです。
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