コンゲーム。
音楽や書道などで技能の優劣を競い合う・・・それは、コンクール。
なめらかな舌触りとまろやかな甘みがおいしいよね・・・それは、コーンスープ。
コンゲームとは詐欺師が相手を信用させて、お金をだまし取る物語のこと。映画では敵もずる賢いヤツだったりして、騙したり騙されたり、二転三転するストーリーが魅力的なジャンルです。
- 1:コンゲームと言えばコレ! 不朽の名作『スティング』
- 2:西部劇でコンゲーム。一粒で二度おいしい! 『マーヴェリック』
- 3:カジノに青春をかける天才大学生たち! 『ラスベガスをぶっつぶせ』
- 4:豪華キャストの競演が楽しい! 『オーシャンズ11』
- 5:どんでん返し映画の隠れた名作!『テキサスの五人の仲間』
- 6:ジョン・トラボルタが悪いヤツを演じてるだけで、100点! 『ソードフィッシュ』
- 7:ほろ苦いラストは大人の味! 『マッチスティック・メン』
- 番外編:ツッコミどころ満載だけど、妙な面白さが!『サンブンノイチ』
1:コンゲームと言えばコレ! 不朽の名作『スティング』
新米詐欺師のフッカー(ロバート・レッドフォード)は、相棒のルーサーとケチな詐欺をはたらきます。
ところが、相手が悪かった! 彼らが奪ったお金は、大物ギャング・ロネガンのものだったのです。ロネガンは大激怒!! 相棒は殺され、フッカーも警官から追いかけられる羽目になります。
相棒のカタキを討ちたいフッカーは、伝説の詐欺師・ゴンドルフ(ポール・ニューマン)を訪ねます。ロネガンがポーカーや競馬に目がないことを知ったゴンドルフは、昔の詐欺仲間を集めてロネガンに勝負を挑むことに・・・
名曲「エンターテイナー」の軽快なリズムに乗せて繰り広げられる、一世一代の騙し合い。衝撃のラストに思わず「あっ!」と声が漏れてしまう、コンゲームものの最高峰 !
2:西部劇でコンゲーム。一粒で二度おいしい! 『マーヴェリック』
舞台は19世紀、アメリカの西部開拓時代。
賞金50万ドルをかけたポーカー大会の開催が、4日後に迫っていました。詐欺師のマーヴェリック(メル・ギブソン)は参加費を稼ぐため、酒場で荒くれ者たちを相手に賭けポーカーをします。
ところが、せっかく稼いだお金を、美人ギャンブラーのアナベル(ジョディ・フォスター)に奪われてしまいます。カチンときたマーヴェリックは、急いでアナベルの後を追いかけます。そこへ保安官のクーパーも絡んできて・・・
メル・ギブソンとジョディ・フォスター。2大スターの共演が楽しいコメディタッチの西部劇。騙し合いと恋のかけひきがミックスされた、オシャレな作品です。
3:カジノに青春をかける天才大学生たち! 『ラスベガスをぶっつぶせ』
マサチューセッツ工科大学に通うベンは、授業料が払えず奨学金を得たいと思っていました。ベンには、数学と論理的思考の才能がありました。その才能を見抜いたミッキー教授は、ベンをあるプロジェクトに誘います。
それは、『カード・カウンティング』の技術を使って、ラスベガスのカジノで荒稼ぎしようという計画でした。カウンティングは、ブラックジャックというゲームで行います。
まず、ブラックジャックとは、配られたカードの合計点数が21点を越えないように、プレイヤーとディーラーが1対1で競い合うゲームです。
「 カウンティング」とはすでに開けられたカードを記憶して、残されたカードがプレイヤーにとって有利か不利か見極めた上で、賭ける金額を変える技術のこと。自分の利益が最大となるように瞬時に計算する、ハイレベルな数学的才能が必要です。
カウンティングがバレてしまうと、カジノには出入り禁止になってしまいます。ベン達はカウンティングがバレないように、チームを組んでゲームに臨むのすが・・・
青春映画としても味わい深い一作。
4:豪華キャストの競演が楽しい! 『オーシャンズ11』
伝説の泥棒ダニー・オーシャン(ジョージ・クルーニー)は仮釈放中の身。彼は、刑務所に入れられていた4年間、とんでもない犯罪計画を立てていました。ラスベガスの3大カジノから、同時にお金を奪おうというのです。
目当てはお金だけではありません。カジノのオーナーに奪われた妻を取り戻す目的があったのです!! オーシャンの呼びかけによって、特技をもった仲間が集められます。
① いかさまポーカーの腕前とダチが多いのが自慢さ。ラスティ(ブラッド・ピット)
② 潜入するなら僕に頼って!元カジノの従業員だもん。フランク(バーニー・マック)
③ カジノを潰された恨みは決して忘れねえ。ルーベン(エリオット・グールド)
④ 金庫を爆破するなら、俺しかいないよな? バシャ―(ドン・チードル)
⑤ ラジコンの操作なら任せてくれ。バージル(ケイシー・アフレック)
⑥ 車の運転から変装まで。使い勝手のいい男だぜ。ターク(スコット・カーン)
⑦ ワタシ、雑技団の曲芸師アルよ。イエン(シャオボー・チン)
⑧ と、特技っスか? で、電気とか配線っスかねー。リヴィングストン(エディ・ジェイミソン)
⑨ ガキども。じじいを舐めるなよ。往年のテクニック、見せてやるわい。ソール。(カール・ライナー)
⑩ 俺は名の知れたスリ師だぞ。地味な仕事ばっかさせやがって。ライナス(マット・デイモン)
オーシャンを含めて全部で11人。個性豊かなメンバーが、にっくき大富豪に挑みます。
5:どんでん返し映画の隠れた名作!『テキサスの五人の仲間』
舞台は、西部開拓時代のテキサス。
片田舎のある家で、年に1度のポーカーの大勝負が行われていました。そこへ、旅の途中でこの街に立ち寄った3人の家族が現れます。ギャンブルに目がない亭主メレディス(ヘンリー・フォンダ)は、自分も参加したいと申し出ます。
ところが、あっという間に負けがこんでしまい、メレディスは全財産をスッてしまいます。もうお金がありません。妻がちょっと席を外したすきに・・・メレディスはなんと!奥さんを賭けの対象にしてしまいます・・・
知る人ぞ知る、コンゲーム映画の隠れた名作!
6:ジョン・トラボルタが悪いヤツを演じてるだけで、100点! 『ソードフィッシュ』
スタンリー(ヒュー・ジャックマン)は元・天才ハッカー。彼は、FBIが個人のメールを監視していたことに抗議して、システムを破壊してしまいます。そのため逮捕され、愛する娘とも会えなくなっていました。
そんなスタンリーの元へ、謎の美女ジンジャー(ハル・ベリー)が現れます。彼女は、「話を聞くだけで10万ドル払うわ。娘に会えるようにしてあげる」
と、話を持ちかけます。
スタンリーは、ガブリエル(ジョン・トラボルタ)という男に引き合わされます。
ガブリエルは、次のように語ります。
「政府が不正に隠し持っている闇資金を、コンピュータ・ハッキングで奪いたい。手助けしてくれ」
政府の闇資金をめぐって、麻薬取締官、警察、あくどい上院議員まで絡んできて、もう大変! 大爆破あり、お色気あり、騙し合いあり・・・大満足のどんでん返し映画です。
7:ほろ苦いラストは大人の味! 『マッチスティック・メン』
詐欺師のロイ(ニコラス・ケイジ)は、強迫性障害をわずらって、身も心もボロボロ。精神科医に相談すると、原因は10年前に離婚したことだ、と指摘されます。精神科医はロイに、離れて暮らす娘のアンジェラに会うことを勧めます。
アンジェラと会い、親子として過ごすうち、ロイも心のやすらぎを取り戻します。娘と関わるうち、ロイは、彼女に詐欺師の才能があることに気がつきます。
「ダメダメ! 大事な娘を、犯罪者にしてはダメ!」
そう自分に言い聞かせるロイ。ところが、ひょんなことから、詐欺の仕事に娘を巻き込んでしまいます。ロイは、娘への愛をつらぬけるのか?
ちょっぴり切なくなるラストの大どんでん返しが、余韻を残します。
番外編:ツッコミどころ満載だけど、妙な面白さが!『サンブンノイチ』
物語が始まるのは、銀行強盗を成しとげた直後から。ケチな小悪党3人が、盗んだ現金をめぐって壮絶な騙し合いを繰り広げます。
木下半太の同名小説を、お笑いコンビ『品川庄司』の品川ヒロシが実写化・・・なのですが、コンゲームものとしては「これ、成り立ってんの?」というツッコミ要素が満載。
それでもあえてここで挙げたのは、個性豊かなキャストが見ていて楽しいから。ブラックマヨネーズの小杉。田中聖。池畑慎之介。他の映画ではあまり見ないような面々が、生き生きと演技していて新鮮です。そして、何といっても闇の帝王に扮した窪塚洋介の怪演がスゴい。