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【つまらない?前衛芸術?】X-MENスピンオフドラマ『レギオン』

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つまらない?前衛芸術?X-MENスピンオフドラマ『レギオン』

※この記事は、2021年8月に更新しました。

マーベルコミックのヒーロー映画『X-MEN』シリーズ。突然変異で生まれたミュータントたちが、敵味方にわかれて超能力バトルを繰り広げるアクションです。

 その『X-MEN』初のテレビドラマシリーズが『レギオン』です。ところが、すこぶる評判が悪い。インターネットでは「レギオン つまらない」と検索されてしまう始末です。

 

はたして、『レギオン』は本当につまらないのか? なぜ、『レギオン』はつまらないと見られているのか? その原因を探ってみたいと思います(ひどい導入文だな)。

 ドラマシリーズ『レギオン』概要

 『レギオン』は、ヒーロー映画『X-MEN』のスピンオフドラマ。統合失調症と診断された若者が、超能力に目覚めてゆく姿を描いています。

海外ドラマ『レギオン』
ジャンル 心理サスペンス、スリラー
タイプ 続きもの
シーズン数 シーズン3
1話当たりの分数 44分~68分
脚本 ノア・ホーリー
出演 ダン・スティーヴンス、レイチェル・ケラー
  • シーズン1・・・全8話
  • シーズン2・・・全11話
  • シーズン3・・・全8話

全27話でシーズン3で完結しています。話数は、海外ドラマの中でも少なめです。

 

ただし、このドラマ、映画の『X-MEN』と違って、アクションではありません。ジャンルを定義づけるなら、ホラー寄りの心理サスペンス

これがわかってないと、

「なんか、思ってたのと違う」

という感想を抱くことになります。

『レギオン』の簡単なあらすじとは?

 本作の主人公は、ミュータントのデヴィッド・ハラー。『X-MEN』シリーズに出てくるテレパシーの使い手・プロフェッサーXの息子、という設定です。

 医師から統合失調症(妄想を見てしまう症状)と診断されたデヴィッドは、幼いころから精神病院を転々としていました。

 

しかし、病院でシドニーという女性に会ってから、デヴィッドの心に変化が訪れます。

「ひょっとして、自分は病気ではないのでは?」

 

やがてデヴィッドは、自分がテレパシーやテレキネシスを使えることに気づいてゆきます。『レギオン』のシーズン1は、デヴィッドが超能力者として目覚めるまでを描いています。

なんですけど・・・

▲クリックすると動画が読み込まれます。

意味わからん! どこまでが妄想?

 物語は、あくまでデヴィッドの視点で語られてゆきます。デヴィッドの頭の中は、混乱状態。自分の見ている世界が妄想なのか現実なのか、わかってません。

視聴者はそんなデヴィッドに延々と付き合わされます。デヴィッドと一緒に妄想を体験させられる、と言ったほうがよいかもしれません。

 

進まないストーリー。見せられるのは精神病患者の頭の中。

「何だよこれ! 意味わかんねーわ!」

「ごめん。無理!」

「つまらん」

 多くの視聴者が脱落していくのも無理はありません。だって、そういう作りなんですから。映画『X-men』のような超能力バトルを期待して見ると、ガッカリします。

 

本国アメリカでも、視聴数はかんばしくありませんでした。と・こ・ろ・が! どういう訳か、早々とシーズン2の制作が決定します。なぜ?

『レギオン』はつまらない?前衛芸術? 批評家絶賛の理由とは?

 視聴者から評判のよくなかった『レギオン』のシーズン1。ところが、批評家からは絶賛の嵐! 現実と非現実を行ったり来たりする様子を、革新的な映像で描いているのが理由です。

  •  『2001年宇宙の旅』のスタンリー・キューブリック
  • 『ツインピークス』のデヴィッド・リンチ
  • 『未来世紀ブラジル』のテリー・ギリアム

そんな映画界の巨匠たちを彷彿(ほうふつ)とさせる映像と哲学的示唆に富んでいる・・・批評家たちはホメちぎっています。

 

確かに、『レギオン』のビジュアルは斬新です。よく見ると、色調とか置き物の角度まで細かく計算されていることがわかります。

 たとえば、デヴィッドがアルコール中毒の友人・レニーと話す場面。

室内にあつらえたのは、メロン色のソファー、黄緑色のカーテン、黄身がかった茶色のタンス。色調は統一され、タンスの引き戸は大きく開け放たれています。この画面ひとつとっても、ダリの絵画を見ているようです。

 

 画面構成の異常なこだわりは、往年の名ドラマ『ツインピークス』を思い出させます。あのドラマでも、監督のデヴィッド・リンチは家具の置き方や部屋の色調にまで気を配っていました。

 

『レギオン』の原点? 革命的映像だった名ドラマ『ツインピークス』

▲クリックすると動画が読み込まれます。

解説! あえて“面白い”ドラマの方程式を外した? 脚本家の狙いとは?

「面白いドラマ」「よいシナリオ」の定義って何でしょう? 人によって意見はそれぞれでしょうが、次のような項目があげられると思います。

① 主人公が明確な目的をもっている(感情移入しやすくなる)。

② 葛藤がある(主人公が別のキャラクターと対立することで、人間ドラマが生まれる)。

③ 伏線を貼って、その回収がきちんとなされている。

 

③の『伏線の回収』ってヤツは、実はくせ者です。伏線って、上手に貼らないと

「あ。こいつ、そのうち死ぬな」

「こいつは絶対、裏切る!」

というように、視聴者は物語の先を予想できてしまいます。

 

この点、『レギオン』は展開がまったく読めません。何の前触れもなく異形のものが出てくるので、心底ビックリします。その要因は、語り手である主人公・デヴィッドが精神病患者であること。

目に見えるものが真実なのか妄想なのか、デヴィッド本人もわかっていません。言い換えるなら、語り手が“嘘つき”である、ということです。

 

 

『レギオン』のシナリオを担当するのは、ノア・ホーリー。ドラマ『BONES』『ファーゴ』も担当している人気の脚本家です。そんな彼が、ドラマを盛り上げる公式を知らないはずがありません。わかってて、あえて外しているのです。

 

『ナレーションが嘘をついてはならない』というのはドラマの暗黙のルールですが、『レギオン』は、あえてルールを破っています。だから驚けるのです。

とはいえ、あくまで“実験的な”ドラマ。つまらないと感じる人がいても当然。変わったものを見たい人だけにおススメします。

Amazonプライム? Netflix?ドラマ『レギオン』の動画配信はどこ?

 ドラマ『レギオン』のフル動画をネットで視聴できるサービスはあるのか? 安全にドラマや映画を楽しめる、大手5つの有料サービスの配信状況です。

X-MENスピンオフドラマ『レギオン』配信状況
  Amazon U-NEXT Netflix hulu dtv
無料期間 30日間 31日間 なし 2週間 31日間
シーズン1 1話あたり200円 1話当たり165円
シーズン2 1話あたり200円
シーズン3 1話あたり200円 1話あたり165円

 ※2021年8月時点のデータ。配信作品やレンタル料金は変更となる可能性があります。最新の配信状況は、公式サイトにてご確認ください。

 

まず、Amazonプライムビデオでは、字幕版・吹き替え版ともにシーズン1からシーズン3まで配信されています。ただし、プライム会員の人でも、1話あたり200円のレンタル料金がかかってしまいます。

 

次に、dtv(ディーティービー)では、字幕版のみシーズン1とシーズン3が配信されています。会員の人でも、1話あたり165円のレンタル料金が発生します。

シーズン1・・・2021年3月31日まで配信

シーズン3・・・2021年3月31日まで配信

 

Netflix(ネットフリックス)では、字幕版・吹き替え版ともシーズン1からシーズン3まで配信されています。

ただし、Netflixには無料体験期間がありませんので、登録した時点から月額料金が発生します。最も安いプランで、月額990円で利用できます。