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事務所トラブルに揺れる現在。のん(能年玲奈)の本格復帰の道を探る。

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朝ドラ『あまちゃん』で、一躍お茶の間の人気者となった能年玲奈さん。ところが、その後に所属事務所レプロとのトラブルが表面化します。

 

能年さんは新事務所を立ち上げて独立を図りますが、レプロ側はこれを認めないまま。人気女優であるにも関わらず、まともにドラマに映画にも出演できない状態が続いています。

 

このページでは、能年さんの事務所トラブルの経緯を振り返り、女優としての本格復帰の道を探ってゆきます。

 

 

1 新垣結衣さんに憧れて芸能界へ

 

2006年、能年さんはティーン向けファッション雑誌『二コラ』のオーディションに募集します。当時13歳。『二コラ』は、能年さんが憧れる新垣結衣さんが活動していた雑誌。能年さんは見事グランプリを獲得、同誌で読者モデルとして活動します。

 

この頃に芸能事務所レプロエンタテインメントに所属します。くしくも、彼女が憧れている新垣結衣さんもレプロ所属。なんという運命のめぐりあわせでしょうか。レプロには他にも、長谷川京子さん、羽田美智子さん、川島海荷さん、中村蒼さんらが所属しています。

 

2 社長が惚れこんだ? 下積み時代の能年さん

 

能年さんに限ったことでなく、ティーンエージャーで芸能事務所と契約した場合、しばらくは事務所が生活全般の面倒を見ることになります。能年さんは、都内のマンションに他の若いタレントたちと寮生活を送っていたそうです。多くの場合、4~5年かけてレッスンに励みながら、オーディションを受けてドラマや映画に出演するチャンスを伺います。もちろん、この間にかかる費用は一切事務所もち。

 

能年さんは集団生活が苦手だったそうです。しかし、レプロの社長は人と違う魅力をもつ能年さんに才能を感じたそうです。

 

そして2013年、能年さんは『カルピスウォーター』のCMキャラクターに起用されます。このCM契約を勝ち取った裏には、レプロ社長の猛烈なプッシュがあったようでです。それだけ、社長は彼女に期待していたのでしょう。

 

3 『あまちゃん』で国民的ヒロインに!

 

2012年、能年さんは1953人によるオーディションを勝ち抜き、朝ドラ『あまちゃん』のヒロインに大抜擢されます。当時の演出家によれば「際立ってお芝居がヘタだった」ということですので、よほど光る何かがあったのでしょう。

 

今までの朝ドラにはない宮藤官九郎のポップな脚本もあって、『あまちゃん』は社会現象となります。

 

能年さんは、すさまじい勢いで人気女優に登りつめてしまいました。ここまでのスピード出世は、事務所も能年さん自身も予想外だったのではないでしょうか?

 

事務所側は、芽が出るまでの約7年間、レッスン代を含めて生活費全般を面倒みていました。額にすれば、数千万の先行投資をしたことになるでしょうか。

 

さあ! 人気が出てきた能年さんに頑張ってもらってこれから稼ぐぞ! レプロが意気込んだ矢先のことでした。

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4 事務所を辞めたい! 契約をめぐる交渉

 

ところが2014年の1月、初の主演映画『ホットロード』の撮影を終えた能年さんは、マネージャーに「事務所を辞めたい」と言い出します。

 

発端のひとつが、『進撃の巨人』の出演をめぐるゴタゴタ。能年さんが出演を熱望していたものの、レプロ側は断りました。レプロは、映画の監督と能年さんが勝手にコンタクトをとっていたのを問題視していたようです。

 

その後、社長と面談しますが、能年さんの辞めたいという意志は変わらず。事務所側は能年さんを翻意させようとしますが、彼女が落ち着いて話を聞ける状態ではなく、交渉の機会を持てなかったといいます。

 

我々がインタビュー映像を見る限り、素の能年さんはピュアで率直な印象を受けます。精神的な波があるタイプには見えません。

 

とはいえ、能年さんは音楽活動をしたりイラストを発表したりもしています。アーティスト気質というか、気難しい一面もあるのかもしれません。もちろん、だからこそ表現者として優れているのでしょうけど。

 

事務所側との話し合いは、映画『海月姫』の撮影終了後まで持ち越されることになります。しかし、話し合いは不調に終わります。

 

この頃、レプロ側は能年さんとの契約延長に踏み切ります。以前に交わした契約に、「一回は、事務所側から契約延長を求めることができる」という条項が盛り込まれていたためです。能年さん側は弁護士をたてて交渉に臨みます。交渉の結果、2年の契約延長にサインします。

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5 加速する独立への動き

 

しかし、契約延長はしたものの、事務所側は能年さんにドラマや映画などの仕事を入れなかったといいます。

 

「信頼関係が築けていないタレントに、撮影が長期にわたるドラマや映画の仕事はさせられない」というのが事務所の主張。ですが、これは芸能マネジメントを生業とする芸能事務所の姿勢として、どうなんでしょうか? 能年さんが、この事務所にいてもまともな仕事はもらえない、と判断しても無理はないように思えます。

 

2015年1月、レプロには無断で、『株式会社三毛andカリントウ』という個人事務所を設立します。能年さん側としては、イラストやキャラクターグッズを売り出す際の窓口として設立したとのこと。レプロとの契約に違反するような芸能活動をするものではない、との主張です。

 

しかし、レプロ側は黙って個人事務所を設立したことを問題視しているようです。この事務所設立の発覚後、事務所側は能年さんに面談を持ちかけますが、能年さんは応じません。

 

するとレプロは、仕事を提供できなかった15カ月分の契約延長を能年さんに迫ります。そして、もう一つ通告が。「仮に契約を満了したとしても、【能年玲奈】という名前は、レプロの許可なく使ってはならない」という文書でした。

 

6 「のん」に改名。新たなスタートを切るが・・・

 

能年さんは当初の契約満了後、「のん」と改名します。そして個人事務所を立ち上げ、独立を宣言します。

 

ところがレプロ側は、能年さんとの契約はまだ残っていると主張。現在も事務所のホームページには能年さんの名前が残ったまま。

 

「のん」さんはレプロとの契約がこじれたまま、芸能活動に踏み切ります。ところが、芸能界は信用と口約束が幅を利かせる特殊な世界。彼女には仕事のオファーががかからなくなってしまいます。

 

そのような状況の中、「のん」さんは2016年、アニメ映画『この世界の片隅に』で声優を務めます。片渕須直監督の熱烈なラブコールを受けて実現したキャスティングでした。

 

資金調達もままならない中で完成にこぎつけた『この世界の片隅に』は、小規模上映の映画としては記録的なヒットとなります。のんさんの落ち着いた声の演技も、高く評価されます。

 

ところが、のんさんは映画のプロモーションで民放のテレビ番組に出ることができませんでした。レプロとの契約問題が解決していない彼女の起用を、テレビ局側が見合わせたためです。

 

テレビ局や映画会社は、大手の芸能事務所の意向を忖度する傾向があります。もしレプロの意向に反して「のん」さんをテレビに出すと、今後レプロとの仕事がやりにくくなる、というのがその理由のようです。

 

本来なら、仕事を依頼するテレビ局や映画会社が『主』で、依頼される立場の芸能事務所は『従』の関係であるはず。ところが最近は、ドラマのキャスティングや脚本の内容にまで、芸能事務所は口を出すと言われています。テレビ局や映画会社が気を遣わねばならないほど、芸能事務所の力は大きくなっているのでしょう。

 

映画のプロモーションで彼女が出演できたのは、NHKのあさイチだけでした。

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7 クドカン大河で復帰? 「のん」さんの女優復帰の道は?

 

個人事務所を立ち上げて再スタートを切った「のん」さんですが、女優としてお茶の間やスクリーンの前に復帰するには、高いハードルが待ち受けています。

 

連続ドラマの放送中、或いは映画の公開中に事務所とのトラブルが表面化したら、作品への影響は計り知れません。ドラマや映画には、スポンサー企業の広告の問題も絡んできます。契約問題に一定の“決着”がつかない限り、彼女を起用しづらい状況は変わらないでしょう。

 

しかし、広告に左右されないNHKならば、話は別です。一部では、2019年放送の大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』で復帰するのでは? とささやかれています。

 

『いだてん~東京オリムピック噺~』は、1912年のストックホルム大会から1964年の東京大会開催までの52年間を、3部構成で描くオリンピックにまつわる歴史物語。

 

脚本を担当するのはクドカンこと、宮藤官九郎。あの『あまちゃん』の脚本家です。

 

この作品では、中村勘九郎と阿部サダヲの2人が主演を務めます。さらに、ビートたけしが古今亭志ん生に扮してナレーションを担当。他にも、綾瀬はるか、生田斗真、シャーロット・ケイト・フォックス、竹野内豊、峯田和伸など、魅力的なキャストが発表されていています。

 

そして、注目すべきは『あまちゃん』俳優も多数出演することでしょう。()は『あまちゃん』出演時の役名です。

勝地涼(前髪クネ男)

ピエール瀧(寿司屋の大将・梅頭)

杉本哲太(駅長・大向大吉)

橋本愛(足立ユイ )

古舘寛治(ドラマの監督)

松尾スズキ(喫茶店マスター・甲斐)

 

演出や音楽にも、『あまちゃん』のスタッフが参加します。ここまでくればもう、能年玲奈さんの出演を待つばかりなのですが、はたして実現するでしょうか?

 

8 芸能人と所属事務所の力関係に変化? 公取委の問題提起

 

2017年、公正取引委員会は有識者会議を行いました。芸能人やスポーツ選手など、フリーランスで活動するタレントと事務所をめぐる問題を議論したのです。そこで、事務所側が所属するタレントや選手の行動を過度に制限することは、独占禁止法の違反にあたるという見解を示したのです。

 

芸能界で事務所を辞めた人が仕事を干される”という慣行は人権上の問題がある、と指摘したのです。

 

この問題提起が単なる提言に終わるのか、芸能界の悪しき慣例に歯止めをかけるものとなるか、今のところわかりません。

 

しかし、能年さんやローラさんなど現実に“干されている”人がいるので、状況改善に向かって欲しいものです。

 

9 現在の「のん」さんは? 祝! 1stアルバム発売決定!!

 

こちらが、女優のんさんの公式サイトです。

nondesu.jp

 

こちらは公式ブログ。先日なくなった大杉漣さんのことが綴られています。

lineblog.me

 

メディアへの露出が少ないため、なかなか目立った芸能活動ができていないようですね。

 

そんな中、5月9日に「スーパーヒーローズ」という1stアルバムをリリースすることが発表されました。

 

高橋幸宏、矢野顕子、尾崎亜美らが楽曲を提供しているとのこと。あまちゃんの音楽を担当していた大友良英も参加するそうで、楽しみではありませんか!