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ABC事件の犯人は本当に高瀬? 『アンナチュラル』第9話のあらすじと最終回の大胆予想!

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はじめに

その巧みな脚本から、視聴者はもとより業界からも高く評価されている法医学ドラマ『アンナチュラル』。第9話では、中堂が追いかけていた事件の犯人が判明、クライマックスへ向けて怒涛の物語展開を見せています。

 

ただ、9話で自首した高瀬は本当に真犯人なのか、疑問が残ります。そこで、第8・9話のあらすじを振り返りながら、最終話の展開を予測してみました。

 

父と子のわだかまりが解けた。感動の第8話のあらすじを振り返る。

 

解剖医の中堂(井浦新)の恋人だった夕希子(橋本真美)が、なき者にされた事件。若い女性ばかりを狙った連続無差別事件の可能性が示唆されていました。

 

被害者の口の中に金魚のような赤いあざが残されていたことから、『赤い金魚事件』と呼び、中堂は犯人の手がかりを探していました。

 

 

 

ある日、雑居ビルで火災が発生します。巻き込まれた11人のうち、生存者はひとりだけ。残り10人は遺体として、UDI(=法医学ラボ)に運び込まれます。この中にひとりだけ身元のわからない男がいました。ミコト(石原さとみ)らの調査により、この男が三郎という前科もちの男だったと判明します。

 

三郎の両親は、息子が何か事件を起こし、それを隠すために火を放ったと考えます。関係のない人を多数巻き込み、遺体となった息子を激しくののしります。

 

ところが、実際は違いました。三郎は、ビル内の店の人たちと家族同然の付き合いをしてました。両親に勘当されていた三郎にとって、雑居ビルは唯いつ帰れる家のような存在だったのです。三郎は火事が発生したことを知ると、負傷者を背中にしょって安全な場所まで運んであげていたのです。

 

このとき三郎が負傷者をロープでくくりつける結び方は、消防士だった父に教わったものだったです。

 

 

 

第9話の展開は想像の斜め上! 『赤い金魚事件』の犯人は前回の生存者だった!!!

 

ビル火災があった隣にある空き家から、スーツケースに収められた女性・芹那の遺体が発見されます。遺体の口には、夕希子と同じ金魚のあざが!

 

現場検証をする警察のようすをカメラに収める男がいます。フリーのジャーナリスト・宍戸(北村有起哉)です。宍戸は「A、B、C、D、E、F、G・・・」と意味のわからない事を連呼します。

 

 

 

一方、UDIで働くバイトの六郎(窪田正孝)のもとを週刊ジャーナルの記者・末次(池田鉄洋)が訪れます。末次は、宍戸から預かったものだ、と久部に封筒を渡します。

 

そこには、夕希子が描いていた絵本の挿絵に使われた、ピンクのカバの原画が入っていました。

 

調査の結果、女性の口に押し込まれていたのは、ペットが使うカラーボールであることがわかります。カラーボールの表面に、金魚をかたどった模様がついていたのです。

 

ところが、赤い金魚のあざが見つかった被害者は、どれも死因が異なっていました。ニコチン中毒に熱中症に食中毒。刑事の毛利(大倉孝二)は、事件性を立証できないし、事件だとしても手口が異なるため同一犯と判断はできないと言います。

 

宍戸を怪しいと思い始めた六郎は聞き込みしていました。宍戸の行きつけのバーを訪ねた六郎は、なくなった芹那が宍戸と顔見知りだったことを知ります。

 

芹那の死因はボツリヌス菌による食中毒である、六郎がUDIの見解を示すと、宍戸は高笑いします。「Bはもうやった。A、B、C、D・・・早くしないと間に合わねえぞ」

 

恋人の夕希子のカバの原画を手にした中堂は、電話越しに宍戸を責め立てます。「なぜお前がこの絵を持っているんだ!?」

 

宍戸は、絵は帝日大学病院の入院患者からもらった、と明かします。その入院患者こそ、第8話のビル火災で唯一生き残った高瀬だったのです。不動産業を営む高瀬は、仕事を通じて若い女性と出会うことが多い立場。

 

高瀬の部屋には、不気味な紙が貼られていました。人の死因が全26種類。ABCの頭文字になぞらえて飾られています。すべての文字にチェックが入っていることから、それだけの人があやめられている事になります。

 

『Beat = なぐる』『Crush symdrome = 身体の一部が圧迫され、離された後に起こる症状』『Knife = ナイフ』などやり方は様々。恐ろしいのは、ほとんどが発覚していないこと。今回の芹那の件は、『Formalin = ホルマリン』。しかもホルマリンの長期保存によってギ酸を生成する、という手のこんだものでした。

 

 

 

復讐に燃える中堂がスコップを手に部屋になぐりこみますが、当の高瀬はいません。

 

数分後。警察署に出頭する高瀬の姿がありました。「保護してほしいんですけど」

www.youtube.com

 

元ネタはアガサ・クリスティーの代表作?

「ABCの頭文字になぞらえて、人をあやめる・・・」この犯行のやり方で、ある推理小説を思い浮かべるミステリーファンは多いのではないでしょうか?

 

アガサ・クリスティー原作の『ABC殺人事件』名探偵ポワロが活躍するシリーズの初期の傑作です。

 

この事件は、イニシャルがAで始まる街に住む、アッシャーという老女がなき者にされます。次の被害者は、Bで始まる街のバーナード嬢。そして、Cで始まる街の大富豪、カーマイケル・クラーク(Clarke)。

 

この一連の無差別事件の容疑者として浮かび上がったのが、カストという男。新聞を読んで自分が犯人なのではないかと思って、自首してくるのです。カストはてんかんの持病があり、ときどき記憶がとぶ、と言うのです。

 

しかし、ポワロの推理は違いました。真犯人は3番目の被害者カーマイケルの弟、フランクリン・クラーク。兄の財産を奪おうとしていたのです。そのため、無差別事件を装い、兄をなき者にしたのです。

 

犯行に使った凶器は、カストのポケットに忍ばせて、彼に罪を着せようとしたのでした。

 

『アンナチュラル』最終回における、2つの可能性。

 

1つ。

真犯人は別にいる。

 

カストに罪を着せたフランクリンのように、何者かが高瀬の犯行に見せたという説です。犯人の真の狙いはあくまで夕希子で、他の犠牲者はカモフラージュ。夕希子本人、あるいは中堂に強い恨みを持つ人物。

 

自己顕示欲の強い高瀬が、犯人の口車に乗せられたという説。この説を裏付けるのは、犯行の用意周到さです。事件によっては法医学の知識が必要で、ただの不動産業者がすべて一人で行えるとは思えません。

 

とすると、怪しい人物は・・・

ジャーナリストの宍戸。(ABCの歌)

週刊ジャーナルの末次。(ニコチン中毒)

臨床検査技師の坂本。(中堂によるパワハラ)

フォレスト葬儀社の木林。(「森」から連想されるのは、ホームズの宿敵モリアーティ教授)

 

 

 

 

 

 

2つ

実行犯はあくまで高瀬。

 

夕希子はある日突然、なんの前触れもなく事件に巻き込まれたことに。タイトル『アンナチュラル』が示すように、不条理な死だったという説。

 

このドラマの各話に共通しているのが、被害者が突然命を奪われていることです。遺族や恋人が、その不条理にどう向き合うかが、この作品のテーマと言えるでしょう。また、突然命を奪われることになった被害者が、死の間際に見せる人間的な尊さも見どころのひとつでした。。

 

中堂個人に恨みを持つものの犯行だったら、まだ救われる気がします。許せないけれど、納得はできるでしょう。

 

でも、夕希子の死が、理不尽で不条理なものだったらどうでしょう? 

 

第8話で、震災で家族を失った人の話が出てきました。震災で命を失った人たちは、落ち度があった訳でもなく、誰かから恨みをかっていた訳でもありません。ある日突然、不幸に見舞われたのです。遺族にとっては、まさに不条理な死だったでしょう。

 

中堂は夕希子の死とどのように向き合うのか? 法医学者という法律を順守する立場の彼が、法の裁きにゆだねることができるのか? 夕希子が最後の瞬間にどんな行動をとったのか? どんな言葉を発したのか? それを知ることができたなら・・・もしかすると中堂は救われるのかもしれません。

 

そう考えると、『アンナチュラル』の本当の主人公は、ミコトでなくて中堂なのかもしれません。シナリオ的にいうと、スタートラインから一番成長している(これから成長するであろう)キャラは、中堂ですから。不条理な死に対して心の整理をつけることができたら、中堂はきっと変わるでしょう。中堂が、“クソ”救われるラストが見たいものですね。

 

 

 

 

 

構成のうまい野木亜紀子脚本だけに、わざと怪しげな人物を配置して、視聴者をミスリードしている可能性があります。海水浴でもないのに黒いサングラスしてる木林なんて、怪しすぎるでしょ! 私をはじめとして、何人の推理ファンがだまされたことか!

 

こちらで、アンナチュラルのシナリオ分析もしています。

www.entafukuzou.com

 

追記:公式ホームページを見ると、法廷で裁判の行方を見守るミコトたちの姿が映っています。海外の法廷ドラマを見ているとありがちなのが、傍聴席に座っている人のなかに真犯人がいるパターン。とすると、高瀬を教唆した人物が傍聴席の中にいる可能性も否定できない!?