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あのね。広瀬すず主演ドラマ『anone』の第8話までのあらすじを、簡単にまとめてみたよ

 

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『カルテット』坂元裕二が脚本を執筆、広瀬すずが10代最後の出演となるドラマ『anone』。鳴り物入りで始まった同ドラマですが、視聴率は5%台と低迷しています。水曜10時のドラマ枠で過去最低水準であることから、脚本の出来や広瀬すずの演技力を疑問視する声も出ています。

 

しかし、あえて口に出しましょう。「だからどうした?」と。

 

ドラマとは、本来、葛藤を描くもの。そう考えると、昨今は軽いノリのコントみたいなドラマが持てはやされている気がしてなりません。

 

『anone』はまっとうに作られた正統派のドラマです。目先の小ネタには走らず、人間と人間の葛藤を描いています。ただし、坂元裕二作品の特徴として、物語がどこへ向かっているのか分かりづらい欠点があります。

 

そこで、第1話から第8話までのあらすじ&ネタバレを超ザックリまとめ、番組が描こうとしているテーマに迫ってみました。

 

第1話から第5話までのあらすじを、ウサイン・ボルト並みのスピード(大げさ)で振り返る。

 

児童養護施設で育ったハリカ(広瀬すず)は、天涯孤独の身。ネットカフェに身をおきながら清掃のアルバイトをして、ささやかに暮らしていました。

 

彼女の心の支えとなっていたのは、スマホのアプリチャットで『彦星』という少年(清水尋也)とメッセージをやり取りすることでした。

 

ハリカはある日、亜乃音(あのね=田中裕子)という老女と出会います。亜乃音は現在は法律事務所で働いていますが、昔は印刷工場を営んでいました。

 

ハリカが住むところもないと知った亜乃音は、彼女を自分の家に住まわせることにするのです。

 

ある日、亜乃音が不在のとき、印刷工場にある2人組が忍びこみます。カレー店を経営していた持本(阿部サダヲ)と、カレー店の最後の客・るい子(小林聡美)の2人です。亜乃音が1万円札を大量に捨てるのを見た2人は、工場にまだ隠し金があると睨んでいたのです。

 

ところが実際に捨てていたのは、質のよくないニセ札でした。今はなき亜乃音の夫が、従業員の中世古(瑛太)のニセ札づくりに協力していたのです。

 

持本とるい子が工場を荒らしている所に、ハリカが帰ってきて3人は鉢合わせとなります。ハリカを亜乃音の娘だと勘違いした持本とるい子は、ハリカを監禁してしまいます。そして、亜乃音から身代金をせしめ取ろうとするのです。

 

亜乃音は自分の娘でもないハリカのために、夫が残した1000万円払います。しかし、根っからの犯罪者ではない、持本とるい子。計画はとん挫し、泥棒にお金を盗まれてしまいます。2人は亜乃音たちに謝罪します。持本とるい子は、働いて1000万円返すことを亜乃音に約束したのです。こうして、亜乃音とハリカ、持本とるい子の4人は印刷工場で共同生活をすることになるのでした。

 

第6話から第8話までのあらすじを、ザックリと。

 

血のつながっていない4人。しかし、いつしか皆、この“疑似家族”に愛着と居心地のよさを感じるようになります。

 

そんな4人の前に、かつての印刷工場の従業員・中世古が現れます。中世古はいまだにニセ札づくりを続けていて、亜乃音たちにも協力をせまるのでした。いちどは断る亜乃音。

 

中世古は妻がいる身ですが、玲(江口のりこ)という女と付き合っていました。玲は、亜乃音が娘のように育ててきた女性。玲と息子に危害を加えると脅されて、亜乃音は中世古のニセ札づくりを手伝うことになったのでした。

 

持本とるい子も協力を申し出ます。負け犬人生だった2人は、大金を手にして人生を変えたいと思っていたのです。

 

また、ハリカにも大金が必要でした。アプリチャットでやり取りをしていた彦星が難病にかかっていて、彼の病気を治すためにはお金がいるのです。

 

こうして亜乃音たち4人は、中世古にノウハウを学びながら、ニセ札づくりに加担してゆくことになるのです。

 

ある日のこと。1万円札のホログラムづくりをしていた亜乃音は、職場の法律事務所でホログラムのかけらを落としてしまいます。事務所の上司・花房万太郎(火野正平)はかけらを見つけて、亜乃音の行動を不審に思います。

 

一方、ニセ札づくりは佳境に入ります。持本とるい子、ハリカの3人は別々に両替機に向かい、機会がニセ札を認識するかどうか、試すことに。

 

持本とるい子は失敗に終わりますが、ハリカが両替機に通したニセ札は、機械の目をごまかすことができました。

 

その夜、小料理屋に亜乃音を呼び出した万太郎は、印刷工場をたたむように説得します。帰り道、機械が稼働しているとかぎつけた万太郎は、印刷工場に侵入します。工場では、まさに中世古がニセ札を印刷している最中でした。

 

万太郎は、犯罪行為をしている亜乃音たちをたしなめます。しかし、後ろから襲った中世古が万太郎の首を絞めるのでした。

 

 

『anone』のテーマ。それは、“ニセモノが本物になり得るかどうか?”

 

亜乃音とハリカ、持本とるい子は全くの赤の他人。血のつながりもなければ、年齢もバラバラ。共通点があるとすれば、他人には分かり得ないような辛い経験をしてきたこと。

 

そんな、幸せとは縁遠かった4人は、印刷工場で一緒に寝泊まりするうちに本当の家族のような関係を築きます。

 

娘がわりに育ててきた玲から、亜乃音が冷たくあしらわれたとき。ハリカは、“亜乃音さんはちゃんと母親してたよ”と優しい言葉をかけてあげます。

 

犯罪がバレそうになったら、ハリカだけは助けてほしい。亜乃音はるい子にこっそり語ります。

 

自分に自信が持てない持本に、るい子は「ヒュージャックマンよりずっと魅力的だ」と伝えます。

 

彼らが取り組む『ニセ札づくり』は、“ニセモノを本物に近づけようとする”ことのメタファーであることがわかります。しかし、第8話までの流れを見ると、亜乃音たち4人の“疑似家族“には悲しい結末が待っているような気がしてなりません。

 

ニセ札づくりがそんな簡単にうまくいく訳がありません。同じように、亜乃音たちの“家族づくり”も簡単にはなしえないのではないでしょうか?

 

コメディとシリアスの同居した独特の雰囲気。静かにせまる感動。低視聴率のひとことで『anone』を語るなんて、ナンセンス! 

 

葛藤を描いた本物のドラマ『anone』を見逃すな!