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シナリオだけで選ぶ! スーパーファミコン名作RPGランキング

 

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 ※この記事は、約8分で読めます。

スーパーファミコンには、ドラゴンクエストⅤやファイナルファンタジーⅥ、マザーⅡなど良質のRPGが多数あります。しかし、中には難易度が高かったり致命的な欠点があったりして、なかなかユーザーがエンディングまでたどり着けないソフトも多数あります。

 

ここでは秀逸なシナリオながら、最後までプレイした人が少ないであろう、隠れた名作をご紹介します。ゲーム性・音楽・システムはこの際度外視。純粋に物語のよさだけで選びました。

 

 

5:大貝獣物語

 

発売元:ハドソン

 

別世界から呼ばれた勇者が、魔王を倒すために旅をする王道のファンタジーRPG・・・と思いきや、中盤からその世界観は一変します。宇宙の侵略者が現われ、ロボット兵器が出てきたりとSF要素が強くなるのです。おまけに、その侵略者は、これまで食物連鎖の頂点に立っていた人類や貝獣を脅かす存在。別の星の生き物を食料にする、という映画『猿の惑星』を見ているかのようなハードな物語となってゆくのです。

 

また、サブキャラクターの過去を、ドラマのような回想シーンで見せる演出は秀逸。複数のキャラクターから自由に仲間を選択でき、彼らの悩みを解決することで最強装備が揃ったり、後日談を観賞することができたりします。問題なのは、異常なまでのエンカウント率です

 

4:ファイアーエムブレム トラキア776

 

発売元:任天堂

 

シミュレーションRPG、『ファイアーエムブレム 聖戦の系譜』の外伝的作品。レンスター王国の王子リーフは、両親を戦争で失い、祖国を追われて辺境の小さな村に逃げのびていました。帝国の追手を交わしながら、祖国再建のためリーフ王子は立ち上がります。

 

追いはぎのようなマネをするわ追手から逃げまくるわ、これだけ王子という肩書の似合わない主人公も珍しいでしょう。次々と不幸に見舞われるサマは、まるで『ああ無情』のジャン・バルジャンです。ゲームの難易度も、鬼のように高い

 

何より辛いのは、成長率のよいキャラクターがいても育てているヒマがないということ。しかも『疲労』というパラメータまであり、強キャラをずっと使い続けることができないという鬼仕様です。しかし、これこそゲームの本当の面白さではないでしょうか? このシリーズが本来持っていたのは、プランナーの加賀昭三さんの語るように滅びの美学です。『全員生き残れなくて当たり前』なのが、ファイアーエムブレムの真の魅力なのです。

 

いつから私たちは、全員育ててレベルMAXまで上げる、というつまらない達成感にこだわるようになったのでしょう? このゲームでそれをやるのはまず無理です。志半ばで散っていった仲間の分だけ、プレイヤーそれぞれに違う物語があります。人生だって、人それぞれ違うのだから。

 

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3:タクティクス・オウガ

 

発売元:クエスト

 

敵味方に関係なく、素早いユニットから行動する同時ターン制を採用したシミュレーションRPG。描きこまれたグラフィック、高い戦略性、重厚な音楽、とどれを取っても完成度が高く、総合評価でもスーパーファミコンで1、2で争う名作ソフトです。

 

しかし、何と言っても最大の魅力は、旧ユーゴスラビアの内戦をモチーフにしたシリアスすぎる物語にあります。「民族浄化」という言葉に代表されるように、3つの民族間に起こる対立は、もはや誰が正しくて誰が間違っている、という単純な構図ではありません。自分の属する組織のために、ときに汚い行動を選択するように迫られます。かといって良心に従って行動しても、敵側から「綺麗事」だ、とののしられるハメになります。

 

選択肢によっては親友と仲違いしたり、実の姉を失うことになったりと物語もドラマティックです。ps版はキャラクターの成長面において大きくバランスを崩しています。もはや、別のゲームと過言ではないでしょう。オリジナル版のほうがはるかに面白いです。

 

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画面は、psp版

 

2:新桃太郎伝説

 

発売元:ハドソン

 

ファミコンの『桃太郎伝説』の続編でありますが、雰囲気はまるで違います。ファミコン版が、ウンチくんをつつくような『アラレちゃん』的ギャグテイストだったのに対して、スーパーファミコン版はシリアスそのものなんです。

 

根底にあるのは、仏教の2大宗派の対立。戒律を重んじる鬼たちと、どんな相手でも改心することで救えると信じる桃太郎たちとの闘いです。

 

しかし、このゲームを名作たらしめているのは、悪役・カルラの存在でしょう。他の鬼たちが桃太郎との闘いの中で改心しても、このカルラだけは絶対に揺るぎません。汚い手を使って組織の中でのし上がり、誰にも心を開かない孤高の存在。『ドラゴンボール』のベジータや、『ダークナイト』のジョーカーにも匹敵する、名悪役です。

 

 

 

1:ヘラクレスの栄光Ⅲ 神々の沈黙

 

発売元:データイースト

 

はっきりいって同時期のゲームよりもグラフィックはしょぼいです。戦闘システムはドラクエの劣化版でしかありません。はっきり言って戦闘シーンはつまらないし、退屈です。音楽だって、耳に残るほどではありません。

 

しかし、そんな数ある欠点を補ってあまりあるのが、シナリオの完成度の高さです。主人公は、高い所から落ちても傷一つ負わない。なぜ、自分は不死身なのか? なぜ、魔物がわらわら出てくるようになったのか? なぜ、オリンポスの神々は人々を助けてくれないのか? 次々とわき上がる疑問は、新しい街に進む度に、新しいイベントをこなす度に少しずつ明らかにされてゆきます。

 

そして点と点が線になり、プレイヤーが主人公の正体を知ったとき・・・その衝撃は忘れることができないものとなります。ひざの力が抜けてしばらく立ち上がれなかったのを、今でも覚えています。これは、小説でも映画でも、絶対にできません。『プレイヤー=主人公』というゲームの特性を生かした、壮大な仕掛けであるのです。

 

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まとめ

特にこの頃のRPGはエンカウント率が半端ないです。たいてい、これに嫌気がさして投げ出してしまいます。しかし、ここにあげた5作品はその苦労を乗り越えてエンディングを迎えたら、相当の達成感と物語に対する満足度は得られるはずです。